四十三庵

蔀の雑記帳

「John Q」と「Sicko」

アメリカ医療制度の問題をえぐった映画二作を見た。
「医療経済学」っつー講義をとって、そこで紹介された二作が、ちょこっと気になってた。


○John Q
こっちはヒューマンドラマ。
割とかっこいい黒人の主人公が、病気の息子のために病院に立てこもり事件を起こす。
最後はハッピーエンドなんだけど、なんかご都合主義っぽいね。
でも結構泣ける話。
巨大な制度・社会の中で、それぞれの思惑で動くアメリカ市民の姿がよく出来てる佳作。
マスコミ・医者・政治家・貧困層の、それぞれの立場・視点が入っている。
しかし心臓移植手術をするためのリストに名前を載せてもらうための金すら捻出できないとは、
恐ろしい国だね。HMO。
たださすがに問題になって、オバマ大統領が改正した訳だけども、
変えたら変えたで新たな問題が生じる。保険とか医療とかの制度設計はなかなかに難しい。


Sicko
マイケル・ムーア(ブタ)監督の作品。
ほぼドキュメンタリー。
最後の1時間50分くらいの所で、病人を船に乗せて、キューバにある政治犯の収容所に行く部分だけは少し映画っぽい。
全米を騒然とさせたらしいが、日本では泣かず飛ばずだった作品。
デブがアメリカの医療制度に愕然としつつ、カナダ、イギリス、フランス、キューバの医療制度に驚く。
イギリスのアビイ・ロードで、逆立ちして渡ろうとして肩脱臼したデブが出てきてそこは笑った。
キューバだと5セントの薬が、アメリカでは120ドルかかって生活費を圧迫してるっていうのは、問題だよなあ。
もちろんアメリカには見習うべき点はたくさんある訳だけど、こういう暗い側面もある。
後、フランスが地上の楽園のように描かれていたけど、あれも問題がある。
美化しすぎだ。
アメリカの制度もサックだが、フランスはフランスで、絶対にあんな制度永続するはずがない。
後で子孫がツケをたっぷり支払うことになるはずだ。