四十三庵

蔀の雑記帳

バンドは今やインディーズが主流 メジャーデビューでも食えない

バンドは今やインディーズが主流 メジャーデビューでも食えない

名前も知られ、チャートも上位に入っていたバンドの解散が続いている。この1年でもテレビ出演歴のある有名バンドが複数解散。音楽不況が叫ばれて久しいが、人件費の嵩むバンドは金銭的に特に厳しい状況にあるという。
2011年1月11日、3人組ロックバンド・椿屋四重奏が解散を発表した。中田裕二さん(ボーカル・ギター)と小寺良太さん(ドラム)は今後も音楽を続けるが、永田貴樹さん(ベース)は他の道に進むという。同バンドは2000年に結成され、10年8月に発売された5枚目のアルバムがオリコン最高15位を記録している。
事務所から月5万円、印税も数万円
音楽ファンの間では広く知られたバンドだったが、他にも有名なバンドが最近次々と解散に追い込まれている。この1年だけを見ても、BEAT CRUSADERSゆらゆら帝国らが解散。どちらもチャート上位に入ったり夏フェスを賑わしていたこともある人気バンドだった。2011年1月には6人組コーラスグループRAG FAIRも活動休止を発表している。
ある音楽事務所のマネージャーは
「時代の流れといった感じがしますね。解散の理由はバンドごとにあるとは思いますが、収入がたくさんあれば、簡単には解散しないと思います」
と語る。CDは依然として売れず、配信も利益率が低い。最近ではメジャーデビューして音楽事務所に所属しても印税以外に収入がないこともあるという。
数年前までメジャーで活動していた30代の元バンドマンも、メジャーデビューが決まったとき、育成費という名目で事務所から貰っていたのが月5万円。印税もあったが数万円で、飲食店でバイトしながら食いつないでいた。
「バンド活動よりバイトの方が多かったくらい。テレビに出るようなバンドは違うかも知れませんが、名前だけ聞いたことあるといったバンドの多くはそんな感じ。メンバーも今は普通の仕事をしています」

スタジオ代も安いし、自宅で録音もできる
音楽評論家の加藤普さんは
「例えば去年紅白にも出た『トイレの神様』の植村花菜だったら1人分の人件費で済むけど、バンドだったら4〜5人分かかり、音楽不況で余裕のない事務所にとっては負担が重い。若くていいバンドも幾つか出てきているんですが、最近売れるのは嵐やAKBなどのアイドルばかりですしね」
と、金銭的な難しさを指摘する。
また、事務所からの給料が高くない限り、収入はインディーズの方がましだという。例えば、1000円のCDが3万枚売れて3000万円の売上があったとしても、メジャーで印税10%という契約だったら、バンドには300万円しか入ってこない。しかし、インディーズならインディーズCD専門の販売会社に30%支払ったとしても7割がバンドに入る計算だ。
「今はスタジオ代も安いですし、自宅で録音もできます。だとすると3000万円のうち2000万円ぐらいがバンドに残るわけで、バンドはインディーズが主流になってきています。ただ、CDは今後益々売れなくなるでしょうし、ネット配信も一曲数百円の単位で利益が少ない。これからバンドをやる人は、ネットは宣伝の場と考えてライブで稼げるよう頑張るしかないです。YouTubeから人気が爆発することもあるかも知れません。あと、普通の仕事も続けた方がいいでしょうね」

椿屋の解散はショックだった。
ただまあメジャーデビュー以降出した曲はあんまりいいのなかったし、
「和」のテイストが売りだったのに、メジャーデビューで大衆化しようとするあまり、
それを捨てて、中途半端な感じの曲を出してしまった印象がある。


○「インディーズが勝ち組」の時代
ゴールデンボンバーオリコン上位に食い込みながら、
インディーズにこだわり続けるのはなんでなんだろうかとかねてから思っていたが、
どうやらこの辺りに理由があるらしい。ゴールデンボンバーは賢明だ。


上の記事だと全然つっこまれてないけど、これっていかにレコード会社が搾取してるかってことだよね。。。
(搾取なんて言葉は、マルクスっぽくて嫌だけど、でもこれほど搾取という言葉が当てはまるのも、今時珍しい)

avex浜崎あゆみとEXILEなどなどから搾り取った金額が窺い知れるビル。
一等地港区南青山に本社を構えております。(avex dream!!!!!!!!!)


○出版業界と音楽業界の恐るべき類似
音楽にせよ、出版にせよ、どちらも斜陽産業と見なされている。
オリコン上位の曲はホントにクソばっかで、「ああ今年もクソだなー」と思いつつ
来年になって見ると「去年よりもクソ」だなと思わせ、更に再来年になるとそれを下回るという、
クオリティのデフレみたいなことを平然とやってくれる音楽業界。
出版業界も負けず劣らず。


そもそも出版会社やレコード会社の存在意義は何かっつったら、大衆と作家・音楽家の間を仲介することにある。
別に出版会社・レコード会社それ自体に存在意義がある訳ではない。

創作従事者-企業-大衆

企業って要るの?っていう疑問は当然わくが、必要性はある。

創作従事者-企業

まずこっち側で、才能のある人材を見つけ出してくる。
話題のストリートミュージシャン、ライブハウスで噂のロックバンド、
ネット上をにぎわす小説家、斬新な発想の漫画家……などなど。

企業-大衆

別に「天才」を発掘するだけなら、企業でなくてもいいが、
今度はそいつらを社会に売り出してやる。
マーケティング、広告、放送を使って、売り込む。
大したことない秀才君を「三島由紀夫の再来」と喧伝したり、
ブスばっかのアイドル集団がゴリ押しされてるうちに「国民的美少女ユニット」になっちゃったり。


この二つの役割をそれぞれ「才能発掘機能」と「才能宣伝機能」と仮称しよう。
現代の出版会社・レコード会社がクソなのは、
この「才能発掘機能」をほとんど喪失しているからだ。
「宣伝機能」は十分すぎる程持っているのは、
AKBみたいな顔ゴミ曲ゴミキャラゴミの三拍子そろった文句なしのゴミアイドルが
あれだけ売れることからもわかるだろう。
(僕が知っている中では最低のアイドルだ)
あれだけ低劣な素材でも、あそこまで売ることが出来るのは確かに大したものだと思う。


しかし「発掘機能」はどうだろう。
明らかに低下している。
文学系の新人賞でデビューした作家の99%が消えていく。
三並夏はどこに消えた?)
受賞作もクソばっかだ。
レコード会社ももはやJ−POP黄金期のような、爆発的売上を見せるスターの発掘は狙っていないように思える。
一発屋でもいいから、とにかく金を稼げるミュージシャンを、というところではないか。


本やCDのクオリティ低下は、長期的には確実な利益縮小をもたらす。
「音楽業界の苦境はYoutubeが〜」
「出版業界の苦境は活字離れが〜」
とはよくきくいい訳だが、そういった要因で需要が伸び悩んでいるから利益も下がり、つられてクオリティも下がったのか、
クオリティが下がったから、そういった要因とあいまって需要が伸び悩み、利益が下がったのか、
そんなものは「卵が先か鶏が先か」という話で、あまり生産的ではない。
avexの損益計算表を見ると、
実は売上総利益はこのCD不況の時代もあんまり落ちていない。
その分広告宣伝費・販売促進費・給与と賞与の膨らみ方がすごい。
(一言で言えばゴリ押しビジネスの収益率がよくないということなんだけど)


出版業界が、無能なくせに高給とりの集まりであるのはよく知られている。
光文社という中堅出版会社の社員が、「たぬきちのリストラなう日記」というのを書いて話題になった。
その中で給与を公開している。
リストラなう!その11 来るべきものが来た——基本給カット
たぬきちは45歳)

僕の年齢での基本給は月額596,820。
(中略)
他に大きな比率を占めるのが時間外手当。
先月は30時間台(ここ、正確な記録が手元にないので後日書き直すかもです)で198,200支給された。
(中略)
昨年は夏・冬併せてボーナスは2,020,730だった。おおまかに言って3カ月ちょいだ(一律部分が若干あるのでこのへんの計算はちょっと複雑。省きます)。
(中略)
いま去年4月から先月3月までの給与明細をざっと合計してみたのだが、基本給・時間外手当・社会保険手当・賞与を合計した僕の昨年度の総収入(税込み)は11,697,471だった。ここから試算したカット分を引くと、だいたい840万くらいになる。これは、1回目の面談で言われた数値とぴったり符合する。


 ……「現在、社員の平均所得は1150万円ですが、800万円代になることが予想されます」。


○搾取の構造
光文社なんてお世辞にも大きな出版会社とは言えない。
総社員数は2008年8月25日323名らしいが、平均1150万払ってたと考えると、
一年で約30億もの人件費を払っていたことになる。
どっからそれが出てくんのかっていったら、作家一人一人から搾取しているに決まっている。
作家の印税が大物作家で15%(15%もあればいい方)という感じだ。
1000円の小説が100万部売れれば、1億5000万くらい印税が入ってくるけど、
これってそもそも10億の粗利益に対して8億5000万は持ってかれてる計算になる。
もちろん印刷会社、マーケティング費用なども賄うんで、
8億5000万丸々出版社のもうけって訳じゃないけど、相当な搾取が行われていることは事実だ。


EXILEとか浜崎あゆみとか、一流(無論音楽じゃなくて売上の話ね)ミュージシャンが、
恐ろしいまでの搾取率に文句を言わないで、生活をエンジョイできるのは、
パイが大きいから、つまり売上高が巨大なので、率で見ると低くくても、額で見ると結構でかいからだ。
しかしこのパイが小さくなると、搾取率の高さは問題となる。
「卵が先か、鶏が先か」はともかく、パイが小さくなってるのは、
出版業界、音楽業界ともに傾向なので、そうなった時に悲鳴をあげるのは何も椿屋やゆら帝ばかりではないでしょう。


○まとめ
・出版会社・レコード会社はクソ
・新しい才能が発掘できないくせに、搾取率高すぎ
・がんばれがんばれゴールデンボンバーがんばれ