四十三庵

蔀の雑記帳

ADR(裁判外紛争解決手段)は甘え

為替商品が円高で多額損失、企業の救済申請が急増
銀行の収益圧迫要因に
2011/8/28 2:02


 急激な円高・ドル安で多額の損失が生じている為替デリバティブ金融派生商品)を巡り、全国銀行協会が運営する紛争解決機関へのあっせんを求める企業が相次いでいる。銀行が解約清算金や損失の一部を負担する和解件数は4〜6月期だけで約50件と2010年度1年間の31件を大幅に上回る水準。銀行にとっては予想外の収益圧迫要因にもなりそうだ。



 全銀協は金融取引を巡るトラブルを独自にあっせんしてきたが、10年10月からADR(裁判外紛争解決手段)と呼ばれる法的位置付けを明確にした仕組みに強化した。企業と銀行の間で解決できない場合に中立的な立場で和解をあっせんするもので、全銀協は今年2月に専門部署を設置するなど体制を整えている。


 為替デリバティブについての企業からの申立件数は09年度は36件だったが、10年度は172件と大幅に増えた。とりわけ円高が進んだ年度後半に急増、11年度に入ってからは一段と増加ペースが速まり、4〜6月期の新規申立件数は約110件に達した。


 企業は「望んでないのにリスク商品を融資と抱きあわせで販売された」「執拗に勧誘された」「損失に関する説明が不十分」などとして、銀行に途中解約に伴う違約金の免除や損失の負担を求めている。


 こうした中で、ADRを通じて和解に至ったケースは今年4〜6月期だけでおよそ50件。昨年の同じ時期の10倍以上に膨らんだ。ADR機関が受理しなかったり当事者間の和解交渉が不調だったりした件数は4〜6月期で約10件。全銀協は申し立ての受け付けを地方の主要都市にも拡大しており、件数は今後さらに増える方向だ。


 ADRで和解案を受け入れた銀行は今期決算で顧客に支払った金額を損失として決算に計上することになる。これまで出た和解案では5割以上の負担を求める例が多いという。違約金は1件あたり数億円に上るもようで、大手行では100億円規模の負担が生じる可能性がある。


 10年11月に国会で為替デリバティブにより経営危機に陥った企業の問題が取り上げられた。元本割れリスクのある商品を買った顧客の損失を金融機関が肩代わりする行為は「損失補填」と呼ばれ、金融商品取引法で禁じられているが、ADRの決定に基づけば銀行が損失を肩代わりすることができる。


 金融庁の実態調査では為替デリバティブの契約企業数は全国で1万9000社にのぼる。

1万9000社が利用しているデリバティブ
日本には平成18年で約150万社ほど企業(事業所)が存在するらしいんだけど、
(出典)
割合で見るとそんなにだけども、約2万社という分子は結構大した数だ。
それなのにいざ損失出したらドラえもんよろしく公的機関に泣きつくっていうのは・・・
大体円高状況でどうしたらデリバティブで損失がでるのか。
まともな企業であれば、円高になる公算の方が大きいのはわかりきってるし、
そのためのヘッジで組むんじゃないのか?


まあただ契約風景のあこぎな感じも何となく想像できちゃうからねえ。
連日金融機関から営業マン送り込まれて、売り込まれたら、
そらあ金融知識の薄い奴らは押し切られちゃうよなあ。
アメリカだったら絶対「自己責任」「モラルハザードを防げ」っていう話なんだけど、
それが道義的に正しいかと言われれば首をひねらざるをえない。
もちろん経済的にはそんなアホな契約結んだ奴らが損失おっかぶさるのは当たり前なんだけど。
変な構図になってるんだけど、だからといってどう対応すんのが一番正しいのかという、
答えもイマイチすっきり出ないという所が、金融のいやらしいところではあると思う。
間違いなくこんな公的救済で、アホな契約結んだアホ企業が助かるのはモラルハザードの典型例だと思うけど、
まあ、金融機関も、これに懲りてあんまり「グローバルスタンダード」に倣った
アコギな金融商品のハメ込みは日本ではこういうリスクを伴うんだと自覚して、
堅実にやっていってほしいですね。多分無理だろうけど。
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