四十三庵

蔀の雑記帳

原子力を正しく恐れるための放射線・放射能基礎知識

2007年に出版された図解雑学シリーズの「放射線放射能」のまえがきにはこう書かれている。

人間が放射線放射能を意識下にとらえてから100年以上が経った。以来、放射線放射能は人間生活の多くの場面で多面的に利用され、とりわけ医療の面では欠くことのできない重要な役割を果たしている。
 しかし、放射線放射能は一般の人々にとってはいまだに「得体の知れない不気味な存在」であり、とりわけ五感に捉えられない点が「正体不明の薄気味悪さ」を漂わせているように思われる。(中略。2006年のロシア人将校が放射性物質による暗殺された事件から放射線障害の危険性が懸念される声が次々あがった記述)放射線放射能を恐れる気持ちは、何も原水爆を体験した日本人の「放射線アレルギー」に特有のことではないのだ。
 目に見えない、正体不明の危険性に対する人間の態度は2つに分かれる。「無視派」と「恐怖派」だ。(中略)「恐怖派」は、目に見えない、正体不明の「エックス」は(それが「エックス」であるがゆえに)無闇に恐れる。実際、得体の知れないものを「理性的に恐れる」のは簡単ではない。なぜなら、「恐れる」のは「感性」のなせるわざであって、「理性」のなせるわざではないからである。

この記述の後、

多くの人々にとっては「放射線」と「放射能」の区別も定かではないような知識実態がいまだに厳然として存在している。

という記述につながる。

まさかこの本の著者*1も、わずか5年後に原発事故が起こって、
日本中のテレビが「原子力一色」になるとは予想だにしなかったろう。

当ブログでも、原子力を正しく恐れるために、
簡単に「放射線放射能」について記事を一つしたためよう、という次第である。*2
基本的に学問的厳密性はシカトして、ひたすら感覚に訴える説明で押し通す予定で、
その方がおそらくは公共的価値が高いと思われるので、そのあたりよろしく。

  • 目次

・そもそも原子力とは
放射線
放射能
・単位の話
放射線の人体に与える影響

●そもそも原子力とは
放射能の話をききたいのに、なんで高校の化学の話きかなきゃいけないんだ!
もっと核心的な部分だけ伝えろ」と思う、
僕も色々どう書こうか悩んだけど、どうしてもこの基礎知識抜きにしたら説明できない。*3
最終的に原子力の理解の根底となる知識なので、最初は「関係無いだろ!」と思っても、
おおいに「関係ある」ので、我慢して読んでいただければ幸い。

  • 原子*4

○構造
古代ギリシャの哲学者たちは、物質の最小単位を想像して、それに現在で言う「原子」の概念に至った。
その後物理学が進展していくにつれ、実際原子みたいなもんに物質がわけられることが科学的にわかった。
更に、「原子」は最小単位ではなく、もっと分解できることが明らかになった。

電子+原子核

電子はマイナスの電荷を帯びていて、原子核はプラスの電荷を帯びている。
プラスとマイナスは引きあうので、原子核のまわりを電子がぐるぐるまわっている*5

化学の授業で一回くらいこんなん見たことあるだろう*6

これが最小単位ではない。
更に原子核は、

陽子(+)+中性子(中性)

という二つにわけられる。
で、陽子の数と電子の数はその「原子番号」に等しい。

たとえばヘリウム原子(原子番号2)であれば、陽子数2つ、電子数2つ。*7
物理学では更に「最小単位」の探求が続けられているみたいだけども、とりあえず原子力を理解するためにはここまでの知識でよい。

○質量数
「原子の質量」の話にうつりたい。*8

原子が電子+原子核(陽子+中性子)で出来ていることは前述の通りで、
「原子の質量」は「電子の質量×数+陽子の質量×数+中性子の質量×数」と分解できる。
そして、それぞれの質量は、陽子を1とすると、次のような関係になっている。

陽子=1
中性子=1.0014
電子=0.00054

この数字そのものは大して重要ではなくて、重要なのは、
1.陽子と中性子の質量がほぼ同じ
2.電子めっちゃ質量小さい
という二点だ。

電子の質量はほとんど無視してよいから、

「原子の質量」=「陽子の質量×数+中性子の質量×数」

だ。

更に更に、陽子の質量と中性子の質量はほぼ一緒なんで、
「陽子の質量」=「中性子の質量」である。

「(陽子の質量)×(陽子の数)+(陽子の質量)×(中性子の数)」
=「(陽子の質量)×(陽子の数+中性子の数)」

*9

(陽子の質量)はもう既に研究されて判明している。*10
そういう訳で、ある原子の質量が知りたかったら、重要なのは、

(陽子の数+中性子の数)

で、これさえわかれば、原子の質量が判明する。
そういう訳で、「陽子の数+中性子の数」というのは、原子について、非常に重要な情報なので、
わざわざ名前がついていて、「質量数」と言う。

ウラン234とか、ウラン235、ウラン238とか、そういう呼び方をどこかで小耳に挟んだことがあると思うが、
この234だとか、235だとかが、ウランの「質量数」に他ならない。*11

  • しつりょうほぞん の ほうそく が みだれる!

「147+93=238」になる場合がある、と言ったら、読者は僕が算数のできない人間だと思うだろうか。
通常こんなことはありえない。
100kgの力士が20kgの子供を抱えて体重計に乗れば、120kgになる。
「質量保存の法則」というやつだ。
しかし原子の世界では、それが成り立たない場合がある。

たとえばウラン238の場合。
ウラン238は、陽子92個、中性子146個が結合して出来ている。
これを陽子の1個の重さ・中性子1個の重さを使って、単純に足し算すると、
約240u*12
となる。
ところが、実際にウラン238という原子の質量を測ってみると、
約238u
となる。
2u分質量が失われている。
これは一体……?

  • 結合エネルギー

実はウラン238は、陽子と中性子が結合するときに、
「結合エネルギー」を発生させて、出来ている原子なのだ。
その結合エネルギーを産むときに、質量が失われていたのだ。

どんぐらい失われるか、というのを計算する時に、アインシュタインの「特殊相対性理論」が登場する。
「質量とエネルギーの等価性」と呼ばれる式で、式自体は非常に単純なものだ。

エネルギー(J)=質量(kg)×(真空中の光速)^2(m/s)

真空中の光速=30万kmというのはすでにわかっているので、

(エネルギー)=(9×10^16)×(質量)

(((真空中の光速)^2の^2は2乗の意味。以下同様))
この式が示すのは、
「質量は巨大なエネルギーの塊である」
という、我々の日常感覚とは相容れない事実であり、
更に「9×10の16乗」という係数が、わずかな質量で非常に巨大なエネルギーが産み出せることを示している。
つまり、何らかの手段によって、質量をエネルギーに変換することが可能であれば、
それはわずかな物質で、凄まじいエネルギーを産み出すことができる……

この理論を開発したせいで、アインシュタイン
「原爆の理論を生み出した」→「原爆をつくったのはアインシュタイン
といういわれなき濡れ衣を着せられるハメになった。

さて。
以上長々と説明してきたけれど、これで
「なぜウラン放射線を出すのか?」
という問いに答えることができる。

次のグラフは、
横軸に質量数(水素原子の何倍か。原子番号の順に並んでる)、
縦軸に結合エネルギーの強さをとったグラフだ。

このグラフで、なぜウラン放射能を持つのかが説明できる。
「Fe」というのは鉄の元素記号だけど、ここが一番結合エネルギーが大きく、原子として安定している。
逆に鉄より軽い水素やヘリウムなどは、結合エネルギーが小さく、非常に不安定であることがわかる。
更にまた、鉄より重すぎても、これも結合エネルギーは小さくなって、不安定になる。

自然界に存在する原子で、最も軽いのが水素で、最も重いのがウランである。
ウランはあまりに重く、原子核が非常に不安定で、
常に「もっと身軽になりたい」という訳で、放射線を出し続けている。

「なんらかの手段によって、質量をエネルギーに変換できれば……」と書いたが、
その何らかの手段が、「核分裂」と「核融合」の二つだ。

核分裂エネルギー
上述の通り、ウランは非常に重たくて、放っておいても放射線を出している。
これだけでも人体に有害だが、量としては微量で、兵器としてそのまま使っても、そこまでの殺傷力はない。
そこで、どうするかというと、このウラン中性子をぶつける。
ただでさえ不安定だったウラン原子核にたった1つの中性子が加わると、
「これ幸い」とばかりに、分裂を起こして、「ストロンチウム」と「キセノン」、中性子3つにわかれる。
ただ分裂するだけならいいのだが、そのとき「核分裂エネルギー」が発生して、質量が失われる。
これが原子爆弾のエネルギー源となっている。

核融合エネルギー
核分裂が原爆のエネルギー源だったが、水爆のエネルギー源がこの核融合エネルギーだ。
また太陽光のエネルギーも、実はこの核融合エネルギーだ。

水素もまた、ウラン以上に結合エネルギーが弱くて、不安定な状態にある。
ウランとは逆に、水素の場合、核が不安定なので、「もっと重くなりたい」状態にある。
そこで、重水素(陽子1,中性子1)と、三重水素(陽子1,中性子2)を結合させたる。
すると、「ヘリウム」と中性子一個になる。
結合エネルギーが発生して、融合の後は質量が軽くなっている。
これが核融合エネルギーだ。

放射線
放射線は、

粒子放射線
電磁放射線

に大別できる。
文字通り、電子などの粒子が飛んでるのは「粒子放射線」、
「電磁波」が飛んでるのは「電磁放射線」である。

粒子放射線は更に
・(陽子2個、中性子2個の)アルファ線
・(電子1個または陽電子1個の)ベータ線
中性子
にわかれる。

*13電磁放射線は、
・エックス線
ガンマ線
・(一部の)紫外線
にわかれる。*14

いきなり新しい用語が出まくって混乱してるだろうけども、簡単な解説を加えるので、「そんなもんか」と思って欲しい。

○粒子放射線
ウランを研究してたイギリス人学者が、どうやらウランが出してる放射線が二つに分けられることに気づいた。
名付けて、「アルファ線」と「ベータ線」。
1898年のことなので、結構な昔だ。
アルファ線
アルファ線は陽子2個、中性子2個の結合体が、放射されている。
これはヘリウムの原子核が吹っ飛んでるのと同じで、ベータ線と比べるとその飛ぶコースは直線に近い。
電離というのは、プラスの電荷を持ったアルファ線粒子が、他の元素の持っている電子(電荷マイナス)をひきつける力だ。

アルファ線は空気中では2〜3cm、水中では0.03mmとほとんど飛距離がない。
したがって外部被曝であれば、大した影響がない。
ところが体内でアルファ線食らうと、アルファ線が体内の原子から電離作用で電子を奪ってしまう。
電子を奪われた原子は、すぐに周囲の電子をとりこんで、元に戻る。
しかしその原子を奪われているわずかな間に、細胞を構成する分子を攻撃して、場合によってはDNAを破壊する
これが内部被曝の恐ろしさであるらしい。

ベータ線
電子一個が吹っ飛んでくのが、ベータ線である。
通常電子はマイナスの電荷を帯びているが、「陽電子」というのも発見されている。
そこで、普通の電子が吹っ飛んでくのを、ベータマイナス線、陽電子で吹っ飛んでくのを、ベータプラス線という。
最初に書いたとおり、電子の質量は非常に小さいので、アルファ線と違って、ふらふらと千鳥足のような軌跡を描く。

アルファ線にせよ、ベータ線にせよ、外部被曝に関しては、人体にはそんな問題ない。

中性子
中性子が吹っ飛んでれば、それが中性子線だ。
原爆の核分裂反応を起こすときに重要な役割を果たすことになる。

○電磁放射線
・エックス線
「レントゲン」に使う放射線として有名なエックス線だが、その発見は1895年まで遡る。
ドイツのレントゲン教授が、真空管に電気通してたら、偶然発見した放射線だ。
現代ではもう少しその性質が解明されている。
原子核と電子の磁力から、産まれるエネルギーが電磁波として放出されたのがエックス線だ。*15

ガンマ線
アルファ線ベータ線の他に、もう一つ放射線が出ているのに気づいたフランス人学者がいて、
そのエックス線によく似た放射線ガンマ線と名付けた。
エックス線と違って、これは原子核が持った余分なエネルギーを電磁波のかたちで放出している。
(電子は関係ない)

放射能
勝手に放射線を発する性質を「放射能」という。

原子核放射線を出して、勝手に別の原子に変わるのを、「崩壊」と言っている。
これは用語を紹介するだけになってしまうが、

1.アルファ崩壊
アルファ線出す
2.ベータ崩壊
 2.1.ベータマイナス崩壊
 →ベータマイナス線、ガンマ線出る
 2.2.ベータプラス崩壊
 →ベータプラス線、ガンマ線出る
 2.3.電子捕獲
 →エックス線、オージェ電子*16
3.核異性体転移
ガンマ線、内部転換電子*17出る
4.自発核分裂
中性子線、ベータ線ガンマ線など出る

の4つ(細かくは6つ)がある。

しかしまあこの辺は流石に、今日の原発問題を考えるにしたって、
流石にここまではいいだろう、っていう、ねえ?

●単位の話
ベクレル
キュリー夫人の伝記を読んだことがあるでしょうか?
僕の淡い記憶では、その中で
キュリー夫人の功績にちなんで、放射能の強さをあらわす単位は1キュリーとした」
と言われてたと思うんですね。

ところが今回原発事故の後、出てくる単位は大体「ベクレル」とか「シーベルト」とかで、
キュリーなんて単位は一回も見なかった。
キュリー夫人の功績は、1896年にウランの研究から、新元素「ラジウム」を発見した。
この功績から、「1gのラジウムのもつ放射能の強さを1キュリー(Ci)」に設定した。
と、ここまではいいんだけど、その後研究が進むにつれ、
放射能というのは、「原子核の崩壊」によるものであることがわかった。
そうなると、1gのラジウムでは、1秒に370億個のラジウム原子核が崩壊しているんで、
キュリーという単位はなんとも使いづらくなってしまった。

そこで、「1秒に1個の原子核が崩壊している時の放射能の強さ」を1ベクレルと新たに設定したのだ。
ベクレルというのはフランスの物理学者で、放射能の最初の発見者である。

シーベルト
原発事故以来、散々このシーベルトという耳慣れない単位きかされて、
皆さんシーベルトってきいただけで吐き気するようになったと思うんですけども、
これはベクレルとは全然違う単位で、「人体が浴びた放射線」に対して使われる単位である。
(だからまあ「何シーベルト被曝は『ただちには影響はない』か」という議論の時にこの単位が頻出するのです)

50kgの人間が、放射線を浴びたとしよう。
このときどのぐらいの放射線量を浴びたか、それを表すのが「吸収線量」だ。
この吸収線量の単位は「グレイ」(Gy)というのが使われる。
「1kgの中で1Jのエネルギーが吸収されている」ときの「吸収線量」が1Gyである。

ところが、放射線は上記の通り、アルファ線やらベータ線やらに分けられて、
それぞれ放射線の種類によって人体への生物学的な影響は異なる
具体的にはアルファ線中性子線は、ベータ線ガンマ線よりも生物に与えるダメージが大きいことが明らかになっている。
そこで人体への影響を考える時は、この吸収線量に線量係数をかけた、「線量当量」という指標が用いられる。
たとえばアルファ線外部被曝に対してはこの線量係数、ベータ線内部被曝に対してはこの線量係数という風に、
放射線の種類ごとにウェイトづけして、人体に与えるダメージを測る。
この単位がシーベルト(Sv)なのである。

用語が難しいので、繰り返そう。

線量当量=吸収線量×線量係数


さて。長かったが、ここまでで原子力の基礎知識はフォローできたと思う。
以下、人体に与える影響にようやく移る。

放射線の人体に与える影響

三つに分けられる。
1.身体的影響
(更に1.1.早期効果 1.2.晩発効果。被爆後数週間以内にあらわれるの1.1。数年後から数十年後にあたわれるのが1.2)
2.遺伝的影響
(3.心理的影響)*18

身体的影響の早期効果は下痢や嘔吐、発熱、脱毛、白血球・リンパ球・赤血球の減少などである。
晩発効果は白血病、がん、白内障不妊などである。

  • 致死線量

人間は7Gy(グレイ。「記号」の項参照)程度被曝すると、30日以内にほぼ100%死亡する。
約4Gyの被曝で、50%の人が死亡する。

  • 確定的影響・確率的影響

被曝の影響は
確定的影響
確率的影響
の二つに大別される。

確定的影響は、ある閾値を超えると、確実に起こるような放射線の影響である。
閾値が存在するのは、どうもDNAの自己修復機能が働くか、だめになるかという所のようだ。
脱毛などの皮膚障害、白内障不妊、白血球減少はこの確定的影響だ。

これとは違い、確率的影響は、閾値がなくて、被曝線量が低ければ低い確率が起こり、高ければ高い確率で起こる。
しかし「確実に起こる」という訳ではないような症状で、
具体的には白血病、がん、遺伝的影響などである。

散々原発事故以降言われたので耳タコの用語だと思うが、被曝にも外部被曝内部被曝がある。
放射線」の「アルファ線」「ベータ線」の項で書いたように、アルファ線ベータ線内部被曝ではDNAに深刻な問題をもたらす。
また、ガンマ線中性子線は外部被曝の際に深刻なダメージを与える。
広島・長崎の原爆で、現地市民に深刻な放射線被害を与えたのが、このガンマ線中性子線による外部被曝である。

外部被曝を防ぐにはどうしたらいいか?
三原則があって、
「遮蔽、距離、時間」
の三つに気をつけることだ。
重要度は遮蔽>距離>時間となる。

○遮蔽
放射線を最も遮りやすい物質条件のもので、自分と放射性物質とを遮蔽する。
たとえば「原子力船むつ」で中性子漏れが発生した時、遮蔽物として「握り飯」が使われた。
これは米の中に含まれる水やポリエチレンに含まれる「水素」が、中性子をガードするのに最適だから、使ったのである。

○距離
距離をとると、被ばく線量は距離の二乗に反比例するので、安全である。

○時間
被曝時間が少ないほど、被曝量も少ない。

1.放射性物質をできるだけ体内にとりこまない。
2.体内にとりこんだ放射性物質はできるだけ早く排出する
の2つ。
結構「それが出来たら苦労しねーよ」的な対策になっていることからもわかるとおり、かなり難しい。

取り込みを防ぐために、
1.空気・飲食物の放射能汚染を防ぐ
2.汚染食物の摂取制限
3.防護マスク着用
4.放射性ヨウ素甲状腺への沈着を防ぐためにヨウ素剤を服用する

体内の放射能を追い出すために
1.胃や肺を洗浄する
2.キレート剤などを投与する
3.下剤や利尿剤を服用する

自然放射線を我々は食らってるので、微量ではあるが、日常生活のなかで被曝している。
(※1年でミリシーベルトmSvなのに注意)

宇宙線 外部被曝 0.38(mSv/年)
宇宙線生成核種 内部被曝 0.01
地殻放射線 外部 0.46
カリウム40など 内部 1.28
ラドンと崩壊生成物 内部 1.28

合計2.4mSv/年ほど被曝している。

自然放射能 医療被曝
世界 2.4mSv 0.4〜1mSv
日本 1.4mSv 2.4mSv

日本は自然放射能が少ないが、医療被ばくが多い。

  • 広島・長崎原爆の被害

最後に、今回の原発事故とは直接関係はないが、
広島・長崎の原爆の被害のデータが上がってたので、それを転載して、この長かった記事を終える。

項目 広島 長崎
人口 42万人 27万人
死者(〜1945) 14±1万人 7±1万人
死者(〜1950.10) 20万人 14万人
爆心地の距離と死亡率(<0.5km) 96.5% 88.4%
爆心地の距離と死亡率(<1.0km) 83% 88.4%
爆心地の距離と死亡率(<1.5km) 51.6% 51.5%
爆心地の距離と死亡率(<2.0km) 21.9% 28.4%
爆心地の距離と死亡率(<3.0km) 7.6% 8.5%
爆心地の距離と死亡率(<4.0km) 3.6% 1.9%

このデータの気になった点は、原爆の被害の凄まじさが数字で見るとあらためて浮かび上がるというのと、
・1945〜1950年で広島では5万人前後、長崎では7万人前後が死んでいること。
・爆心地からの距離が離れると死亡率はかなり低い。
という点がかなり意外な事実だったので、敢えて転載した。

●おわりに
クソみたいに長い記事になってしまって、
僕が読者だったら絶対読まないけど、読んで頂いた方はお疲れ様でした。
この記事の内容は、ナツメ社の「図解雑学 放射線放射能」安斎育郎に基づいております。
僕の説明がわかりづらかったり、もっと知りたいと思ったりしたなら、こちらをあたってみることを薦めます。(了)

*1:安斎育郎

*2:今更感はあるけど

*3:多分この化学知識を抜きにして、「かんたんにわかる!原子力!」みたいな説明してる本って、おそろしく不誠実な説明になってるんじゃないかと思う。

*4:化学の基礎知識なので高校でちゃんと勉強した方は読み飛ばし推奨。あ、僕はちなみにこの本ではじめて理解しました

*5:らしい。見たことないので知らないけど

*6:僕の高校の化学の試験は平均点30点前後で、僕も30点くらいしかとれない状態であった

*7:ヘリウムの場合中性子も2つだがこれはどの原子でも成り立つ訳ではない

*8:質量とは平たく言えば「重さ」のことだけども、科学的には重さと質量は区別される。重さは物体にかかる重力の大きさで、質量は「物体の量」であり、重力の大きさに左右されない

*9:ax+ay=a(x+y)って中学の数学でやりましたよね?

*10:約1.66×10^-24gだそうな

*11:アイソトープ同位体)ってやつだ。なぜ質量数が違うかというと中性子数が違うからです

*12:uは「原子量単位」。炭素原子の重さの12分の1

*13:電離作用を持つ

*14:電離作用を持たない放射線も入れるならば、可視光線、赤外線、電波も入る

*15:制動エックス線と特性エックス線にわかれる。電子を加速して金属にぶつけたときに、電子の軌道が原子核に近づいて曲がるために新たなエネルギーがうまれ、それを放出するのが医療用に使われる制動エックス線。電子が内側の軌道(N殻、L殻とか)に移るときに発生するのが特性エックス線

*16:そういう電子があるんだよ!

*17:そういう電子が(ry

*18:敢えてこの3つ目をつけてるのがこの本の素晴らしいトコですね。いやマジで。原発事故以降の放射脳の人々を見ると、いかにこの3番目が重要か……