四十三庵

蔀の雑記帳

PERについて

株価で最も重視すべき指標は、企業の利益(当期純利益)だと僕は考えている。
突発的なネガティブ/ポジティブニュース(ポジティブなことなんてほとんどないが)で急変動することがあるが、
株の基本は「利益出してる企業の株価は上がる」「損失出してるクソどもは下がる」だと思ってる。
また、市場規律として、そうであるべきだとも思っている。
利益を出している優良企業の株価が低位で放置されているというのも、一つの「市場の失敗」ではないか。
(他に考えなければいけない問題は後述)

そこで利益と株価の関係を最も単純に示したのがPERなので、僕は時代錯誤にもPERを一番の指標にして株式相場を見ている。
歴史的なPERと株価の関係を示すグラフがこちら。
(引用元「S&P500と日経225の超長期PERの推移から見えてくること」(「投資十八番))
・S&P500

日経225

全然関係ねーじゃねーかとお思いかもしれないけど、

一般に米国では適正なPER値は15倍〜20倍の間であるといわれます。これは過去の平均がそうであったというだけで、このレンジ内が妥当であるという理論的根拠はありません。
(「投資十八番」引用記事より)

1990年代の中旬まではPERが20倍を超える水準は長くは続いていないことから米国株においてはPER20倍というのが上限に近いのではないかと思います。1990年代末のITバブルは、そうした過去の例があるにも関わらず、ニューエコノミーだの、IT革命により生産性は際限なく上昇する時代になった、だの今振り返れば馬鹿馬鹿しいのですが、根拠不明の新理論を武器にアナリストやファンドマネジャーは40倍、50倍の高PERを正当化しようと試みました。
結局それから数年経ち、現在の米国株のPERは15倍付近まで下がっています。

バブルが起こるとPERが異常値をつける。
だから値の「解釈」は必要になるので、「PERを重視してる」と言っても、別に低PERだったら機械的に買うという訳でもない。
より現実的には、PERは利益の反映であると同時に、投資家からの「期待」の反映でもある。
PER3倍とかで放置されてる銘柄をいくつか見つけたけど、それだけ日本企業に対する期待が低いのだ。

バブルが始まった1985年あたりから株価が急速に上がり始め、1987年4月にPERが89.49倍を記録し、ここが一つの頂点です。バブル崩壊後にもPERが度々異常値を出しているのは大赤字の会社が続出しているためで、ここからもバブルの影響の凄まじさがわかりますね。
日本株のPERの推移と米国とのそれを比較すると、企業の健全性や市場の効率性の面で米国とは比べられないほど日本市場は劣ると思います。それはPER水準の動きをみても分ることですが、企業実態からかけ離れた株価が市場から付けられていた期間がバブル発生から約20年に渡って続き、やっと最近になってようやく日経平均株価の平均PERが米国市場上場株と並ぶ水準まで下がってきました。日本の株式市場も少しは効率的になってきたということでしょうか?

引用元の日経平均株価のグラフはちょっと縦軸の目盛のとり方が10の倍数で分けてるので、
バブルの頃の急騰っぷりがあんまし反映されてないけど、バブル崩壊以降もPERが高水準で推移し続けた。

適正価格に対して割安で放置されている銘柄を買い、割高なものを売る、というのが僕の基本的な投資の考え。

  • 諸問題

PERを中心に株価を考えていく時の問題点を列挙する。
1.情報(ニュース、インサイダー取引
去年の東電が象徴的だが、3・11が起こった時点で東電の株があそこまで下がると予想できた投資家は何人いただろうか。
天災は誰にとっても平等にサプライズだと思うが、そうでない不祥事やら何やらは、
絶対事前に情報を握っている奴と、そうでない大多数の人間にわかれる。
大王製紙のボンボンの話なんかも、マスコミ関係者の中にはいち早く握っていた者がいたはずだ。

インサイダー取引は禁止されているけど、
スイス中銀の妻が無制限介入のときに50万4000ドル(約3900万円)超をスイスフランで購入したことからも分かる通り、
暗数(統計上にあらわれない実数)は相当な数にのぼるだろう。

ただ株式相場に関しては、恐らく大多数のプレイヤーはインサイダー情報なしでフェアな勝負をしている、と思われる。
「銀の先物相場市場」のような価格操作はできない。
機関投資家スケールメリットでどかどか釣り上げたり、暴落させたり程度のことで。

2.粉飾会計
これも広義の情報の問題ではあるが、独立したトピックとして扱ったほうがいいだろう。
利益を中心に見た時に、一番キツイのが粉飾会計だ。
だって信じてた利益自体がウソなんだから。
こりゃきついっすよ。
真面目にシコシコIR情報読み込んだ投資家が馬鹿を見て、テキトーに無根拠に投資してた連中が得するんだから。

去年のオリンパスといい、エンロンといい、けして油断できない。

3.期待
PERが投資家の期待のあらわれでもあるとは上述のとおりだけども、
どんなに利益を出してる会社でも、投資家の期待が低いと株価は低迷する。

4.知名度プレミアム
同じような話だけど、知名度のない会社のPERは基本的に10倍割ってるのがゴロゴロしてるけど、
日経225採択銘柄のような、所謂「テレビでCM流してるような優良企業」は、なかなか10倍割るってことはない。
CMの効果はたまに疑問視されてるけど、株価に関しては確実にCMは機能している。
(だから一応流してるんだろう)

1〜4くらいまでを勘案しつつ、基本的にはPER見て、涎垂らしながら投資するというスタイルで行こうと思ってます。