四十三庵

蔀の雑記帳

芥川賞4 石川淳「普賢」、冨澤有爲男「地中海」

○今回も二作受賞 第四回も二作同時受賞。 石川淳「普賢」 ○あらすじ ジャンヌダルクを題材にした大作を書こうとしている主人公の周りでは、 観念世界では立派なことを言うが、現実世界では酒、博打、薬物(モルヒネ)とろくなことをしない、 窮乏して、堕落している頭でっかちな若者が集まる。 普賢という題名は、普賢菩薩からとられていて、主人公の芸術性を、一言で代表するような、そんなものらしい。 ○感想 江藤淳石川淳を混同してたんで、 てっきり評論も書いて、小説では芥川賞とっちゃうすごい人なのかと思ったら、全然別人だった。 芥川賞とったのが石川淳。 評論書くのが江藤淳。 どうして文科系の男の恋愛って、こうストーカーじみてるのかね。 僕の解釈だと、石川淳の進化系が、我らが森見登美彦なんだよね。 観念世界では無敵、現実世界では無能っていう辺りがさ。 後、気になったのが、のりピーも愛したというシャブセックス、 つまり薬物を使用した直後に性行為に及ぶことで通常よりも高い性的快感を得る行為が、この小説でも出てくること。 戦前から知られてたんですねえ。 大麻栽培とか、日本のカートこと押尾さんとか、のりピーとか、JAYWALKとかの事件で、 日本で薬物汚染がどうのって言われるけど、そんなもん戦前の昔からあった訳で、 昔は薬物なんて全くなかったかって言うと、そんな訳はないんすねえ。 「サザエさん」や「はだしのゲン」なんか読むと、ヒロポンという薬物が出てくるし。 なんかマスコミの報道だと、「急に日本が薬物汚染されてる!!!」みたいな論調だけど。 まあマスコミはいつもそうだけど。 「マスコミがとりあえげた事実だけが事実」っていうスタンスでニュース作ってるよね。絶対。 冨澤有爲男「地中海」 ○あらすじ パリ在住の日本人画家の主人公は、外交官の妻桂夫人に横恋慕する。 数学者児島の助言に従い、主人公は桂夫人を落とすことに成功するが、旦那にばれて、拳銃で決闘することになる。 そんな話が、整って、生活感のない、詩的な文章でつづられてます。 ○感想 児島のアドバイスが鬼のように具体的。 こんな童貞(勝手な憶測)になりてー。 芸術性が高い小説。作者が東京美術学校出の芸術家らしい。そういうのって文章に出るのかね。