四十三庵

蔀の雑記帳

ジョセフ・E. スティグリッツ「世界を不幸にしたグローバリズムの正体」

タイトルだけ見るとどこの山師が書いたんだと思うが、
スティグリッツ教授というノーベル経済学賞受賞経験もある経済学の大先生でびっくりした。
内容はちょっと古くて、アジア通貨危機とかソ連崩壊後のロシアの市場経済移行とかを扱っている。
タイトルだけ読むと軽薄なアンチ・グローバリズムの本かと思うが、
別にそういうわけではなく、基本的に市場主義・グローバリゼーションは肯定しつつも、
その現実への適用に際して、色々問題提起をしているのが本著。


要するに当時の発展途上国への対応が、先進国並の市場主義導入を中心として行われたんだけれど、
教育や文化的基盤ができていない国でそんなもん導入しても上手く働くはずがなく、
その結果として途上国は発展できていない。
IMFの政策は現実を見ていない。
という主張。


タイトルのセンセーショナルな印象とは裏腹に、
内容はまともすぎるくらいまともなので、ちょっと肩透かしを食らうかもしれない。
「今」この本を読む価値はあんまりないかな。