四十三庵

蔀の雑記帳

幻想としての欧米

なんか


WEB RONZA朝日新聞


から飛んできてくれる人が多いようで。
若者の内向き志向について〜的外れな若者批判の典型として〜は結構真面目に書いた記事なので、
読んでくれるとありがたいです。


軽くむこうの内容につっこむと、


個人的体験から考える「海外に出て行く意味」


私が、はじめて海外にいったのは、もう30年以上も前の学生時代のヨーロッパ旅行だ。

私は、当時すでに日本は豊かで恵まれた国であるという意識を持って、ヨーロッパの地を踏んだ。しかし、その思いとは違い、ヨーロッパはより豊かで、歴史を感じさせ、それと比べれば、日本はいまだ貧しく、まだまだ発展しなければならないと感じたものだ。その意味で、私の自信は脆くも砕かれたのだ。その思いが、その後の私の様々な活動のモチベーションになっており、それは今も続いている


もう1980年の時点で、主要なヨーロッパ各国のGDPを日本は追い抜いていたので、
より豊かで、と感じたのは間違い。
グラフ
ここから)


評論とかを読んでても常々思うことなんだけど、
我々日本人の精神の中に、「幻想としての欧米」が存在する。
戦争中は「鬼畜米英」なんて言ってた訳だけど、
いざ敗戦をむかえてみると、持ち前の節操のなさで日本人は欧米を鬼畜から目標に180度反転させた。
言うなれば、明治維新の頃に戻った訳だ。
僕は、日本人の国際感覚というのは、単なる階層秩序・封建制度の意識を、国際的に敷衍しただけのものだと思っている。
戦時中は、天皇-政治家・軍人-民衆という、国内の階層秩序が存在した。
日本人の国際感覚は、その階層秩序を国ごとに適用して、アメリカ-ヨーロッパ-日本という階層に分けただけのものだ。


戦後のある時期までは、欧米を目標にするということは、
先進国になるということと同義であったから、まあ間違いではなかった。
しかし現在。
アメリカなんて、自由市場主義といえば聞こえはいいが、
実際は貧困層は固定化されて、けして這い上がる機会はなく、エリート層もほぼ世襲のようになっている。
未だに大学などは世界最高峰のレベルを保ち、各国の学生の上澄みを集める機能は保っているが。
ヨーロッパはもっと酷い。
経済成長なんてほとんど止まってるし、若年失業率はすさまじい水準になっている。
失業してても、政府の手厚い援助があるんで、働かない。
欧米どちらも、薬物は蔓延してるし、銃がらみの犯罪も多い。
これが、今の欧米の姿である(もちろん悪い面ばかり強調してはいるが)。
必ずしも欧米は、日本の目標として適切ではなくなっている。


しかし未だに、多くの日本人は、欧米と言うと、日本よりずっと進んだ国だという「幻想」にとらわれている。
何かの制度に関して論ずる際に、
「他の先進国(と言ってもそれは欧米諸国と同義語なのだが)の制度と比較してみました。
フランスでは〜という制度をとっていて〜。
こんなばかげた制度があるのは日本だけです!」
という方々がいるが、日本だけにある制度だから廃止すべきだという論理は成り立たない。
海外の制度を参考にするのはいいが、「欧米の制度はいい制度」という先入観に基づいた模倣はやめるべきだ。
まあ「松田聖子がした髪型だから、私も聖子ちゃんカットにする!」という、
安直な思考回路を持ってた世代の連中の意見なんざ、そんなもんかもしれん。

○参考
崩壊する若者の雇用


スペインの若年失業率が43.8%になった。