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四十三庵

蔀の雑記帳

国債残高を国民数で割って、国民一人あたり792万円の借金というのはミスリード

経済

国の借金 初の1000兆円超え

この総額を日本の人口で単純に割りますと、国民1人当たり、およそ792万円の借金を抱えている計算になります。

1000兆円超えたのは本当にヤバイんだけども、日本の財政危機を煽るときにマスコミがよく使う、「国民一人当たりにすると〜」という計算。
1000兆円だとケタがデカすぎて金銭感覚働かないので、国民一人当たりにすると感覚的に把握できるので、
日本の債務残高の巨大さがわかるだろうという意図で、マスコミはこの単純計算をよく使う。
個人で792万円の借金というと大きい感じがする。
しかも「自分が」792万円の借金をしていると考えると、「これは大変だ」と誰だって思う。

ただ日本の財政問題を考える上で、この一人あたりの国債残高というのはミスリードでしかない。

  • 何が間違っているのか

計算自体はもちろん正しいから、一人あたり792万円の借金という計算が間違いなわけではない。
その計算をすること自体が間違っている。

そもそも国債と個人の借金を同列で扱うことが間違っている。
借金には、資金の「借り手」と「貸し手」が存在する。
それは個人の借金も国家借金も同じだ。

個人の借金の「貸し手」は、銀行だったり消費者金融だったりする。
返せないと資産を差し押さえられたり、自己破産に追い込まれる。

国家の借金の「貸し手」は誰だろうか?
この記事
日本国債(10年物)の利回りが1%ないというパズル
でも書いたように、日本国債はほとんど海外の保有比率が顕著に低いという特徴がある。

国の借金の貸し手はほとんどが日本人及び日本の組織だ。
特に日本の銀行・保険が日本国債の半分以上の債券を保有している。

日本の銀行や保険会社が、誰の資金を使って国債への投資を行なっているかというと、
元を追っていくと日本の個人の預金・保険金だ。

日本人が銀行や保険会社を通して、国に金を貸している。
その債務残高が1000兆円になった。
それを日本人一人あたりで割ると792万円になる。
さあどうやって返そうか?

これはおかしな話だ。
おかしな話なんだけど、マスコミではまかりとおっている。

  • 財政問題が深刻でないという主張ではない

この記事を書いた目的は、「一人あたり792万円の借金」というマスコミの書き方がおかしいという指摘であって、
けして日本の財政問題が深刻でないということを言いたいのではない。
(了)