四十三庵

蔀の雑記帳

金1650ドル突破 7つの理由と下げのシナリオ

金1650ドル突破 7つの理由と下げのシナリオ


NY金価格は1650ドルを突破。上昇が加速中だ。その背景には7つの要因がある。


1.新興国に金準備増強の動きが拡大


 中国、インド、ロシアのBRICs諸国に加え、今年に入り、メキシコ、ボリビア、韓国、タイなど中南米、アジア諸国の中央銀行が外貨準備の一部として金を購入している。1990年代は欧州の主要中央銀行が年間500トン以上の大量金売却に走った結果、金価格は1999年に250ドルの安値をつけるに至った。その公的部門が昨年から買い手に転じている。今年は既に200トン近くの購入量を記録している。ドル、ユーロに偏った外貨準備の分散運用を始めたのだ。金高騰をコモディティー(商品)の範疇でいくら考えても読めない。震源地は通貨の世界にある。金は無国籍通貨として位置づけられる。


2.通貨不安


 欧米金市場がドル安ドル高を見る際のベンチマークはドルユーロのレートだ。ドル円ではない。そうなるとユーロが売られ相対的にドル高なのに金高という従来の市況の法則には反する局面も頻繁に見られる。ドル安=ドル代替通貨としての金買いという単純な公式はもはや通用しない。ドルもユーロも、ついでに円も巨額の赤字を抱えた通貨ゆえ、不安感が三極主要通貨全てに拡散している。そこで「通貨の原点回帰」として通貨の座を追われたはずの金が買われている(円高だが日本経済のファンダメンタルズの良さで買われているわけではない。円建て金価格も過去10年間で4倍に上昇している)


3.国債不安


 リーマンショック後のマネーフローは株→金であったが、2011年バージョンは国債→金である。安全資産とされた日米欧の国債に格下げリスクが付きまとい、ソブリンリスクゼロの金が浮上してきている。「質への逃避」マネーは金に向かい、「流動性への逃避」マネーは米国債に流れる。


4.インフレ


 デフレの日本に居ると実感がわかないが、新興国はインフレが加速し当局は金融引き締めに走っている。しかし利上げが後手後手にまわりがちで、結局、物価上昇のスピードに追いつけない。名目金利が引き上げられても実質金利はマイナスの状況が続くので、マネーはモノに流れがちだ。金は利息や配当を産まない不毛の資産だが、長期にわたる価値保存機能には優れているので、インフレヘッジの代表格で買われる。


5.新興国民間需要が急増


 中国、インドの2大新興国だけでいまや年間金生産量の6割近くを吸収する。文化的に金選好度が高く、女性の社会進出が進み可処分所得が伸びると、ゴールドジュエリー購入頻度も増える。金地金も「福」とか「十二支」が刻まれ財神(金運)の象徴として購入され長期保有される。中国では2年前、人民銀行が民間銀行への金解禁に踏み切った。民間金保有を奨励し、国境の内部に稀少資源としての金を囲い込んでおくという国の戦略に沿った動きだ。まだ始まったばかりなので材料として“若い”。


6.有事の金


 昔と違い、ビンラディンが殺され報復テロの可能性が高まったからといって金が買われる時代ではない。代わって2011年バージョンは経済有事に対する備えとして金が買われている。欧米債務危機がリーマン型の経済ショックになるというようないわゆるテールリスクに対するヘッジである。


7.金生産伸び悩み


 この10年間、国際金価格は6倍(前述のように国内円建て金価格は4倍)に上昇したが、年間金生産量は2400トンから2700トンへ増えた程度である。もはや採算に合う鉱脈はさほど残っておらず、新規鉱山開発も上がってこない。今後はリサイクルという2次的供給源に依存せねばならぬ。


 以上、7つの構造的要因が複合的に効いているので、持続的な上昇トレンドが形成されている。しかも中国の例などに見られるように“相場は若い”。


 株は楽観論で育ち債券は悲観論で育つが、金はといえば新興国楽観論、先進国悲観論で育つ。


最後に金の下げシナリオを考えてみよう。


 それは上記の7つの理由がなんらかのきっかけで反転するケースである。日米欧の抱える赤字が解消され、ドルユーロの信認が回復し、一方で中国インド経済は長期低迷に陥る場合だ。具体的にはFRB(米連邦準備理事会)の出口戦略が発動され利上げに転じ、しかも物価上昇率を上回るペースで金利が上昇すれば実質金利もプラスとなる。


 まずはFOMC(米連邦公開市場委員会)声明で有事対応の非伝統的な金融緩和政策が長期(for an extended period)継続されるというくだりの「長期」の文言が削除される時期。さらにフェデラルファンド(FF)レートがゼロ金利から脱出する時期が金相場本格反落のタイミングとなろう。先週発表の米国GDP(国内総生産)悪化により、その時期を2012年央から同年末に修正する動きが顕著だ。


 なお、ギリシャがハード・デフォルトともなれば(リーマンショック直後の反応に似て)短期的に株も商品も総売りになるとか、90トン以上の金を保有するヘッジファンドのポールソンが益出し売りに出る場合などは急落後、急反騰のV字型展開が予想される。

僕が金に目をつけはじめて、CFD口座も一応開いた(一回もいじってないけど)頃には、
まだ金は1500後半〜1600台を行き来してたんだけど、うむむ。
素直に買っとけばよかったか。
いやでもここまで高値圏だと安易に買いポジション持ちたくないなというのが正直な所。
その前に僕の資金制約では金まで手を広げられない。
為替に集中。
分散投資? ある程度元手があるから出来る話であってねそれは・・・
現在の世界情勢を見るに、もう一段高騰しそうな気がする。
2000ドルまで行くんじゃないかな。そこいらが売り時。
多分今年はこの強さが続くので、来年〜再来年あたりに暴落が来る、
というのが一番現実的なシナリオだろうか。
金(かね)に余裕が金(きん)を買ってもいいかも。
※「四十三庵」は読者に投資を薦めることを目的にしたブログではありません。
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(参考)
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