四十三庵

蔀の雑記帳

(ネトウヨのための)韓国経済の「今」

貿易の自由化で東アジアの先頭を走る韓国。電機などの輸出企業は通貨ウォン安も追い風に、世界市場で存在感を高める。国を挙げた経済開放が成長の原動力だが、社会では貧富の差の拡大など競争の弊害も目立ってきた。隣国経済の光と影を追う。

  • トップ交渉の効果

 韓国国会は22日、反対派の野党議員が催涙ガスをまく大混乱のなか、米韓自由貿易協定(FTA)批准への同意案を可決。李明博(イ・ミョンバク)大統領は日本の環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加表明も意識し、来年1月1日の発効へ準備を指示した。
 「21世紀はFTAが経済領土を広げる」。李大統領の持論だ。自国とFTA対象国の経済規模の合計を「経済領土」と定義。欧州連合(EU)やインドとFTA発効済みの韓国は「米国を加えれば、経済領土が世界の60%を占める」と豪語する。
 韓国が「FTA大国」への意志を鮮明にしたのは2004年10月。当時の大統領の権限で外交通商省にFTA局を新設した。農水、産業など関連省庁の利害衝突による交渉の遅れを防ぐため、窓口を一本化した。
 国内対策は、06年8月に発足した大統領直属の「韓米FTA締結支援委員会」が統括する。強硬に反対する農業団体への対策として、08年から10年間で20兆4000億ウォン(約1兆3700億円)を投入。農業の国際競争力の強化に充てる。
 保護主義的な政策の名残で、関税率が高いことも有利な点だ。世界貿易機関WTO)の10年の調べでは、韓国の鉱工業品の平均関税率は3.3%で、農産品は119.8%。日本の1.2%、12.5%に比べて高い。関税下げの余地が大きく、交渉相手に譲歩を求めやすい。
 通商政策ばかりではない。「海抜4000メートルの我が国を3度も訪問してくれたのは、並大抵の情熱と関心ではない」。ボリビアのモラレス大統領は10年8月、韓国とのリチウムの共同開発を決めた理由の一つに相手の熱意を挙げた。
 通い詰めたのは、大統領実兄の李相得(イ・サンドゥク)国会議員。大型の国際商談で特使として何度も相手国を訪ね、時には軍事技術の供与などのアメもちらつかせて交渉を詰める。
青瓦台(大統領府)筋は「兄が真剣さを訴え、その後に大統領が訪問すれば、商談をまとめやすい」とトップセールスの効用を説く。時には競合する日本勢では無理な契約条件までのみ、アラブ首長国連邦での原子力発電所受注(09年12月)などを勝ち取った。
 韓国は人口が約4900万人と日本の4割弱にすぎず、企業の視線もおのずと外に向く。官民が開国を「国是」にまとまった結果、11年の貿易総額は8930億ドルと、1997年の国際通貨基金IMF)危機当時の約3倍に増えた。

  • 「票にならない」

 問題は、成長の果実を一般市民が感じにくいことだ。韓国はサムスンなど十大財閥で韓国取引所上場企業の営業利益の約6割を占めるなど、大企業偏重の社会。低所得層は李政権を「大企業寄り」と批判し、支持率は約3割で低迷する。
 焦った政府の一部では今春、大企業の利益を中小企業に回す「利益共有制」の構想が浮上。サムスン電子の李健熙(イ・ゴンヒ)会長は「共産主義の用語だろうか」と不快感を示した。
 来年は総選挙(4月)と大統領選挙(12月)が重なる「選挙イヤー」。FTAの強行採決は「票にならない」と貿易自由化に及び腰の政治家が多いことを示す。10月のソウル市長選では大統領候補と目され、低所得層に人気の安哲秀(アン・チョルス)ソウル大教授が応援した候補が当選した。
 二大選挙でも、公共サービス無償化など「福祉ポピュリズム」の圧力が高まるのは確実だ。結果次第では、成長を支えた経済開放の構図が揺らぎかねない。

「有事の安全網として、心理的にも役に立つ」。韓国企画財政省の申斉潤(シン・ジェユン)第1次官は日中との通貨スワップ(交換)協定の枠を10月、合計1260億ドル(9兆7000億円)と3倍強に増やす合意ができたことに安堵する。ウォンの対米ドル相場は欧州債務危機のあおりで、9月に9.4%も下落していた。

韓国では格差社会に抗議するデモに集う若者も多い(10月中旬、ソウル)

  • ウォン安志向一転

 李明博(イ・ミョンバク)政権はサムスン電子や現代自動車の輸出を後押しするウォン安を志向してきた。通貨当局が外貨を入手しやすくするスワップ枠の拡大で一転、ウォン安に歯止めをかけたのはなぜか。
 韓国の外貨準備高は8月末時点で3121億ドルと世界8位。政府の2010年末の債務残高の国内総生産(GDP)比は33.4%で、日本や危機に陥ったギリシャに比べて健全だ。
 だが、韓国の対外債務の4割は返済期間1年以内の短期債務が占め、逃げ足が速いとされる。政府債務は安い電気料金の維持など公営企業にツケを回した分を合わせると、2.5倍超に膨らむとの試算もある。
 韓国では1997年の「IMF危機」の記憶が生々しい。アジア通貨危機の当事国となり、ウォン相場は半年で半分に暴落。外貨が枯渇して国際通貨基金IMF)の管理下に入り、98年の経済成長率はマイナス5.7%に落ち込んだ。
 韓国銀行(中央銀行)の李柱烈(イ・ジュヨル)副総裁は「金融・資本市場の規模が小さく、外部環境によって急変する」と指摘する。ウォンが再び制御不能になりかねない国際収支のもろさを残しているのだ。

  • 「38歳定年」の重圧

 政府はIMF危機の際に財閥を解体・再編し、電機でサムスンやLG電子、自動車で現代自など主力産業で大手企業をつくった。「国内の寡占による高収益が、海外での競争力を支える」(地元アナリスト)形で韓国勢は躍進したが、一方で社会のひずみを広げた。
 「38歳定年」。IMF危機を境に変わった大企業の社内競争を象徴する造語だ。競争の特徴は「信賞」の報酬体系。サムスンでは部長の年俸は日本の同業他社より低い。ところが、執行役員級に昇格すると年俸は一挙に倍増し、高級社用車やゴルフ会員権を使えるようになる。
 「必罰」も徹底する。同社は9月、赤字続きの液晶パネル部門の役員10人に自宅待機などを命じた。社内では「年末人事で役員を解任され、1〜2年後には事実上、会社を追われるだろう」とささやかれる。
 大企業では、38歳が出世できるか否かの分かれ目だという。上司の成功と挫折をつぶさに見る若手は「どの日本企業より猛烈に働く」(同社幹部)社風を育む。
 職探しでは日本より大企業志向が強かったが、過熱する競争を敬遠する層も増えてきた。人気は「神の職場」だ。この造語は終身雇用で、給料が高く、残業や昇進競争が緩やかな地方自治体や公社を指す。
 例えば、東部の蔚山市東区が今月初め、清掃担当者を7人募ると92人が殺到した。勤務時間次第では年収が6000万ウォン(約480万円)を超え、区長をしのぐ待遇が全国の区庁で人気を呼んでいる。
 「(出世や就職での)際限のない競争が過度のストレスを生んでいる」。自殺志願者の相談を受ける「生命の電話」の主宰者はこう語る。韓国の昨年の自殺率は人口10万人当たり31.2人。ここ10年間で約2.3倍に増え、日本を大きく上回る。
 IMF危機は大企業が飛躍し、韓国の成長を引っ張るきっかけとなった。だが、危機の温床となった経済構造や社会の不満はくすぶり続ける。

ネトウヨが韓国という国を批判する文脈は大半間違っていて、批判する価値もない話だったりする。
特に「日米FTAで韓国経済が〜」というのは酷い誤りで、韓国経済の停滞はFTAとはまた別の問題だ。

韓国という国が日経・経団連的価値観で賞賛されるのは、
アジアの国の中ではかなり革新的な経済政策をやっていて、それが非常に彼らの好みにあうからだ。

GDP成長率で見れば、「失われた20年」で停滞している日本を、19年上回る成長率を示していた。
(ひどい落ち込みはアジア通貨危機ん時)

これだけ見ると「韓国経済はすごい!」なんて思うかもしれないが、別にそんなことはない。
というのは、GDP(名目)総額で見た場合、依然として日本経済は韓国経済を圧倒している。

Googleさんのグラフは実質GDPに対応してないので、残念ながら名目値の比較しかできない。
ただインフレ率で調整すれば、恐らく更に差は広がるのではないかと思われる。
(日本よりは韓国のほうがインフレ率が高い)
もちろん人口も日本の方が二倍くらい多いけれど、一人あたりGDPで見ても、
日韓には結構な差がある。

  • 一人あたりGDP

サムスン三星Samsung)やヒュンダイ(現代)を見習え、という声が
よく日経的経済家からはきこえるけども、輸出企業の競争力が強いことは、
韓国にとって嬉しい反面、「国内経済が十分に成熟していないのではないか?」という問題点でもある。
どういうことかというと、こういうことだ。

  • 輸出依存度


日本は「貿易立国」なんて言われるが、実際内需のパイが結構でかい。
(もちろん大企業の収益構造は、日本市場より海外市場の収益の伸びがでかいので、
外に出ていこうという戦略はけして間違っていない)
韓国のような輸出依存型の経済にとっては、日本以上に貿易は死活問題で、FTA締結もそのあらわれだろう。

しかし冒頭の日経の記事にあったように、韓国国内は「日本は学歴社会だから」とか抜かしてる日本人が、
膝ガクガクさせながら失禁するレベルの超学歴社会。
まさしく一度レールから外れたら人生おわる社会である。
ネトウヨは完全に勘違いしている。
韓国は日本の敵ではない。
むしろあらゆる点で日本に似ている。


まず失業率を見てみると、韓国も日本も異常なまでに低い。
欧米と比べてみるとよくわかる。
興味がある方はGoogleのサイトを開いて好きな国を追加してみれば、いかに日韓の失業率が低いかわかるだろう。
韓国は日本よりも失業率が低い稀有な国である。


韓国は日本以上に少子高齢化が進んでいる稀有な国である。

  • 自殺率


(社会実情データ図録より)
韓国は日本よりも自殺者が多い稀有な国である。

  • 結論

長々記事やグラフを貼りつけてきたが、
要するに韓国と日本はある意味では同じ立場なのだ。
同じように犠牲者なのだ。
韓国は日本と同じように、
経済成長を達成して豊かな暮らしを手に入れたけれど希望を失った殺伐とした社会に生きていて、
失業率は低くてもそれはむしろ必死で人々が「普通の暮らし」に執着している結果で、
出生率は低いままで確実に人口は減っていくだろうし、自殺者は異常な数が出続けている。

ネトウヨよ、いい加減に目を覚まそう
「本当の敵」は韓国ではない。