四十三庵

蔀の雑記帳

佐藤優「自壊する帝国」

佐藤優という人をはじめて知ったのは、「中央公論」の「新・帝国主義の時代」というシリーズだった。
印象としては、ロシア事情には確かに詳しいが、あまり実りのない文章だという感じ。
概念を転がす知的遊戯みたいな文章。


本著を読んで、印象が大分変わった。
この本は、佐藤優が外務省の下っ端として、ロシア語学習のためにあちこちの国に飛ばされながら、
最終的にモスクワ大学に通い、ラトビア出身のサーシャという天才哲学部生と親友になり、
その後どんどん人脈を広げていって、ソ連崩壊をどちらかというと内側から見る、という構成になっている。
ソ連崩壊というか、むしろソ連崩壊前後のロシア人たちの人間活劇と言った方が適切かもしれない。


それにしてもロシア人の食事はすごい。
細雪」でも、在日ロシア人が男も女も馬鹿みたいに飯食うので、
姉妹がドン引きする場面があるけど、まさにあんな感じらしい。
そりゃ佐藤さんも太りますよ。


「新・帝国主義の時代」でも思ったことなんだけど、この人の文章は自己愛が強すぎる。
「僕はこんなすごいことしました!」
「こんなに賢いんです!」というのを強調しすぎる。
まあインテリってそんなもんかね。