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四十三庵

蔀の雑記帳

駅員に切れてる奴は大体中年

論考

キレる中高年男性目立つ、脳内物質も関係? 駅・空港・病院などで激高、軽視され自信喪失

駅や空港、病院などの公共の場で、ささいなことでキレて駅員や職員らに手を出したり、言い寄ったりする中高年男性が目立つ。一見普通で分別のありそうな大人の男性がなぜキレてしまうのか。専門家はギスギスした職場環境や高齢者の孤独といった現代社会のひずみが背景にあると主張する。

 「ふざけるな!」。首都圏にある私鉄の駅で、駅員のAさんは激高した中年の男性乗客からいきなり顔面に平手打ちを受けた。最終電車に乗り遅れた男性客に「申し訳ありませんが、もう電車はありません」と頭を下げた瞬間の出来事。非は乗客側にあるはずだが、この男性は乗り遅れた怒りを駅員にぶつけたのだ。
 私鉄やJRなどがまとめた調査によると、駅員などへの暴力行為件数は増加傾向にある。2010年度は868件と06年度より約3割増えた。大半は男性の加害事例だ。年齢別では60代以上が最も多く、以下40代、50代の順で中高年が目立つ。
■一見普通なのに
 駅員や他の乗客に対し、暴力に至らなくても、詰め寄ったり、暴言を吐いたりする迷惑行為は後を絶たない。近年の特徴は一見普通の中高年男性が突然キレるケースが目立つことだ。こうした行為をする男性の多くは、少し時間がたつと、冷静さを取り戻し反省するという。
 悪質な行為に対し、交通機関側は断固とした対応をとるようになってきている。
「1席くらい空きがあるだろう。なぜ乗せないんだ!」。今年3月、羽田空港国際線ターミナルで怒声が響いた。航空会社のカウンターで中年の男性が激高し、カウンターの壁を蹴って損傷させた。男性は予定より早く空港に到着したため早い便への変更を求めたが、あいにく満席だった。「残念ながら席がございません」と謝る空港職員に腹を立てた末の蛮行。結局、この男性は10万円近い修繕費を支払う羽目になった。
 機内での迷惑行為の加害者も「圧倒的に中高年男性が多い」(日本航空お客さまサポートセンター)。04年の航空法改正では迷惑行為をする悪質な乗客には罰則が科されるようになった。トラブルで多いのが化粧室内での喫煙や携帯電話の使用。大半の乗客は客室乗務員が注意をすると素直に従うが、指示に従わず「うるさい」とキレる客もいる。
 病院でも、中高年男性によるトラブルが増えている。「指示に従って入院しているのになんで治らないんだ」。都内の大手病院に乳がんの疑いで入院した患者の夫(50代)は回復しない妻の容体にイライラを募らせ、担当医と看護師に怒りを爆発させた。医師が病状を説明しても納得せず、次第にエスカレート。2時間以上も医師と看護師を拘束し大声で怒鳴り続けるなど、常軌を逸した行動を取った。
 社団法人全日本病院協会が3年前に全国約1100の病院に院内暴力の実態を尋ねたところ、過去1年間で「暴行や対応に苦慮した暴言があった」と答えた病院は52.1%と過半数に達した。加害者の年齢に関する調査はないが、「中高年男性が多い」と指摘する関係者は多い。社団法人日本看護協会の小川忍常任理事は「1990年代ごろから患者の権利意識が高まり、お客さま扱いを求める風潮が強まった。それに伴いクレームを付ける患者や家族が目立つようになった」と話す。
なぜ、中高年男性はキレやすくなったのか。「『上から目線』の構造」の著者で心理学者の榎本博明さんは、近年の不況で会社をリストラされたり、人員削減で仕事量が増えたりして、中高年男性のストレスが増加していることを背景にあげる。
 「職場でお荷物扱いされ、家庭では軽んじられて居場所がない中高年男性は増えている。彼らは自信がないから他人の視線が気になって被害者意識が強まり、ちょっとしたことでも自分がバカにされたと思い激高する。唯一、自分が尊重される場が客という立場。最後のよりどころである客の立場を軽く見られると、怒りが爆発して衝動を抑えられなくなるのだろう」
 キレる現象は現役世代だけでなく、退職者の間でも広がっている。「暴走老人!」などの著書がある作家の藤原智美さんは次のように解説する。「地縁や血縁が薄くなった昨今、昔に比べて親戚や他人と話をする機会が減った。対話能力も低下しており、不満があってもなかなか口にできない。そのストレスが限界点を超えた時にキレるのではないか」
■脳内物質も関係?
 脳科学の観点からの分析もある。人間の情緒を安定させる脳内物質のセロトニン研究の第一人者、東邦大学医学部の有田秀穂教授によると、この物質は衝動や攻撃性を抑制する作用があり、不足すると感情の起伏が激しくなって、ささいなことでもキレやすくなるという。「分泌を促すには運動、日光浴、ふれあいの3要素が大事。デスクワーク中心の現代人は太陽の光を浴びずに机に向かう時間が増え、同僚と赤ちょうちんで一杯という機会は減っている。不足するのは当然」と語る。
 有田教授はセロトニンの分泌を活発にする運動療法の実践の場として、「セロトニン道場」を都内に開設している。受講生の中には中高年男性の姿も目立つ。こうした教室に通わなくても、日ごろストレスを感じている中高年男性は、「運動・日光浴・ふれあい」の3つの要素を積極的に日常生活に取り入れてみてはどうだろう。

最後のセロトニン云々は眉唾としても、記事の内容自体は日常感覚と合致するんではないでしょうか。
しかしまあ……