四十三庵

蔀の雑記帳

日本人が不幸になる理由〜相対的貧困〜

ヤクルトの応援歌の「We Are The Swallows」のサビってどう考えてもtrfの「CRAZY GONNA CRAZY」のパクリなのでは。
と、神宮でバイトしてた頃から思ってたんだけども、あんまり皆そうは思ってないみたいだ。


日本人の不幸というのは、現在我々が「常識」としていだいている認識が、
ほとんど高度成長期に築かれたもので、現実の経済はもう大分衰退期に入っていて、
その「常識」が実は時代遅れになっていることだ。
日本人の価値観はバブルの時代に形成されたもので、平成の昨今とは実は対応していない。
大半の中高齢者は「バブルの頃を反省して・・・」などということを簡単に言うし、
自分はバブルの狂った価値観から抜けだしたと思っている。
もちろん「地価が上昇し続けることはありえない」とか「金を稼ぐのは大変なことだ」とか、
そのぐらいの反省はしているだろうけど、問題はもっと「当たり前」だと思っていることが、実は全然当たり前ではないということだ。


一例をあげれば、大学生の就活が問題になる。
内定がもらえないと問題になる。
面接が厳しすぎるとか、ESがアレだとか、人間性が否定されるだとか何とか批判されるが、
これは裏にあるのは、「真面目に勉強した日本人であれば、
そこそこの企業にサラリーマンになる権利があって当然」という、歪んだ常識だ。
ホワイトカラー労働者というのは、歴史的に考えても、国際比較で考えてみても、かなり恵まれた待遇であって、
「サラリーマン」という言葉が、少し前までの日本語では、
「平凡で面白味のない人生を送る人々」という意味で平然と通用したことはあまりに「非常識」すぎる。
終身雇用で犯罪でもしない限り首を切られることはなく、定期昇給でどんどん給料は上がっていく。
話せる言語は母国語だけでいいし、特に資格やスキルも求められない。
「サラリーマンにはなりたくねえなあ」などという中学生が、いかに「現実」を知らないかがわかる。
もしこの文章を読んでいるあなたが、上記のことを現在も思っているなら、
それは間違いなくバブル以前の日本の歪んだ価値観から抜け出せていないのである。


最近の日本では、たとえば村上龍の言葉を借りれば、
「希望」がない
と言われる。
とにかく今の日本人は自分が不幸で、これから日本はめちゃくちゃになっていくと思っている。
多分その訳の分からない「不幸意識」は拡大していくだろう。
原因は紛れもなく経済的衰退にあって、貧しくなるせいだ。
実際問題、日本人がこれから迎える貧困というのは、大したものじゃない。
けれど、高度経済成長期、バブル期に培われた価値観が「常識」として共有されている限り、
その「相対的貧困」は日本社会を不幸を蔓延させるだろう。


(追記)
相対的貧困っていう言葉は自分で造語したつもりだったんだけど、
もう既に使われてて、しかも意味が僕の意図したものとは若干違うらしい。
「豊かな国」の中で、所得水準自体は国際的に高いけれど、
その国の中では相対的な貧困状態にある、という風な意味で使うよう。