四十三庵

蔀の雑記帳

「リース」について〜オリックスという会社が何をやってるのか〜

最近ちょっと業界研究も兼ねて勉強してたんで、リースについて簡単にまとめたいと思う。

  • リースは金融のなかのひとつ

リース(lease,leasing)というのは、元はアメリカで生まれたもので、
会社が使用したい備品を、その会社の代わりに購入して、その備品を貸してリース料をとるビジネス。
たとえばスーパーを経営しているA社が、業務用の冷蔵庫を買いたい。
そういうときにリース会社はかわりに冷蔵庫を買い、その冷蔵庫を貸す。
たとえば2年契約で月10万円とか、そういう感じで契約する。
2年が終わったら引き上げるか、双方が納得すれば新たに延長して契約を結ぶのも可能。

僕は最初これきいたとき「レンタル」みたいなもんか、と思ったんだけど、レンタルとは似て非なるもので、
一番違うのは、リースは顧客が「欲しい商品」を購入する。
レンタルはレンタル会社が自社の判断で商品を購入し、顧客がその商品を選択することになる。
他にもデカい違いがあるが、それは後述。

リースの取引には三つのプレイヤーが出てくる。

リース会社-サプライヤー-ユーザー

リース会社がユーザーの欲しい商品を、サプライヤーから購入して、ユーザーに貸しつけ、
その後ユーザーからリース料を徴収する、というのがリースの一連の流れ。

リースは金の流れとしては、実は融資とあまりかわらない。
A社が冷蔵庫を買うために、銀行から融資を受けて購入するのも、リース会社のリースを使うのも、
どちらも人の金でまず購入して、それを返済していくという流れになる。
よってリースは金融業に含まれる。
くくりとしては銀行、証券と同じ。

  • リース会社にメリットはあるか?

僕がはじめリースという手法を知ってから、抱いた疑問は、
「なぜリース会社は潰れないのかな?」
ということだった。

ユーザー(リースを利用する側)にメリットがあるのはわかる。
今現金で買えば本来200万円する備品を、2年の割賦払いにできれば、支払いを「薄く、広く」することができる。
また税法だと法人税を算定するときに「損金」というのを計上していいらしいんだけども、
リース料は一定の基準を満たせばこの損金に入れることができて、節税効果がある。

サプライヤー(備品を売る人)にとっては、リースだろうが何だろうが、
モノが売れることにはかわりがないので、リースでメリットもデメリットもない。

ではリース会社にはメリットがあるか?
最初僕がリースを知ったときに、一番疑問だったのがこの点だ。
なんか普通に融資した方がいいような気がした。
しかしリース会社にもちゃんとメリットがある。
あるからオリックスはここまでの大企業に成長したのだ。
それはどういうカラクリなのかというと、簡単だ。
リース料をちゃんと儲けが出る水準に設定してあるのだ。
上手く出来てるのだ、そこは。

  • 月額リース料の算定のカラクリ

リース料は次の式でだいたい算出されている。

基本額+金利+固定資産税+保険料+手数料+利益等
(基本額…購入した物件の会計上の価格。残存価値を引いてある)
金利…リース会社がユーザーから徴収する金利

これを支払い期間が2年契約であれば24(月)で割ったものが、月額のリース料となる。
リース物件はちゃんと損害保険にいれて、しかもその保険料はリース料に上乗せされている。

  • 基本的に途中解約のできないリース契約

リースは契約内容によって

1.ファイナンスリース
2.オペレーティングリース

という2つにわけられる。

ファイナンスリースが日本のリースの90%を占めるそうなので、リース≒ファイナンスリースと思ってもよさそうだ。
ファイナンスリースは二つの要件が課せられている。

1.中途解約の禁止
2.フル・ペイアウト

リース契約は途中で解約することができない。
更に「フル・ペイアウト」の要件から、リース会社がリース物件取得に要したコストのほぼ全額を、
リース期間中に支払わなければならない。

逆にオペレーティングリースだと、1,2の要件がない。

リースはこのように、「法律」に結構守られている部分がある。

  • リースの利用者は中小企業が多い

以上のようなリースだが、ユーザーとしてはどうも中小企業が多いようだ。
銀行からの融資だと一発で赤字転落するからリースにしたいとか、節税メリットが切実であるとか、
あまり大企業だとそんなことは考えなくてもいいらしくて
どちらかというとリースは中小企業相手の商売になるようだ。

オリックスは何やってんのかイマイチよくわかんない会社のひとつだけど、最初はリース事業で成長してきた企業です。
今では多角化が進んで、保険やら球団運営やら銀行やら色々やってますが、今でもリース事業は大きな柱です。

  • この記事の内容はこの本にもとづいている

「リースの知識と実務―契約手続きから会計処理まで」芥川基、久納幹史