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四十三庵

蔀の雑記帳

イギリス経済の研究

最近日本経済はある程度わかってきたので、各国経済をちょっと研究してみようと思う。
基本的にはデータによって、経済を見ていこうというスタンス。



大きな地図で見る
「イギリス」というけども、実態は結構複雑である。
地理的には、アイルランド島グレートブリテン島の大きく二つの島国。

  1. イギリス本土北部→スコットランド
  2. イギリス本土南部→イングランド
  3. イギリス本土南西部→ウェールズ
  4. アイルランド島北部→北アイルランド
  5. アイルランド島南部→アイルランド共和国

1〜4が我々の呼ぶイギリスである。
正式名称はグレートブリテン及び北アイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)。
歴史的には最も早く産業革命の起こった場所で、十九〜二十世紀に経済的・軍事的に絶頂期を迎える。
大英帝国」である。
しかし二度の世界大戦後はアメリカに覇権を握られる。


確か高校の政経の授業で、イギリスの福祉政策が「ゆりかごから墓場まで」で、随分肯定的な説明をきいたが、
実際はこんな手厚い福祉政策は経済の効率性を削ぐため、
大英帝国は「ヨーロッパ硬化症」(Eurosclerrosis)の典型とされた。
1980年代、サッチャー女史の登場で、極端な新自由主義政策がとられ、
「小さな政府」への急激な転換をはかり、これがまあ失敗した。
フリードマンなどのマネタリズムを教義とし、貨幣供給量だけをコントロールする金融政策をとり、
それまで国営だったインフラ・航空などの事業をすべて民営化。
民営化・規制緩和とともに、税率の改定を行い、
異常に累進性の高かった税率を、富裕層に有利となるように改定。
法人税引き下げ、所得税累進課税弱め、付加価値税(消費税)増税を行った。
その結果インフレと高失業率スタグフレーション)が発生する。
イングランド銀行はインフレ抑止のために利上げを実行。
するとインフレはなんとかおさまったが、失業率がますます高まった。
[世] [画像] - イギリスのインフレ率(前年比)の推移(1980〜2010年)
[世] [画像] - イギリスの失業率の推移(1980〜2010年)
そんな功罪相半ばするサッチャー政権だが、少なくともイギリスの経済的非効率の打破にはある程度寄与した。
[世] [画像] - イギリスの実質経済成長率の推移(1980〜2010年)
1980年代から、イギリス経済は堅調に成長を続けている。
リーマンショック(2009)でガクッとさがってるけど、
これは2000年代にイギリスがアメリカよろしく金融立国化してたから、
リーマンショックの影響をもろに受けたせい。
僕もびっくりしたんだけど、意外とサッチャー以降、イギリス経済は成長していたのだ。
個人的にはジョージ・ソロスにポンドの空売り食らって負けた残念なイメージ(ポンド危機)が強かったんで、
まさか金融が伸びてるなんて、意外だった。
以下、各種経済指標をまとめる。


○ポンド(pound)の為替レート
イギリスは未だにユーロを使っていない。
ポンド危機の記憶が残っているのか、ユーロの制度上の欠陥が嫌なのか、どっちかはわからないけど、
とにかく未だにポンドを使っている。
(お隣、アイルランドはユーロを導入してる)
こういうサイトを使った。
U.S. Dollars per British Pound

European Euros per British Pound

Japanese Yen per British Pound


(以下、googleの埋め込み機能が上手く作動しないので、旧四十三庵にて、同内容を書いています)
○GDPデフレーター
こちら
70年代、80年代の水準はギャグだけど、近年はヨーロッパ圏では意外なほど安定している。
これもユーロを導入しない功徳だろうか。
○GDP成長率
こちら
なかなか堅調に成長している。
○名目GDP
こちら
堅調に伸びているようだけど、
日本と比較すると2兆〜4兆ドルくらい開きがある。
アメリカと比べると、かつての大英帝国の威光がかすんでくる。
(これはアメリカがすごすぎるんだけども)
○人口
総数
増減
人口も堅調。
出生率
これ
先進国の中ではかなり高い。
失業率
こちら
そこそこ高いが、高失業率をもってなるヨーロッパにしては低い方。
若年失業率になると、平気で20%くらいになるけど。
不思議と女性の方が、男性よりも失業率が低い。
財政赤字
それなり。
GDP比で現在約70%。
まあ日本と比べればねえ。。。
○国際収支
[世] [画像] - イギリスの国際収支の推移(1980〜2010年)
イギリスは貿易赤字国である。
この辺はアメリカと同じ。


○まとめ
凋落著しかった大英帝国もじわじわと経済力を回復させている。
リーマンショックでは大打撃は受けたけれども)