読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

四十三庵

蔀の雑記帳

「はだしのゲン」式に戦争の悲惨さを学ばせるのはそろそろやめよう

ちゃんと調べてないからよくしらないけれど、「はだしのゲン」の残酷描写が問題になっているらしい。
今更なんでそんな話になったのかわからないけれども、戦争教育についてちょっと思うところがあったのでブログ記事を書いてみようと思う。
ブログ記事はアイディアが思いついたらメモしてて、今のところ11個ネタはあるんだけども、忙しくて実際に文章書けていない。
そのうち「まあこの程度のことなら記事書く程のこともないだろう」と思って、お蔵入りになってしまうことになる。

  • 太平洋戦争の悲惨さを教える vs 戦争一般の残酷さを教える

日本の小学校では「戦争はいけないことだ」と基本的には教える。
日本で60年前に太平洋戦争があって、敗戦国となって、多くの犠牲を払った。
赤紙、配給制、特攻、人間魚雷、東京大空襲、広島・長崎の原爆、沖縄戦
その反省から、日本の憲法9条には戦力の放棄が規定されている。
平和の尊さを教える道具として、日本の小学校の図書館には「はだしのゲン」が全巻置いてある。

これも悲惨な漫画で、広島に生まれたゲンは、原爆投下の時に父、弟、姉が目の前で屋根の下敷きになって焼死。
身重の母を連れて、なんとか生き抜くけれど、なんとか生まれた妹は栄養失調で死に、母も原爆の後遺症で死亡。
特に二巻の原爆投下で壊滅した広島の描写は死体だらけで、黒い雨が降って、死体からは蛆が湧いて…というかなりキツイ描写続くんだけども、
被爆経験者の作者に言わせれば「漫画よりも現実のほうが余程グロテスク」という話。
まあ、グロいし小学生にトラウマを植え続けているけれども、全国の図書館に置くだけの価値はある名作だと思う。


日本の戦争教育というのは、万事「はだしのゲン」方式で、

「太平洋戦争のときにこんな悲惨な出来事がありました」(事実)

「だから戦争はよくないことだ。平和を大切にしよう」(教育の目的)

という風な歴史教育がされている。
平和教育自体は否定しない。
太平洋戦争を教えるな、とも言わない。
けれど今の平和教育には問題があると思っている。

今の平和教育は、とにかく悲惨なエピソードを教え続けて、学生の感情を動かして、
思考停止状態に陥らせた上で、「平和は尊いものだ」というメッセージを植え付けている。
けれど「戦争はよくない」と思わせることに成功したとしても、そこでいう戦争のイメージは「太平洋戦争」のイメージとなる。
現代の戦争は太平洋戦争とは全然違う

中東に独裁者がいて、国民に圧政を敷いている。
自分たちの国にも石油の値段が高くなったり悪い影響が出る。
だから軍隊を派遣して、正義の鉄槌を下そう。
自分たちの国民は全く攻撃されない。
志願兵で固められた軍隊が、3日で首都を制圧します!

現代の日本が直面している戦争はこんな感じだ。
今の歴史教育を受けて、
「戦争」→「自分の友達、恋人、家族が傷つく」→「悪」
と考えている日本人がいるとしたら、彼にとって現代の戦争に反対する理由は何もない。

本当に平和を尊ぶ人間を育てたいのであれば、すべての戦争に対して、倫理的に悪いことであると考えるようにさせなければならない。

  • 60年前の戦争の記憶を継承することも大事だけども、「今の戦争」を教えることも大事

「歴史教育が現代史を全然扱わない」という問題は散々指摘されているけれども、
平和教育においても、そこは大きな問題になると僕は考えている。

太平洋戦争の記憶を受け継ぐことは大切なことだと思う。
けれども、本当の目的はそこではないはずで、日本に生まれてくる子孫に、二度と同じ誤ちを繰り返してほしくないから、
太平洋戦争の記憶を受け継がせようとしているはずなのだ。
それなのに、太平洋戦争という60年も前の戦争を教えることで、子供に平和教育を施している。

もうそろそろ時代に合った平和教育のカリキュラム考えなおすべきではないだろうか。
(了)