四十三庵

蔀の雑記帳

ダウ500ドル下げ

ドキュメント米国株 なぜ500ドルも下げたのか
NY特急便 米州総局・川上穣


「今はどんなポジションも抱えたくない」――。ニューヨーク証券取引所のトレーダーが悲鳴を上げた。4日の米株式市場。ダウ工業株30種平均終値は500ドル以上も急落した。取引時間中ほとんど買い戻される気配を見せず、株価はただ下げ続けた。下げ幅は金融危機のただ中にあった2008年12月1日(679ドル)以来となる。


 「朝起きると、ほぼ間違いなく欧州で何かが起きている。だけど、欧州当局の危機感は薄い。こっちも神経質にならざるを得ない」。米金融サービス大手キャンター・フィッツジェラルドのマーク・ペイドー氏が電話口でいらだつように語った。


 4日、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁が記者会見でユーロ圏景気の先行きに警戒感を示した。イタリアやスペインの債務問題が再び頭をもたげ、欧州市場は銀行株を中心に大きく下げた。


 米市場はこの流れを引き継ぎ、ダウ平均は取引開始からほどなく200ドル安に沈む。


 米国では、翌5日に7月の米雇用統計の発表がある。米景気の二番底への警戒ムードが浮上する中で、雇用悪化が鮮明になれば、相場は一段と下押ししかねない。朝方から投資家に株式の持ち高を減らそうとする動きが広がった。


 だがトリシェ会見などが喚起した米欧景気の懸念だけで、ダウ平均の512ドル安を説明することはできない。相場の急落を引き起こした犯人は、「売りが売りを呼ぶ」悪循環にはまり込んだ投資家心理そのものでもある。


 ダウ平均やS&P500種は2日、下値のメドとされていたテクニカル指標の「200日移動平均」を割り込んでいた。直近の1年弱に米国株を購入した投資家が、平均して損失を抱えていることを意味する。


 さらに4日の取引時間中、S&P500種などは相次いで直近高値からの下落率が1割を超える。米国では一般に「調整局面入り」のサイン。市場は下値の支えをすっかり失った。


 午後の市場を支配したのは「混沌」だ。「株安で追加証拠金(マージンコール)を求められた投資家が投げ売りしている」、「超高速取引を手がける業者が相場をかき乱している」――。こんな疑心暗鬼が広がると、我先にと売り注文が膨らむ。


 ダウ平均は午後2時すぎに400ドル安となったが、まだ下げ止まらない。取引終了を告げる鐘が鳴る午後4時直前。下げ幅はついに500ドルを超え、そのまま安値圏で引けた。


 ゼネラル・モーターズ(GM)の市場予想をしのぐ4〜6月期決算。前年同月に比べ4%超増えた米小売各社の7月の既存店売上高。こうした好材料はかき消され、ニューヨーク証取では全上場銘柄の95%が下げる全面安を記録した。


 この日に限れば、2008年9月以降の金融危機を再現するかのよう。急落する株価の値動きは軽く、市場がますますもろくなっているのを印象づけた。

 直近高値を付けた7月21日からわずか10営業日で、ダウ平均は1340ドル(11.1%)も下げている。明日の雇用統計で反発のきっかけを見いだせなければ、まだずるずるといきかねない嫌なムードが漂う。


これでもし雇用統計が悪かったらブラックマンデーが来るかもしんないっすね。
オバマ大統領は日本ではすげー人気だけど、別にアメリカでは大して人気がない。
アメリカという国の経済はもう何十年も前に繁栄期は終了している。
それでも世界一位のGDPを保っているのはその政策にある。
共和党の進める(新)自由主義は、徹底した「小さな政府」路線を推し進め、
レーガン以来規制緩和・民営化を強行に推し進めた。
また世界一は経済だけでなく、大学もまた世界一で、全世界から頭脳を集めている。
それが結局ITや金融を発展させることになって、
本来「終わった」国であるアメリカの経済成長を保ち続けている。

経済成長というのは、基本的にはよいものである。
「他が全て同じ条件で」経済成長できるか、できないかで比較すれば、できた方がよいということで、
何も経済成長が全ての社会問題を解決する訳ではない。
たとえばこんな国家でもGDPだけで考えれば、上位に食い込むことができる。
国家が国民に労働の対価として覚醒剤を投与する。
労働者は幼い頃から薬物中毒にさせられ、
学校では一定の成績以上をとらないと薬物を制限されるので、必死に勉強する。
そのためその国では大学進学率はほぼ100%だし、教育の質も非常によい。
(ただ時折禁断症状が出て、講義中に教室を飛び出す生徒もいるが)
朝から覚醒剤を打って仕事を行うので、全然疲れることがない。
一日十時間、まともな休憩もとらずに働き続けることができる。
休日も要らない。薬さえあればいい。
よく働くので、その分給料も高い。
薬物のせいで判断力が鈍っているので、電車広告を見るとすぐに影響されるので、消費性向も極めて高い。
おかげでその国の経済は凄まじく好調である。
さて、その国を「いい社会」と言えるだろうか?

こんなのは馬鹿げた話だと思うかもしれないが、アメリカ社会が実はこれに近い。
日本ももしかするとそうかもしれない。
アメリカの超新自由主義政策路線は、オバマが登場するまで皆保険制度すらなかった。
「保険が必要かどうか判断するのは個人がすべき」
「国営事業は非効率的だから、民間の保険会社の力を活用すべき」
というのが建前だが、実際はそのような福祉制度は、高所得者から低所得者への所得移転となる。
それがアメリカ人は嫌なのだ。
そういう訳で、昔のアメリカは貧乏人は病気や怪我になれば人生終わり。
もちろんアメリカは「世界一位の医療技術」を持つ国ではあるが、
貧乏人がその恩恵に浴することはない。
無論そういう社会だから皆必死こいて上に行こうとしている訳だけど、
薬物中毒の国とどっちがマシかな。似たようなもんじゃないか。
(参考)
「John Q」と「Sicko」

オバマの政策は、失政ではなかったと思う。
国民皆保険
金融規制法
どちらもあって当然だったと思う。
けれど、アメリカという国は新自由主義という薬物をうって、
ドーピングした上でその経済力を保ってきた、とっくに「終わっている」国であった。
今までドーピングして特大ホームラン量産していた野球選手が、
ドーピングやめたら突然打率2割切っちゃいました、というのが今のアメリカの状況のような気がする。
多分次の大統領選挙ではまた共和党に戻るような気がする。
日本も自民党に戻るだろう。
日本は自民だろうが民主だろうが大した差はないけれど、
共和党になれば、オバマの改革は全否定されるだろう。
薬物中毒から抜け出すのは大変なのである。