四十三庵

蔀の雑記帳

ギリシャ国民、預金引き出し金貨に殺到

FTギリシャ国民、預金引き出し金貨に殺到
2011/6/22 14:00
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(2011年6月22日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)


 ギリシャでは、政府の債務不履行(デフォルト)と銀行の取り付け騒ぎに備え、市民が銀行預金を全額引き出して金を買う動きが活発になっている。


■金貨を買って自宅に保管



新内閣の信任を受け、ベニゼロス財務相=左=と握手するパパンドレウ首相(6月21日、アテネ)=ロイター
 同国のパパンドレウ政権は「祖国の救済」を唱えるが、冷めた国民の間ではこの言葉を真に受ける者は少ない。21日夜に行われたギリシャ国会(一院政、300議席)の信任投票では、わずか6議席差で与党となっている全ギリシャ社会主義運動による改造内閣が信任された。


 より安全で換金可能な資産を求める預金者の動きが活発になったことを背景に、金貨の販売高が急速に伸びている。同国の貴金属トレーダー、セフェリアデスのハリー・クリナキス氏は「(2008年の)世界金融危機の勃発を機に、投資家への販売高で金貨が金の地金を初めて上回った。今では販売高の割合は5対1に達している」と話す。


 ユーロ建ての貯蓄預金を引き出して金貨を買ったコンピューター技師のトーマスさんは「第2次大戦中に祖母がしたように、金は自宅に保管する」と言う。


 今年第1四半期の預金引き出し額は、月間15億〜20億ユーロ(22億〜29億ドル)で推移した。ギリシャ中央銀行によると、昨年の国内銀行からの預金引き出し総額は、貯蓄預金総額の12.3%にあたる300億ユーロに達した。


■「銀行倒産あり得る」


 同様に、推定80億ユーロのギリシャの預金が昨年、キプロス共和国の銀行に移された。しかし、ギリシャ法人向けに多額の融資を行うキプロスの銀行による焦げ付きを恐れ、今年に入ってからはこの流れも途絶えている。


 アテネの中心地シンタグマ広場で、政府の財政緊縮策への抗議集会に参加したサキスさんは「政治家がこの混乱から国民を救い出せるとは信じられない。自分の家族は自分の力で守らねばならない。銀行の倒産はあり得ること」と話す。


 サキスさんは「安全のために」預金を引き出して銀行の貸金庫に移したと明かした。「もはや誰も金利など気にしていない」からだ。


 預金を引き出して土地の購入に充てる市民もいる。昨年中ごろの欧州連合(EU)の対ギリシャ金融支援第1弾を受け、地価が下がったためだ。ソフトウエア開発者のアンゲロスさんは故郷の村で隣人のオリーブ畑を購入したという。


 「1年前にはこんな旧式の投資をするとは夢にも思わなかったが、今回はチャンスに賭けた」と言う。

一歩一歩破滅への道を踏みしめているギリシャの今日の明るいニュースでした!