四十三庵

蔀の雑記帳

平凡な僕らでもできる あたる「予言」のつくり方

  • 予言者はどこに消えた?

ノストラダムスの大予言から、本屋に並ぶ経済の未来の「予言」まで、(例;「金は暴落する!2011年の衝撃 ロスチャイルド黄金支配のシナリオを読み解く」
世の中「予言」というものはたくさんあるものである。

最近ではネット上に、いかにもそれっぽい「大予言」が書かれている。

実を言うと地球はもうだめです。 突然こんなこと言ってごめんね。

でも本当です。

2、3日後にものすごく
赤い朝焼けがあります。

それが終わりの合図です。
程なく大きめの地震が来るので
気をつけて。
それがやんだら、少しだけ間をおいて
終わりがきます。

まあ、これ2007年の2ちゃんねるの書き込みらしいんで、
全然地球だめになってないんだけども。

最近も1月25日に首都直下型地震が来るという予言が話題になった。
これもまあ外れた。

  • 予言のつくり方

以上は外れた予言をあげたが、意外と簡単にあたる「予言」がつくれる。
今回の記事でばっちり「あたる予言」のつくり方を学んで、君も一流予言者になろう。

まず地震や地球破滅のような予言はやめておこう。
大体外れることになる。
できれば株価や為替予測のような、「丁か半か」「上がるか下がるか」しかない二者択一の問題がいい。
今回はじゃあ例として、今後「円高ドル安になるか、円安ドル高になるか」を予言しよう。
予言ビギナーには格好の題材だろう。

STEP1. 二者択一の予言対象を探す

僕自身は正直円高が続くと思っているが、それだとつまらないので、敢えて「円安ドル高が来る!」という予言にしてみよう。
そんなことしていいのか?
問題ない。

予言で大切なのは「いかにそれっぽく書くか」であって、理論的・学術的根拠があるかどうかではない。
ここを履き違えた予言者は痛い目を見る。
具体的に言うと、ドヤ顔で予言してみたはいいけど、
誰もとりあってくれなくて、すごすごと引っ込めるという恥ずかしいことになる。
予言を外すよりも情けないことだ。

僕も、このブログの読者にそんな予言者になってほしくはない。
だから、予言をするときは、
頭良さそうな人に「そんなアホみたいなこと起こる訳無いだろ全く……」と呆れられても怯んではいけない。

STEP2. 説得力がある意味深な予言をする

例を示そう。

「まあ信じられないのも当然ですが、私は何度も夢で鮮明にドル円レートが100円になるのを見ました」
「最初は私も信じられなかったんです。
けど金融関係のディーラーやってる友達にその夢を笑い話で言ったら、彼も同じ夢を見てたんです。
それも全く同じ夢。
朝起きて、NHKの朝のニュースを見てたら、ニュースキャスターが、
今日の為替レートは1ドル=100円で推移していますと言ってたんです。
ニュースキャスターの名前まで一緒でした」

これが神秘的予言者路線だ。

経済系の予言だと、あまりこの手の方向性だとウケが悪い。
そこで似非理論派路線をオススメする。

「円高!? ありえない。経済が全然わかってない。
あなたは教科書の経済学はかじったことがあるのかもしれないが、実際の経済についてはホントに小学生並だな。
ホントに呆れてしまう。

たとえば2010年の日本のGDP成長率、言えますか?
言えないんですね。まあ仕方ない。
3.1%のプラス成長です。」
(満面のドヤ顔で言うと尚いいでしょう。
2010年、3.1%という数字を忘れそうだったら手の甲にでもメモっておきましょう)

(ここから文章)
少子高齢化だの、中国・韓国との競争だの、「日本経済悲観論」に毒されている者には、
この3.1%という数字は信じられまい。
日本経済はまだまだ底力を秘めているのだ。
私は人口減少によって、日本経済は逆に成長する、と考えている。
なぜなら、人口が減る分、学校教育では一人一人にまできめ細かい指導ができるし、企業も人材育成がやりやすくなる。
このプロセスによって、『少数精鋭型』の日本社会が実現し、生産性が飛躍的に上がる。

さて、読者の中には「日本経済が成長するのにどうして円安になるの?」と疑問に思う方も多いだろう。
為替レートを単に経済の「強い」「弱い」で考えると、円高という結論になってしまう。
しかし為替レートはそこまで単純なものではない。
重要なのは『経常収支』である。
実は為替レートを決めるのは、この『経常収支』なのである。
『経常収支』が増えれば、為替レートは円高になるし、減れば円安になる。

今進んでいる円高によって、確実に輸出産業の力は削がれている。
残念ながら今の日本政府、民主党の無策を見るかぎり、彼らに救いの手が伸びることはない。
恐らく今後数年間、トヨタソニーなどの輸出企業は苦境が続くだろう。

しかしそれによって、『経常収支』は減少に転じる。
すると、今まで何度介入しても戻らなかった為替レートが、突如として円安に転換しはじめる。
更に日本には『国債リスク』が存在する。
これが爆発すれば、一気に円安が進み、1ドル=100円が実現するのだ。

こんな感じ。

STEP3. ひたすら予言通りになるのを待つ

待ちましょう。
為替レートの場合、最初円高が進んでも、突然トレンドが変わることがあるので、粘り強く予言通りになるのを待つ。

ここから、予言があたった場合と、あたらなかった場合にわける。

STEP4-1(予言があたった!). 予言的中宣言をする

「ご存知の方もいるかもしれませんが、実は私2011年出版の『2012年は円安になる!』という本で、
この為替レートを予言していました。」とかそんな感じでいいでしょう。

STEP4-2(予言が外れた……). フェードアウトする

何も言う必要はない。
静かにほとぼりが冷めるのを待とう。
世の中いちいち外れた予言を覚えてるほど暇じゃないので、意外と一年くらい静かにしてれば皆忘れてる。
そうじゃなきゃあんな毎年毎年本棚に「20××年、○○が起こる!」って本が並ばないでしょ。そりゃあ。

  • 絶対に予言者になれる方法

この方法だと、予言が外れたらそれで終わりになってしまう。
その欠点を補う、「絶対に予言者になれる方法」もある。
ただしこれは一人ではできない。
あなたと、もう一人別の予言者が必要だ。
まあ、友達でいいだろう。
自分は円安を予言して、友達は円高を予言する。
そうすっと、どっちかは的中することになる。
外れた方はフェードアウトし、あたった方が残る。
これこそ完璧な予言だ。

  • 本屋の予言者たち

もう賢明な方であれば薄々気づいてるかもしれないが、本屋に並んでる「予言が的中した本」っつーのは、
「上から下か」という二者択一の予想で、「上を予想する人」と「下を予想する人」の本が両方出てて、
(流石に真横に並べたりはしないからなかなか気づかない)
たまたま上に行ったら、その「上を予想した人」の本が「予言的中!」として祭り上げられて、
「下を予想した人」はひっそりフェードアウトしてる、という構造になっている。

さあ、次の予言者はあなただ!(了)