四十三庵

蔀の雑記帳

評価の過去依存性

なにごとも適切に評価することは難しい。
なぜ人は誤った評価を下すのか長らく考えていたが、恐らくは評価が過去に依存するからである。

過去-------現在---------未来

というタイムテーブルを考えると、評価を行うのは「現在」となる。
現在の評価対象の実績は、過去に作られたものである。
現在の姿から未来を推し量ることはある程度の範囲で可能であるから、現実にはその辺りを加味して評価を下すことになる。

現在楽天イーグルスに所属する岩村明憲は、2010年に二年契約で計三億円(一年一億五千万円)という年俸をもらっている。
そして去年は打率一割台、HRゼロという惨憺たる成績を残して、二軍に落とされた。
岩村のクソっぷりはプロ野球でもなかなか類を見ないが、年俸の割に活躍しない選手というのは多い。

これは完全なる評価の過去依存性から生じるミスである。
岩村のような選手は、過去ヤクルトで打率三割以上の活躍をしているし、
メジャーリーグでも怪我する前はそこそこ活躍していた。
一億五千万円の年俸は、その過去の実績に基づいて払われた金である。

  • ケース2 企業の将来性

企業の将来性も、評価の過去依存性を結構受ける。
「大企業」というのは過去にいい業績を上げていた企業であり、将来もいい業績を上げ続けるであろう見込みの高い企業である。

就活生の企業評価も過去依存性が高いし、投資家も大企業バイアスにとらわれる。
逆に、企業側も人材採用のときに「評価」することになる。
このときも学歴であったり、経歴であったり、「今までどんな人生を歩んできたか」によって評価することになる。
なので大企業に入っても、一定数不祥事を起こしたり、働かなかったりする社員が発生しても、
入社以前はそれなりに立派な経歴をたどっていたはずである。

  • 適切な評価とは

過去の実績を適切に評価するとともに、将来の可能性も評価して、現在の評価につなげるのが、適切な評価であろう。
で、過去の実績の評価は情報さえあれば可能な訳だが、問題は将来の可能性というのをどのように測るか。
未来を確実にあてることは不可能なので、結局は勘頼みになる。
評価システムの作り方としては、不確実性を加味したような制度設計がいいと思う。
つまり企業の採用活動やプロ野球選手の契約であれば、出来高制やインセンティブ制度のような、
将来の成果に対して支払いが決まるような制度が、最も適切に評価が下せる。