読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

四十三庵

蔀の雑記帳

ロバート・ギボンズ「経済学のためのゲーム理論入門」訳福岡 正夫、須田 伸一

原題"GAME THEORY FOR APPLIED ECONIMISTS"Robert Gibbons。
ただし元の著作が、大人の事情で同内容の本が違う題名で二冊発売されていて、
その二冊が別々に翻訳がかかって日本で出版されてしまった。
僕も図書館で借りる時どっちにしようか迷ったけど、どっちも同じらしい。
つってももう一方の方はドマイナー出版社(こっちもマイナーだけどそれに輪をかけて)なので、今は絶版になってるっぽい。
応用経済学のためのゲーム理論入門
大学の図書館にはあったけど、amazonだと価格が高騰してる。

○構成
さて。
構成は元数学者らしく、シンプル。

・完備情報の静学ゲーム
・完備情報の動学ゲーム
・不完備情報の静学ゲーム
・不完備情報の動学ゲーム

不完備情報のゲームはベイジアン・ゲームとも呼ばれる。

○はじめに
はじめに告白しておくけど、僕はこの本の内容が半分も理解できていない。
じっくり腰を据えて読み進めて、二三周して理解できるタイプの本だと思う(そういうタイプの方がいい教科書なんだけど)。
抽象論で話が進んでいくので、苦しい。

ゲーム理論とは
ゲーム理論というのは、チェスや将棋のように、プレイヤーが二人以上いて、
互いの選択・行動によって、互いの利得が決まる「ゲーム」を用いる数学の一分野。
これを用いると、今まできちんと説明できなかった経済現象なんかが、すっきり記述できるため、
現代に至るまで、「とりあえずゲーム理論で」という時代が続いている。

ナッシュ均衡について
合理的なプレイヤーを想定すると、「強く支配される」戦略というものが出てくる。
つまりプレイヤーが実行可能な選択肢の中で、利得が最大になるものを選ぶ。
そうやって「逐次消去」することで、導き出される均衡が「ナッシュ均衡」である。
プレイヤーが合理的であれば、必ずゲームの結果はナッシュ均衡となる。
また、ナッシュ均衡は全てのゲームに少なくとも一つは存在する。
複数存在する可能性があることに注意)

○純粋戦略と混合戦略
相手の合理性を仮定した上での戦略行動が、純粋戦略。
相手の行動の不確実性を盛り込んだ戦略行動が、混合戦略。

○静学ゲームと動学ゲーム
静学ゲームとはつまり同時手番ゲームのことである。
動学ゲームとはつまり逐次手番ゲームのことである。
動学ゲームの場合、プレイヤー1の行動選択の後、プレイヤー2が行動選択を行うため、
動学ゲームの方が多少問題が複雑になる。

○完備情報と不完備情報
情報が完備であるとは、他のプレイヤーの行動の情報を、任意のプレイヤーが正確に把握していることである。
もし把握していない、不完備情報の場合は、プレイヤーは各自の「信念」にもとづいて、選択を行うこととなる。
(ので、問題が複雑になる)

○サブゲーム完全なナッシュ均衡
動学ゲームにおいて、あるプレイヤー達の選択・行動後に、
プレイヤーが選択・行動をする場面を個別に「サブゲーム」と呼ぶ。
全ての「サブゲーム」において、ナッシュ均衡となるものが、「サブゲーム完全なナッシュ均衡」。
無限繰り返しゲームには、必ず「サブ〜均衡」が存在するというのが、フリードマンの定理。

ベイジアンナッシュ均衡
静学ベイジアン・ゲーム(不完備情報ゲーム)において、「タイプ」と「信念」(belief)という新たな概念が導入される。

1、自然が各「タイプ」を選ぶ。
2、プレイヤーiは自分の「タイプ」を知っているが、jは知らない(私的情報、情報の非対称性)。
3、プレイヤーiは行動aを実行する。
3’、プレイヤーjは信念pにもとづいて行動a'を実行する。
4、プレイヤーi,jはそれぞれの利得を手にする。

という流れになる。
ベイジアンナッシュ均衡」とは、厳密な定義があって、
ある最大化問題の解になればいいんだけど、ちょっとパソコンだと記述できないし、意味もきちんと理解できていない。
この「ベイジアンナッシュ均衡」は、
誘引両立的(自発的に正しいタイプを表現させるような)直接メカニズムによって表現することが出来る。
これを「顕示原理」という。

○完全ベイジアン均衡
次の条件1〜4を満たすような均衡を、「完全ベイジアン均衡」という。
意味がわからないからと言って、僕に質問しないように(僕もわからない)。
条件1 プレーヤーは信念を持たねばならない。そして唯一の決定説に確立1を割り当てる。
条件2 プレーヤーの戦略は「逐次合理的」でなければならない。
条件3 均衡径路上にある情報集合においては、信念はベイズの公式とプレーヤーの均衡戦略とによって決定される。
条件4 均衡径路上にない情報集合においては、信念は可能な場合、ベイズの公式とプレーヤーの均衡戦略とによって決定される。


○本の内容
各章には、実際の経済学への応用が乗ってるし、論文や本の紹介もたっぷりだ。
ただこの応用がまたちょっと一読では理解しがたい。