四十三庵

蔀の雑記帳

秋山駿「信長」

さてこのような本を語る時、どのような体裁をとるべきなのか、私はわからない。
スタンダールがナポレオンを描こうとしたように、秋山という著者は信長を描こうとした。
それはamazonレビューを見るまでもなく、本文を読めば自明である。
しかしその試みが成功しているかどうか、そう問われると私は困惑してしまう。
そもそもこのような記述自体が、明治以降の日本の「知識人」と言われる層の、徒な西洋信仰でしかないように思われる。
大体この本の記述の半分以上が他書からの引用で成り立っている。
「知識人」の自慰、としてはそれでいいのかもしれぬ。
しかしこれではまるで生産性がないではないか。


などと悪口を書いたが、書いている対象が織田信長の非凡性であるから、
私のような衒学趣味が嫌いな人間にも割合楽しく読めた。