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四十三庵

蔀の雑記帳

保守政権とリベラル

第二次安倍晋三政権になってから、長らく低迷していた総理の支持率が回復した。
日経平均は徐々に下がってきたけれど、それでも支持率は落ちていない。

2010年8月31日に書いた昔の記事に、
民主党に投票した連中は全員シベリア送りにしよう
というのがあった。
政権交代が実現したときに、僕は言いようのない絶望を感じた。
政治は「空気」によって動くのだというのを痛感せざるを得なかった。
僕は政治に詳しくないし、なりたいとも思わなくなった。
それで経済を勉強していたけども、やはり金のことを考えると、政府の圧倒的な力というのは無視できないようだった。

民主党政権交代が実現した要因は、政策的議論よりも、
TVタックルあたりが繰り返し流してた自民党・官僚・財界の天下りやムダ使いのバッシングだったろうと思う。

歴史的に見たら、民主党政権というのはなんだったのだろうか。
東日本大震災やユーロ危機の処理なんかは、自民党がやってても、民主党がやってても、そんなに変わらなかったろう。

  • 保守と革新

政治は先進国間であれば、だいたい同じような運営がなされている。
そこで、もう少し一般論的に捉えてみたい。

基本的に先進国の政治は保守政権と革新政権が交互に政権を担っていて、その政権下で問題が起こったら、ガス抜きのように、政権交代が起こる。
保守と革新ないしは右か左かはどちらが正しいという話ではないので、価値判断の問題になる。
日本人だとそんなに強く自分の政治的スタンスを持っている人はいないだろう。
それを反映して、政党もさほど強く保守色・リベラル色を出さない。

日本だと保守政権は、自民党で、アメリカだと共和党となる。
共和党は自民党以上に保守色が強い。
もし第二次世界大戦で日本が負けていなかったら、あんな感じの保守政権が残っていたのだろうと思う。
日本には真の意味で保守とリベラルがいないと言われるのは、自民党の個別政策を見ていくと、保守政党に似つかわしくない政策を何個かとっているからだ。
たとえば自民党公共事業の多さは、本来の保守政権の小さな政府志向とは全く異なる。
共和党はアダム・スミス以来の、市場理論を信奉しているから、民間でできる事は民間でやろうという価値観が強い。
アダム・スミスの理論は、フリードマンやらニューエコノミー論やら、形を変えてアメリカの経済政策を動かしている。
リベラル政権と比べれば、保守政権の経済政策はまだマシである。
リベラルの経済政策運営は、歳出を切り詰めて、福祉は維持して、景気刺激政策を削減する場合が多い。
堅実と言えば堅実なんだけども、不況の時にそれをやると更に不況が深刻化する経済運営となる。

保守政権は、福祉政策に関しては、今の日本みたいな財政状況だと出来るだけ支出を切り詰める。「自己責任論」になりがちだ。
その点、リベラルはよい。

日本の政治を見てると、リベラル(革新)の悪いところばかり目に付くが、これは日本で自民党の長期政権が続き過ぎて、まともな野党が育たなかったことが大きいのだろう。
ヨーロッパの国々はリベラルっぽい政治運営が多く、いろいろ政治課題を抱えている(たとえば失業手当が手厚すぎて失業率が高止まりするとか)けれども、
EUというヨーロッパで共同体を作るという歴史上はじめての試みを成功させた。

以上の議論をまとめると、保守とリベラルの差はこんな表にまとめられる。

/ スタンス 経済政策 軍事・外交 福祉政策
保守政権 小さな政府 好戦的 削減傾向    
リベラル政権 大きな政府 平和的 手厚い

日本の政治史において、民主党は一つの混乱要素でしかなかったように思われる。
「散々だった民主党政権だったけれども、これはいいことをした」というのが、あまり思い浮かばなかった。
天下りを減らしていこう、高校を無償化しよう、あたりはいい政策だったと思う。
僕の知り合いの東大法学部の留年生は、すごく優秀な奴で、経済産業省に入って日本の経済政策に関わりたいという熱い思いを持っていて、
国1の筆記受かって、面接を何度も受けて、最終面接まで行ったけれど、落とされて就職留年したそうだ。
最終面接の倍率的には、民主党政権が国家公務員の定数を削減する前であれば受かっていたようだった。
その話を聞いてつくづく政府は理不尽なことをやってるなあと感じた。

阿部政権にはそんな期待してる訳ではないし、多分リフレ政策も失敗に帰するとは思ってるんだけど、民主党よりは国のためによいと思っているので、いけるところまでいってほしいと思う。

リフレ政策がもしダメだったら、いよいよ日本経済はIT革命並のイノベーションが起こるか、
50年くらい経って、今の40代以上の中高齢者が全員死んで、人口ピラミッド一新したあたりにやっと経済状況回復するのを待つしかなくなるんじゃないかな。

そんな風に思います。とりとめもなく、終わり。
(了)