四十三庵

蔀の雑記帳

「銃・病原菌・鉄―1万3000年にわたる人類史の謎」ジャレド ダイアモンド (著), 倉骨 彰 (翻訳)

原題 GUNS,GERMS,AND STEEL The Fates of Human Societies by Jared Diamond
今更僕が内容を説明することもないような、有名本。
ニューギニア人が著者にむかって発した素朴な疑問、
「白人は多くを発達させニューギニアにもちこんだ。ニューギニア人は自分たちのものがほとんどない。
それはなぜだろうか?」という質問の答えとして書かれた歴史考察本。
人類の歴史全体を眺めて、
「現代の様々な格差は、一万三千年前の様々な環境の違いの結果である」
という結論を立証する本。


個人的には第六章〜第八章の農業話がかなり辛かった。
「銃・病原菌・鉄」というタイトルがやたらカッコいいけれど、実際は銃と鉄はあまり触れられない。
実際は「家畜・病原菌・食料」。つまり地味な本なのだ。
「知的刺激に富んだ本」とか、「人類史の謎を解き明かす本」とか、過大評価も甚だしいと思う。


色々書いてあるんだけど、一言でいってしまえば「環境決定論」がこの本のテーマということになる。

人種差などというのは、全くないとは思わないけれど、恐らくは歴史に影響を与える程有意なものであるとは思えない。
なのでこの本の環境決定論は割とすんなり飲み込めたんだけど、でもやっぱ結論が優等生的すぎてちょっと面白味に欠ける気がする。
なんでこの本を読んだ人はブログやレビューで一様に「面白い!」「すごい!」と連呼するんだろうか。
不思議な本だ。