四十三庵

蔀の雑記帳

自己啓発本・ビジネス書について

Google analyticsが機能するようになりまして、
心なしか少しトップが重くなったような気がしますが、それだけの価値はあります。
はてなは金払わないとアクセス解析が使えないので、諦めてたのですが、
この情報化社会、探してみるといくらでも方法はあるようです。
まあ月々280円だか380円だかなんで、そんぐらいビール一本買ったと思って、払ったれよという話なんですが、
ブログに金が掛かってると思うと、是が非でもアクセス数稼いで、その元をとらなきゃいけないような感じになると思うので、
僕の書いてる文章の質を考えると、やっぱり多少の不便を忍んでも、ただでだらだら気のおもむくまま書いてたいのです。


昨日の人気記事は

  1. 四十三庵 43
  2. 2010年邦楽オリコンまとめ 14
  3. TOMAS 12
  4. ゴールデンボンバー動画まとめ 11
  5. 若者の内向き志向について〜的外れな若者批判の典型として〜 11

(数字はページビュー数)


こんな所。
一位がトップページなのはともかく、実質一位はオリコンまとめという結果に。
一日だけなんで何とも言えないけど。
5位の若者批判批判みたいな記事は、相変わらず一定数のアクセスがある。
僕のサイトで唯一コメントがつく記事で、なんか不思議だ。
人の心を動かす何かを持ってるんだろうか。


○本題
特にはてな民がそうなんだが、大概日本の社会人で、
「面白い本」とか、「ためになった本」というと、ビジネス書か自己啓発本を紹介してくる。
本人がそう思ってるんなら別に構わないし、いい年こいた大人が小説ばっか読んで、
創作の世界にどっぷり浸られても……という感じなので、実用本を読むのは喜ぶべき傾向だ。


年末年始に読みたい「オススメ本10選」--2010年下半期総ざらい


この記事で紹介されてる十冊の本は、
easy to understand
で、いかにも役に立ちそうな感じの題の本ばかりだ。
別に、世の中のサラリーマン連中に、岩波文庫のおかたい、かびくさい哲学書を読んで、
抽象的で難解で不自然な訳文を読んでもっと苦しめ、と言いたいのではない。
僕の印象だと、ここに上げられてる十冊はいかにも小金目的の、
ちょっと考えればわかるような、「当たり前」のことをつらつらと書き連ねてるだけの本なんじゃないかと思うんだけど、
まあ実際に読んだ人が薦めるということは、もしかしたら役に立つのかもしれない。


自己啓発本の利害関係
自己啓発本の本質というのは、まともな常識を持った人間なら途中で馬鹿らしくなってしまうような理想論を
大真面目につらつらと書き連ねて、いかにして無垢な読書を騙しこむかに作者の才能が問われる訳で、
勝間和代なんていうのは、公認会計士の資格などを使って、
(ちなみ彼女は慶応大学出身だが、慶応大学は公認会計士合格者が一年で二百人以上いるが、
彼女は当時の最年少合格者ということで差別化を図った)
いかにも「エリート成功者」側を装って、How to successをご教示しなすってた訳だけども、
実際の彼女は監査法人やコンサル畑で、それなりに高収入ではあるが、
エリート的な基準で言うと、胸を張って、私は成功者だとは言いがたい存在であった。
しかし彼女の自己啓発本を書く才能によって、彼女はサクセスロードを突き進んだ。
マスコミを通じて発信される彼女の自信にあふれた断定口調は、
「勝間節」と言われ、経済知識ゼロの大衆はよくわからないけど、
なんか彼女は正しそうだという雰囲気で、彼女を支持していった。
(この辺りはナチスヒトラーがドイツで人気を得た過程に似ている)
経済学者なんていうのは、将来の見通しについては何ら意見を持たないから、
将来に関しては「こうなるか、ああなるか、或いはそうなるかでしょうね。
〜した場合はこうなって、〜した場合はああなります」みたいな、歯切れの悪い予想しか言えないので、
あまりテレビ映えしないのです。。。


この文章だとまるて勝間和代がクソみたいですが、(実際クソですが)
別に彼女の自己啓発本が、読んだ人間を洗脳して、社会に害をなすという訳ではないのです。
勝間和代なんてまともな良識のある人間なら皆嫌いですが、
彼女の本を読んで、啓発された人間は、
「よし私も勝間さんのように輝く女性になるんだ!」
みたいな思考になり、多少明るい物の見方が出来るようになるし、
非常識な行動をとって、組織の和を乱すことは少しぐらいはあるかもしれないが、
何に対してかはよくわからないけれど、やる気にはみちみちているので、よく働いてくれるでしょう。
「リスクとリターンを天秤に掛けると、消極的に生きるよりも、積極的に行動していった方が得だ」
みたいな思考をするようになります。
書き手の勝間和代はビッグマネーを手にできる。
出版不況の出版社も潤う。
スター不足のテレビ局・雑誌も潤う。
読者はやる気を出して、よく働くようになる。
誰も損しません。
自己啓発本ってすげえや!


ただ世の中そんなに上手い話はなくて、誰もが得しているように見える場合、
自分が気づかない所で、誰かが損を蒙っていたる場合がほとんどです。
この場合、損を蒙るのは自己啓発本の読者
別に目に見える損はしないでしょうが、
自己啓発本に一万か二万くらい使うかもしれないけど、
自分に対する投資だと考えれば、そのぐらい大したコストではありません!!!!)
結局全て勝間さんの言う通りにしているのに全然成功できない!という結果になる訳です。
そりゃまああなたは中学から大学まで慶応を出てないし、
公認会計士資格ももってないし、そもそも自己啓発本を書いてないんだから、
成功も何も出来る訳がないんだけども、自己啓発されて自意識を肥大化させたビジネスパーソンは、
自分にも簡単に成功できると思ってしまうようです。
まあでもあなたの分まで勝間女史が成功してる訳ですから、いいじゃないですか。


○ビジネス本・自己啓発本の本質
あんまくだらないこと書いてても、読者の時間という貴重な資源を浪費させてしまうので、とっとこ本題に入ると、
ビジネス本や自己啓発本の本質は、宗教の代替物ということです。
現代人は、高度に科学が発達したため、神への信仰だの、死後の救済だのを、大真面目に信じることが出来なくなった。
言うなれば心のより所を奪われているのだ。


特に現代の社会人・サラリーマンというのは、ほとんど知的な成長を、学生時代に果たしてこなかった連中である。
何かしら大学時代に専攻していたのだけれど、専攻していた学問すら身についているとは言いがたい。
ましてや、経済・ビジネスのことなど、非経済系の学部出身の連中にはさっぱりわからない。
ほとんど徒手空拳で、そういう世界に放り込まれる。
当然彼らは不安になる。
実際はそこまで不安がることはなくて、仕事を続ければ自然と必要な知識は身についてくるのだが、
昨今の不況の中で、仕事を失ったら次の仕事は……という状況では、
自然と身につく専門知識以上のものを習得したいと思う。
そういう不安・願望につけこんだ、もうちょっとやんわり言えば、
そういう不安・願望を軽減してくれるのが、ビジネス本・自己啓発本なのだ。


特にはてなでブログやってるようなエリートサラリーマンを目指す若い普通のサラリーマンなんかには、
こういう自分を高めてくれそうな本は、さながらキリスト教徒の聖書のように、神々しい存在に見えるはずです。
そういえば聖書は世界一のベストセラーでしたね……


○結論
ビジネス本・自己啓発本は、ビジネス界で迷える社会人を導くモーセなのです。
「だから読むな」とは言わないんで、存分に自己啓発しまくったってください。
「利害構造」で書いた通り、害はありませんから。
実際にそれで成功できるかというと大いに疑問ではありますが、
少なくとも何の希望もなくただ惰性で人生を生きるよりは幸福だと言えるのではないでせふか。