四十三庵

蔀の雑記帳

荒れるギリシャ:警察がアテネのデモ隊に催涙ガス−財政案の採決前日

荒れるギリシャ:警察がアテネのデモ隊に催涙ガス−財政案の採決前日


 6月28日(ブルームバーグ):デフォルト(債務不履行)回避の成否を分ける緊縮財政案の採決を翌日に控えたギリシャは荒れている。警察は28日、アテネ中心部に集まったデモ隊に催涙ガスを発射。今年4回目のゼネストで政府機関のサービスは止まっている。
  労働組合歳出削減と資産売却を盛り込んだ財政5年計画に抗議する48時間ストを開始。この日は約1万2000人が議会へのデモ行進に参加したと警察は概算している。当局はアテネ中心の広場で警察を攻撃したり飲食店の窓を割ったり車に火をつけたりと暴れる若者グループを排除するため催涙ガスを使用した。
  この日の抗議集会に参加した50歳の教員、ディミトラ・オイコノムさんは「この法案の通過を阻止する決意だ。仮に通過しても闘いを続ける」と語った。
  パパンドレウ首相は29日、1週間で2回目の試練に直面する。昨年合意した救済パッケージの第5回融資を受けるために必要な財政案を、議会が採決する。780億ユーロ(約9兆円)規模の財政案を議会通過させられなければ、ユーロ圏で初のデフォルト(債務不履行)の危機にひんする。
  同首相は27日遅くに始まった3日間の審議の冒頭で、「中期財政計画の採決はギリシャ国民にとって不透明なこの時代を終わらせることを意味する」とした上で、「破滅のふちからわれわれは、この国を変革する大きなチャンスを得ようとしている」と訴えた。
            パブリック・パワー
  300議席ギリシャ議会で与党の全ギリシャ社会主義運動(PASOK)の議席数は155。パパンドレウ首相は採決に挙党一致で臨まなければならない。与党議員2人は電力最大手のパブリック・パワー株放出への反対などを理由に反対票を投じる可能性に言及した。反対議員の1人、トマス・ロボプロス氏は首相の言葉に動かされたとしながらも、29日の最終審議の後に態度を決めると述べた。
  パブリック・パワーの従業員はここ1週間ストを継続し、全国で停電が発生している。
  ベニゼロス財務相は28日に議会で、国有資産の売却はギリシャの新財政パッケージの柱だとし、欧州連合(EU)と国際通貨基金IMF)もこれを重視していると語った。
  労組のウェブサイトによると、航空管制官も28、29日に8時間、業務を停止。現地時間28日午前8時−正午、午後6−10時のアテネ国際空港の離着陸便は運休となると、同空港が発表した。
              警官3000人
  警察は3000人を投入して議事堂を護衛。議事堂前のシンタグマ広場で石を投げる市民に催涙ガスで応戦している。
  アテネのバスや路面電車、鉄道会社の従業員もストに加わるほか、港湾労働者とジャーナリスト、医療従事者、自治体職員もゼネストに参加している。
  27日に議会に提出された財政案と一対の法案も、6月30日の期限までに可決される必要がある。EU財務相らは7月3日に会合し、120億ユーロの融資の実行を承認する予定。
  ギリシャ政府当局者は、賃金や年金を支払う資金が7月半ばで底をつく可能性があると発言している。8月には66億ユーロの国債償還が控える。