四十三庵

蔀の雑記帳

芥川賞候補作家、小谷野敦とは何者か

第144回芥川龍之介賞候補作品が決定いたしました。

朝吹真理子(あさぶき まりこ) 「きことわ」(新潮9月号)
小谷野敦(こやの とん)     「母子寮前」(文學界9月号)
田中慎弥(たなか しんや) 「第三紀層の魚」(すばる12月号)
西村賢太(にしむら けんた) 「苦役列車」(新潮12月号)
穂田川洋山(ほたかわ ようさん) 「あぶらびれ」(文學界11月号)
(文藝春秋のサイト)


そう。
何と今回、小谷野敦芥川賞候補になったのです。
彼を知らない人からすれば、「何が問題なの?」という感じでしょう。
ここで一つ、僕から猫猫先生へのお祝いとして、ここは一つ、輝かしい猫猫先生の経歴を紹介させていただきます。
猫猫先生というのは、小谷野さんの愛称でございます)


猫猫先生のご学歴
茨城県にお生まれになった先生は、小3で埼玉県越谷市に引っ越し。
転校先でいじめを受けるなど、このころから精神的屈折の萌芽が見られます。
高校受験で浦和高校を受けるも不合格。不本意ながらも海城高校にご入学なされます。
同校の男子校らしい、男らしい校風になじめず、またもやいじめを受けます。


大学受験では現役の頃に東大に落第、早稲田に受かるも、浪人。
一年の刻苦勉励を経て、無事東大の文科三類に進学なされました。
大学在学中に、大江健三郎よろしく華々しくデビューしようと考えられていたけれども、
その自身のあまりの文学的センスのなさに挫折。
小説の才能がないから、評論で一山あてようと思い、東大大学院に進学し、
佐伯順子を目標に、「八犬伝綺想」を出版するも、反響が全くなく、愕然とする猫猫先生


この後、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学アジア学科の博士課程に留学。
(なぜカナダかと言うと、片思いの女の尻を追いかけたからだそうです)
が、人間関係のまずさ、英語力の不足により、博士号取得資格試験に落第。
失意の内に日本に帰国なさった先生は、短大で英語教員を務められ、
ヨコタ村上孝之氏の斡旋で大阪大学専任講師になり、
東大で博士号を取得すると、阪大の助教授にまで昇進なされました。
また、「もてない男──恋愛論を超えて」という新書が10万部を超えるベストセラーに。


輝かしい道を歩んでいた猫猫先生でしたが、この後突如として辞職。
理由は酒乱の同僚との人間関係のトラブルで、精神を病んだためであるとか。
その後東大での非常勤講師の職も、喫煙を巡るトラブルで辞職。
現在は猫猫塾という人文科学の塾を開いて、学歴コンプレックスをこじらせた向学心あふれる方々を
熱心に指導しておられます。


○どうしてこんなに素晴らしいお方がネット上では馬鹿にされているのか?
以上見てきた通り、燦然と輝く経歴の持ち主が猫猫先生なのです。
が、悲しいことにネット上ではネタキャラ、キチガイキャラとみなされております。
なぜこんなに素晴らしい硬骨の人文学者が叩かれているのでしょうか。


猫猫先生はどうも怒りの沸点が異常に低いらしく、
すぐに他人に喧嘩をふっかける(特にネット上で)くせがおありで、
数々の戦歴がこざいます。
そしてその大半の論争で、ネチズンの物笑いの種となっております。


2003/4/17  小谷野敦氏からの電話(「絶望書店日記」)
もてない男」が売れていた頃は、少し斜にかまえた毒舌知識人というイメージだったのですが、
そんな彼を一躍スターダム(ネタキャラ的な意味で)に押し上げたのが、こちらの絶望書店店長とのやりとり。

昨日の夜の11時過ぎに小谷野敦氏からお電話をいただき、1時間ほどお話をさせていただきました。
絶望書店ですか」
「はい」
「おまえの名前は何だ?」
「は?どちら様でしょうか」
「小谷野だ。おまえの名前は何だ?」
 というような具合に何の前触れもなくいきなりまた名前の話がはじまりました。あれ以来、メールもなにもいただいてはいなかったのですが。
「ご用件はなんでしょうか」
「名前を名乗れ」
「お話があるのなら伺いますが」
「名前も名乗らないような奴と話をしたくない」
「それでしたら、お話などしないということで結構ですが」
「いや、そんなことはない。そんなことはない」

この頃猫猫先生は、徹底した実名至上主義をとっていて、
(理由が名前住所がわからなければ裁判を申し込めないから
そのアスペルガー症候群的執着が、かような滑稽な問答を生み出したのです。


東大ってこんなんが教えてるのかよ?(NC-15)
この猫猫先生キチガイっぷりご乱行を、一連の記事でコケにしたマサシ氏に大して大激怒。
はてなに大して個人情報の開示を求める。
それでマサシ氏が高卒だと判明すると、
「高卒相手に裁判を起こすことはない」と持ち前の学歴厨っぷり選民意識を発動して、
訴訟はとりやめました。


小谷野敦逃亡記
しかし猫猫先生のご乱行はとまりません。
こちらの記事をまとめたワイネフ氏という、いかにもな売名目的のフリーライターに対して訴訟をおこします。
今回のワイネフ氏は何と猫猫先生と同じく東大卒
猫猫先生曰く、

私が被告を提訴したのは、匿名掲示板で「たばこ屋の看板娘だったお母様への感情が整理しきれないのでしょう」などと、亡き母を引き合いに出して私を揶揄したからだ。許せん、と思った。

などと母思いの訴訟理由。(死んだ母親こそいい面の皮ですが)

藤本、東大卒なんだから、弁護士なぞ雇わなくても『裁判は自分でできる』とかいう本を読んで、答弁書と準備書面でやりあおうぜ。

とワイネフを挑発。(藤本はワイネフ氏の本名ね)
で、実際二人とも弁護士なしで裁判をやりあいます。
(裁判官も内心なんだこいつらと思ったことでしょう)
薄々上記を読んでくれた人は気づいているでしょうが、猫猫先生には病的な訴訟癖があって、
ちょっとしたアメリカ人並に訴訟を起こします。
いやアメリカ人でもブログでちょっと叩かれたくらいで訴訟起こしたりはしないだろうから、
ある意味では猫猫先生はアメリカ人を超越しているということになるでしょう。さすが猫猫先生。格が違います。
小谷野敦裁判記
で、判決は猫猫先生の全面敗訴
上の記事に裁判の顛末はまとまっております。
ワイネフ氏から見た、猫猫先生の輝かしいお姿ですが、
これは幾分か一方的な見方でございまして、実際の猫猫先生はもっと輝いております。
猫猫先生の御ブログ、「猫を償うに猫をもってせよ」から、
猫猫先生香ばしい輝かしいコメントを抜粋いたしましょう。


判決前

私が塾を開くと公開した一月末から少したって、ミクシィ内の私が作ったコミュニティ「比較文学」でもトピックを立てて告知した。すると一日ほどたって、ついていたのが「ワイネフ」の「おめでとうございます」とかいうコメントだ。不快だから削除して、コミュから追放してブロックしたつもりが、番号を間違えていたらしく、また「あれ? 消えちゃったな」とかいうコメントがついた。それで慌ててまた削除して、今度はきっちりブロックした。自分がしたことは何でも書く藤本だから「またアクセス禁止されました〜」などとブログで書いているものと思っていたら、どうもないらしい。自分のしたことは何でも正々堂々と書くというわけではないんだね。

 それから藤本君、どうせ裁判でそんなこと争点にならないだろうから言うが、君「東京大気汚染訴訟」って知ってる? 喘息患者を苦しめているのは車の排気ガスだろうが。喘息の小学生が、嫌煙家の大人たちに煽動されて書いたものを持ち出して、なおかつ車の問題は後回しかね。さすがに、元自動車会社勤務の渡辺文学と親しいだけのことはあるね、としか言いようがない。君、そんな簡単に予想できる返事はバカバカしいから私がしないのをいいことに、よく言うね。

 そうだ藤本君、どうせ裁判で書証として出すのだから、私からのメールは全部公開して構わないよ。不思議にも君は、これまでのやりとりを公開してもいいか、と訊いててきたことはないね。私がちゃんと答えているのがばれちゃうからかな? あれ? そういえば、時津風部屋の件、君はメールで、ほかにもたくさん書いた、と言っているけれど、それは君のメールなんだから、公開すればいいのに。それも、君がむちゃくちゃ言っているのがばれちゃうから公開しないのかな?

ちなみに「個人情報公開」「思ったことを素直に言う」など、「正直者」キャラを
がんばって確立させようとしていた先生ですが、
何分一度書いたブログの記事を都合が悪くなると(〜だから削除)などと書いて消してしまう悪癖があるので、
自分が思っているほど周囲の人々は正直だと思っていません。



判決後

昨日判決文が届いた。削除請求すら認められない全面敗訴である。

 しかし驚くべきしっちゃかめっちゃかな判決文である。いったい、ミクシィのハンドルネームを変えた理由を説明しなければならないのだろうか。いわんや、筆名として「とん」にした理由などこの裁判と何の関係があるのか。あるいは、『禁煙ファシズムと戦う』にちゃんと出てくるジャムロジクという名前を、同書を熟読したはずの相手にわざわざ説明しなければならないのだろうか。第一、私の側の第一準備書面に対してあちらは何も答えていない。言うまでもなく、不当判決である。

 しかしこれを、裁判所も禁煙ファシズムなのだ、とするのは早計かもしれない。『週刊現代』の、相撲界における八百長を報じた記事を相撲協会が訴えた事件の裁判長であった中村也寸志という人が裁判長だからである。あれだけ証拠を出したのに「取材はきわめてずさん」という判決を出した人である。あの判決が出たからといって、本当に八百長がなかったと思う相撲ファンなど、よほど頭の中がお花畑の人ででもなければいないだろう。これでは著書を出して亡くなった大鳴戸親方も浮かばれまい。貴乃花ははっきりと、若乃花八百長横綱になったと言っている。しかるにこの裁判長は、若ノ鵬の承認申請を却下してまで、相撲協会を守ろうとしたのである。大江健三郎の『沖縄ノート』にしても、時効であるとしなかった以上、これ以上増刷すれば名誉棄損になることは、小林よしのりの言うとおりだし、曽野綾子の『ある神話の背景』(1973)が出た時点で、自身の記述に疑問を抱いてしかるべきだったろう。

 まあ、司法が行政のしもべになっている現状では、こういうトンデモ判決が出るのも致し方ないか。どうやら被告は、支援者への感謝を述べつつ、最も感謝すべき裁判長の名をあげるのを忘れたようだが、検索されると変な裁判官であることが分かって困るからであろうか。

 実は私は、被告からの分厚い答弁書が届いて、裁判とは関係ないことがずらずら書き並べられているのを見て(それを中村は取り上げてしまったわけだが)、さらに、弁護士を雇わず当人が出廷した時に、もう気持ちが悪くなっていた(君の顔から何からすべてが気持ち悪かったのである)。こんな不気味な奴はいないと思って、早く終わらせたかった。まあさすがに、負けるとは思わなかったがね。「ウンコタレ」なんて書いて削除も認めないのだから、真昼の暗黒だ。

 『大日本「健康」帝国』(平凡社新書)は、いい。平凡社新書はなかなかやるなあ。

 裁判所に正義を求めるのは間違いだと分かった。いや、分かるのが遅いと言われるだろう。しかし、私が被告を提訴したのは、匿名掲示板で「たばこ屋の看板娘だったお母様への感情が整理しきれないのでしょう」などと、亡き母を引き合いに出して私を揶揄したからだ。許せん、と思った。

 禁煙ファシズムとの戦いはなお続く。同志を委縮させたとしたら、申し訳ない。

ちょっと長く引用しすぎましたね。
ポイントはここです。

さらに、弁護士を雇わず当人が出廷した時に、もう気持ちが悪くなっていた(君の顔から何からすべてが気持ち悪かったのである)。こんな不気味な奴はいないと思って、早く終わらせたかった。

猫猫先生は、裁判前に

藤本、東大卒なんだから、弁護士なぞ雇わなくても『裁判は自分でできる』とかいう本を読んで、答弁書と準備書面でやりあおうぜ。

などと仰っていたのですが、いざワイネフ氏が弁護士雇わないで出てくるとこの不始末。
そう。
猫猫先生は、ただ単に学歴が優れているだけでなく、ユーモアのセンスにも満ち溢れている素晴らしいお方なのです。


○結論
以上、つらつらと猫猫先生のご業績についてまとめてまいりました。
是非猫猫先生に興味を持った方は、更に先生に対する研究を深めてゆくと、よいのではないかと思います
禁煙ファシズム」「恋愛文化批判」(自分が結婚したら全くやらなくなって、ブログに「妻が〜」とか書き始めたのには笑いました)
私小説論」など、薄っぺらい深い教養に裏打ちされた思想を知ることが出来るでしょう。