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四十三庵

蔀の雑記帳

つば九郎「大卒の就職率がなんで低いか? そんなもん決まってるだろ。それは」

仕事

就職難で留年 4万5000人
8月4日 18時59分


この春、大学を卒業した学生の就職率は61.6%と、過去最大の下落幅となった前の年度と同じ
低い水準にとどまりました。就職難を背景に留年する学生は4万5000人を超え、2年連続で増加
しており、各大学では、就職が決まらない学生を長期的にどう支援するかが課題となっています。


文部科学省によりますと、この春大学を卒業した学生は55万2794人で、このうち就職したのは
34万546人、就職率は61.6%でした。これは、3年前の世界的な金融危機の影響で企業が
採用を手控えて、過去最大の下落幅となった前の年度の就職率と比べても0.8ポイント上回った
だけで、依然として低い水準のままとなっています。


大学を4年間で卒業できず、1年留年した学生は4万5062人で、2年連続で増加に転じています。
さらに大学を卒業後、進学も就職もしていない人は8万7988人と、3年連続で増加しています。
大学生の就職状況に改善がみられないなか、各大学では、卒業後までを見据えた長期の
就職支援を どうするかが新たな課題となっています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110804/t10014699321000.html

(登場人物紹介)

ドアラ・・・中日のマスコット。所謂ボーダーフリー大学に通う大学三年生。
      大学入試の面接では得意のバク転を披露して見事合格を勝ちとった。
      就職氷河期に怯えている。

つば九郎・・・ヤクルトのマスコット。今年青学を卒業する大学六年生(二浪二留)。
       内定はもちろんないが、なぜかドアラに対して上から目線で語り、ドアラもそれを受け入れる。
       口は悪いが、ドアラの将来のことを本当に心配していない。
       公式設定ではひらがなしか書けないことになっているが、読みにくいので無視する。

ドアラつば九郎さ〜ん」
つば九郎(煙草ぷかぷかしながら)「なんだ」
ドアラ「↑のニュース見てくださいよ〜。僕来年就職なのにヤバいっすよ〜」
つば九郎「いいかドアラ。人間は働くために産まれたんじゃねえ。
いつまでも就職にとらわれてるんじゃねえよ。だからお前はバク転をミスるんだ」
ドアラ「そんな〜!!」
つば九郎「大体お前みたいな気持ち悪いマスコットは就職氷河期だろうと
バブル景気だろうとどうせ就職できないんだから余計な心配しないで残りの学生生活を楽しめ」
ドアラ「そうっすよね〜。よく考えたらそんな気がしてきました!つば九郎先輩アリガシャス!」
つば九郎「馬鹿があんまり悩むとハゲるぞ」
ドアラ「そうっすよね〜。でもなんでこんなに大卒の就職率は悪いんですかね〜?
不景気だからっすかね〜?」
つば九郎「・・・お前、勉強できるか?」
ドアラ「え? 何言ってるんですか。俺が勉強できたらおかしいでしょ」
つば九郎「九九の、六の段言えるか?」
ドアラ「流石に言えますよそりゃ〜。えーっと。あ、大学入ってから数学全然使わないんで、
今ちょっとど忘れしてますけど、あれっすよね。『ろくいちがろく』とかそんな感じっすよね」
*1
つば九郎「なんか英語喋ってみ」
ドアラ「また無茶ぶりっすか〜。勘弁してくださいよも〜。マイネームイズドアラ
アイムキャンドゥグレイトバクテン。ビカーズアイムベリーポピュラー。どっすか?」
つば九郎「まあ俺も大概だけど、お前も相当馬鹿だよな」
ドアラ「でへへ」
つば九郎「うん。お前や俺みたいな馬鹿がどうして大学入れたんだろうな」
ドアラ「不思議っすよね〜」
つば九郎「いや不思議じゃない。実は大学全入時代っていって、
今の時代は『大学に入る』だけなら誰でもできるんだ。


全国の大学定員>大学進学希望者


という状況になってるからな。
*2
プロ野球が12球団あって、たとえば1000人の野球選手を必要としてるのに、
プロ野球選手希望者が900人しかいなければどうなる?」
ドアラ「皆プロっすね」
つば九郎「そのとおり。それと一緒だ。お前の通う愛知文教大学はボーダーフリーになってて、
受験すれば誰でも入れる。『大卒』は金で買える時代になったんだな」
ドアラ「すごいっすね〜」
つば九郎「そしてそのせいで大卒は就職難に陥っている」
ドアラ「え!? 不景気のせいじゃないんすか!?」
つば九郎「もちろんそれもある。
雇用のミスマッチとか、学生の大手志向とか、企業が外人取りたがるとか、
色々原因は言われてるが、間違いじゃない。けど根本的な問題じゃない」
ドアラ「俺らがゆとり世代だから悪いんですかね〜?」
つば九郎「いやそれも違う。というかゆとり世代の前のバブル世代は
受験戦争に打ち勝った後は大学でテニサー入って酒のんで女のケツ追っかけてたクソどもだし、
その前は学生紛争にあけくれてたゴミどもだ。
お前らの世代もカスだが、その先祖もカスだからお前らがカスなんだ。心配するな。
俺たちはみんなカスだ!」
ドアラ「そうなんすか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。じゃあホントの理由はなんなんすか?」
つば九郎「知りたいか?」
ドアラ「オナシャス!」
つば九郎「根本的な問題は二つだ。

・企業の採用数が少ないこと
(労働需要が少ないこと)
・大卒が多すぎること
(労働供給が多すぎること)

ま、具体的に見てみるか。

(※出典 リクルートワークス「大卒求人倍率調査_時系列推移_全体(2012年卒)」)
企業の新卒求人はこんなもんだ」
ドアラ「ひえ〜減ってますね〜。あれでも・・・?」
つば九郎「そう気づいたか? 実はバブル崩壊前だった1990年ちょい前と求人数自体はそんなに変わらない」
ドアラ「1995年と2000年がひどいっすね〜」
つば九郎就職氷河期だからな。バブルで過剰雇用になった企業が、
色んな理由があってリストラできなかったから、その分新卒採用を絞ったんだ」
ドアラ「そう考えると俺達の世代はまだマシっすかね〜〜〜〜〜〜〜〜〜?」
つば九郎「そんなことはない。
とりあえず、このグラフで「企業の採用数が少ない」っていうのはわかってもらえたと思う。
けどこれだけだったら、お前の言うように就職氷河期よりマシって結論になる。
でも就職難の原因はもうひとつある。「大卒が多すぎること」だ。
さっき見た通り、求人は減ったり増えたりしている。
それに対して大卒、その中でも民間企業就職希望者数はどうなってるか」

ドアラ「どひゃ〜。右肩上がりじゃないっすか〜」
つば九郎「うん。少ない椅子をめぐってたくさんの大卒が椅子取りゲームしてりゃあ、
そりゃあぶれる奴はいっぱい出てくるわな」

ちなみにこれが求人数÷民間企業就職希望者数で算出した求人倍率ってやつだ。
これで見るとお前らが就職氷河期と対して変わらない状況で戦ってるのがよくわかるね(ニッコリ」
ドアラ「たまげたなあ・・・」
つば九郎「だから就職できなくてもしょうがない。残念だが当然」
ドアラ「なんでこんなに大事なことを学校で教えてくれなかったんですかね(怒)
知ってたらもっと勉強したのに」
つば九郎「教師の話なんて聞いてなかっただろお前」
ドアラ「たしかに」
つば九郎「学校であんまり生々しい話するとウケが悪いしな・・・
教師っていう人種はどうしても『深イイ話』を求められるからな。
ボランティアの素晴らしさとか、差別はいけませんよとか、
そんな話を生徒に伝えるのが目的らしいからな。
『学歴社会は終わった』『これからは実力で評価される時代』っていうのを真に受けて、
勉強しなかった連中ってそれなりにいるんだろうな。
現状の日本社会では大半の生徒は民間企業に就職することになって、
その際に重視されるのは『どこの大学か』であって、
とりわけ特別な才能もない一般ピーポーこそ学歴が必要なのにな。
一般的なサラリーマンの生涯賃金が2億前後で、非正規になると定期昇給が全然なくて、
一生働いたして、正社員とは一億超える収入の差が出来るとかも教えてやりゃあいいのに。
まあ無理だろうけど」
*3
ドアラ「でもそしたら俺はどうすればいいんですか?」
つば九郎「?」
ドアラ「俺は何も悪いことしてないじゃないっすか。
確かに馬鹿かもしんないし、何の才能もないけど、ここまで真面目に人生生きてきて、
社会人になる段階で『そういう世の中だから』なんて割り切れないじゃないっすか。
俺は卒業後、どうやって生きていけばいいんすか」
つば九郎「知らねーよ」
ドアラ「そんな!」
つば九郎「知らねーよ!!!!!!!!
いいか? 社会や政府はな、お前のお母さんじゃねーんだよ!
お前のために世の中があるんじゃねーの。
日本人っていうのはガキの頃からオモチャ欲しければ親にねだれば買ってもらえたし、
塾に通いたければ当然のように学費払ってもらって、講義中爆睡。
就職も当然出来るもんだと思ってやがる。
てめーは燕の雛か?
母鳥が餌運んできてもらうのを巣で待って、
母鳥が噛み砕いた餌に嘴パクパクさせるだけの雛鳥か?
情けねえなホントに」
ドアラ「う・・・ぐっ・・・」
つば九郎「『どうしたらいいんですか?』
何度でも言ってやるよ。知らねーよそんなこと。お前の人生だろうが。
俺に何をしろっていうんだ? 何も出来ねーよ」
ドアラ「ぅぅ・・・」
つば九郎「わかったか?」
ドアラ「はい・・・そうっすね。結局俺が自分でなんとかするっきゃないんすよね。俺、頑張ってみます。
頑張って、就活しようと思います」
つば九郎「うん。頑張れよ」
(後日)
ドアラつば九郎さ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん」
つば九郎「なんだ?」
ドアラ「なんか〜、就活の傍らで、本書いたんすよ。
そしたらめっちゃ売れちゃって〜〜〜〜〜〜。
一生分稼げたんで、もう就職はいいっすわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
つば九郎「・・・」
(おしまい)


(参考)
ワークス大卒求人倍率調査

*1:四則演算ができない大人は結構います。
そういえば小中学校で結構そういう奴いたけど、高校ではいなくなってたのは、
僕がそこそこの進学校に行ったからであったようで、僕の今のバイト先では、
電卓がないと二桁の足し算ができない人が店の精算処理に苦しんでいます。

*2:小泉首相時代の構造改革路線の時に大学の設置基準がだいぶ緩和されたのと、
少子化の影響が効いてるようです。

*3:僕は教職課程をとっていて、度々そういうことを思う。
教師になる人間というのは、
・社会人になれなかった(なりたくなかった)人間
・社会人としての価値観(拝金主義とか)に馴染まなかった人間
の二種類がいまして、後者は特に「生々しい金銭の話」は排除する傾向が強い。
前者はそういうことを教えてもいいとは思っているが、自分ではできない。
よって教師というのはそういう「生々しい話」はしない人ばかりが揃う。
しかし「個性尊重」とか言ってるけど、教師に多様性が全然ないのにそんなことができるのかね?
君が代で起立しないのが個性っすか