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四十三庵

蔀の雑記帳

「エレファント」

「エレファント」("Elephant")
コロンバイン銃乱射事件を描いた映画だが、
別にドキュメンタリーではなく、犯人の心理に迫ったり、丹念な取材にもとづいていたりはしない。
事件が起こる一日を、それぞれの人物の視点から、同じ時間軸で描いているので、
所々わかりづらいが、構成はしっかりしてる。
ジョンが廊下でオカマくさいポーズをとって、写真をとられるシーンが三回出てきて、
なんだこれと思ったが、それぞれジョンの視点、カメラ野朗の視点、すれ違ったもさい女の子の視点で、同一シーンが三回出てくる訳だ。
特に意味とか、思想とかを求めてはいけない。
銃乱射事件そのものは、アメリカのスクールカーストの中で起こった、
結構「どっちもどっち」な事件な訳だけど、この映画ではそのあたりの事情はほのかに感じられるけど、深くえぐってはいない。
これはもちろん、意図的にそうしているわけなんだろうけども。


タイトルの”Elephant”は、どうやら
"Elephant in the room"(「見てみぬふり」みたいな意味のことわざ)とか、
「盲人が象を触って、色々言うのだけど、結局脚を触っているか鼻を触っているかで意見が異なるだけで、
誰も本当の象の姿はわかっていない」という説法とかに由来するらしい。


最後のシーンは、スポーツマンでモテモテのイケメン君と、ブロンド美女が
犯人の片方に見つかって、銃をつきつけられて、「どちらにしようかな」としてる場面。
これで終わり。
思うに、メッセージ性だとか、社会問題だとか、
そういった部分を意図的に排除(少しだけ入ってるけど)して、
淡々と被害者・加害者の一日を描くことで、無差別殺人のある種本質を描こうとしてるんだと思わるる。
あんま期待しないで見たけど、なかなか面白かった。


真面目に「銃乱射事件」に興味がある人には、不正確であんまよくないと思うので、他を薦める。
僕はこの事件に非常に興味を抱いている。
マイケル・ムーアも映画をつくっているらしいので、そっちも見たい。