四十三庵

蔀の雑記帳

American Idiot

クルーグマン「死ぬ自由」(NYT,2011/09/15)

アメリカが右傾化真っ最中だった1980年のこと,ミルトン・フリードマンは有名なTVシリーズ「選択の自由」でこの変化を代弁した.エピソードを重ねるたびに,この穏和な経済学者は,自由放任主義[レッセフェール]経済学を個人の選択と権限に同一視していった.この楽観的な思想は,ロナルド・レーガンによって増幅されて繰り返されることとなる.

でも,それもむかしのことだ.今日,「選択の自由」は「死ぬ自由」になってしまった.

みんなも見当がついているだろうけど,ぼくが言っているのは,月曜の共和党大統領候補討論会での出来事のことだ.CNNのウォルフ・ブリッツァーは下院議員ロン・ポールにこう質問した.健康保険に入らないことを選んだ30歳男性がいきなり6ヶ月の集中治療が必要になってしまったとして,私たちはどうすべきでしょう? ポール氏の返答は,「それこそ選択の自由の要点ですよ――じぶんのリスクはじぶんが負うんです」 ブリッツァー氏は,念押しした,「社会は彼が死ぬに任せるべきということでしょうか?」

すると,番組の観覧者たちはわっと声援をあげた,「そうだ!」

日本人とアメリカ人の一番の違いは何かと言ったら、ここだろう。
日本で政治家がこんな発言をしたらマスコミが袋叩きにするだろが、アメリカでは声援をもらえる。
アメリカ人は敬虔な自由放任主義の信者が多い。

(関連)
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アメリカっていう国の歪みが好きらしいね僕は。
人事だからだろう。