四十三庵

蔀の雑記帳

リチャード P. ファインマン「ご冗談でしょう、ファインマンさん」岩波現代文庫 訳大貫昌子

SURELY YOU'RE JOKING,Mr.FEYNMAN! Adventures of a Curious Character
Richard P.Feynman with Ralph Leighton


有名なファインマン教授の逸話集。面白かった。
工学少年で、ラジオとかなおしてたファインマンの少年時代から話ははじまる。
この手の話をきくたびに思うのは、やっぱ第二次世界大戦前後っつーのはそういう時代だったんだなってこと。
「理科少年」っていうのを生み出す環境が、社会全体にあったんだな。
今では、パソコンとかプログラムとかが最先端で、若者の中にもそういうのに傾倒するのがいるけど、
多分昔は(自然)科学がそういう役割を担ってたんだろうなと思う。


特に下巻が面白かった。
ブラジルの教育批判、アメリカの教科書制度批判なんかは特に。


単なる面白エピソード集として読むのもいいけど、
この本がここまで読まれてるのは、やっぱりエピソードの面白さ、
ファインマンの人柄の魅力以上に、その「知」とか「科学」とかに対する姿勢だろう。
自分では何もわかっていないくせに、難しい専門用語や、数式、定義なんかを並べ立てて、
「頭のいいふりをする」連中に対する非難は、全編にわたって出てくる。
理系ならずとも、多少学問をかじってる人間なら読むべき。
今自分が学校で習っていることを振り返って見ると、「ああやっぱり違うんだな」と思うと思います。
この人の生きていた環境と、今の2011年という時代は何から何まで違うけれど、
この人の抱いていた知に対する誠実さというのは、大いに見習うべきだと思うね。