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四十三庵

蔀の雑記帳

43個の電子書籍サービスを試して感じたこと

IT 仕事

Nexus7買ったときに、「これでポツポツ電子書籍でも読もう」と思っていたのだが、
いざ買ってみるとすっかりプロ野球動画再生用端末と化していた。
そろそろちゃんと電子書籍読もうか〜ということで、電子書籍アプリを色々試してみることにした。
さて、今日本にはどのぐらい電子書籍アプリがあるのだろうか?
とりあえずGoogle Play電子書籍とか検索してヒットしたアプリをテキトーに落としていたら画面がこんな状態になった

………

日本の電子書籍プラットフォームは未だ群雄割拠の状態が続いている。
このブログでも何度も使っているが、

こういう状態である。
この業界地図はよくまとまっていて、あらめてよく出来てるなあと思う。
説明すると、横が業種で区切られていて、それぞれのプラットフォームの関係性も書き込まれている。
業種は上から

海外勢(GoogleAppleAmazon
電子書籍ベンチャー
流通(セブン、コープ。ポンパレなどは本来このくくりではないと思うが、他にいれるところがなかったのだろう)
取次(書店と出版社をつなぐ卸みたいな業態。トーハンと日販の寡占市場。Zinioは海外のWeb取次みたい)
書店
印刷
通信(三大キャリア)
電機メーカー
新聞社
出版

という順になっている。ちなみにこの業界地図にすら載っていない、ニッチな電子書籍プラットフォームも存在する。
(主な)電子書籍ストアまとめ

この業界地図に載っているだけでも、41個のプラットフォームがある。
ローソンのエルパカブックスは撤退して、本を買ってた客には同額のポンタポイントが付与されたらしい。
ここのは載っていないが、日経BPストアというのと、LINEマンガも試してみた。
したがって、43個の電子書籍サービスを試してみることになった。
僕は軽い目眩と吐き気を覚えながら、電子書籍の荒野へ旅立つことになった。

  • 4強

41個のプラットフォームがあるが、どうせ将来的にはほとんど消えることになると思う。
僕が勝手に名前をつけたのだが、電子書籍の4強というのが出来始めているのではないかと感じた。
つまり

iBooks(Apple)
Play Books(Google)
Kindle(Amazon)
kobo(楽天)

の4強である。
AppleGoogleに関してはスマートフォンタブレットのOSをガッチリ握っているので、その強みが大きい。
Amazon楽天ECサイト運営で培った出版社とのネットワークがそのまま電子書籍でも活きているような印象がある。

素朴に電子書籍サービスを選ぶならば、この中のどれかを使うことになるだろう。
僕は
電子書籍戦争の勝者が決まりそう
でも書いた通り、AmazonKindleがベストだと考えていて、そう遠くない将来にプラットフォームになると思っている。
けれども今回、Kindle以外のアプリも試していたら色々なことが見えてきた。

◯4強

iOS7になってから入ったアプリ。
インターフェイスはほぼiTunesと同じ。
iOS環境で電子書籍を読むなら最強のアプリだろう。

iBooksとは関係ないが、koboを使ってる時に気づいたのだが、
iPhonekoboを使っているとブックストアがブラウザ経由になる。
(つまり、koboアプリのためにインターネットをブラウジングする別のアプリが必要となる)
まったくkoboはホントクソだな〜などと思っていたが、よく確認してみると、Kindleでも同じようにストアに移動できないようになっている。
Nexus7のKindlekoboはちゃんとアプリの中で本を買うことができる。
不思議に思って調べてみると、どうやらApple
iPhoneのアプリの中で売買成立した場合は30%の手数料抜きます」
と宣言したらしくて、それでAmazon楽天iOS版はアプリ内でストアに行けない仕様になってしまった。
iPadKindlekoboストアを使おうとしているユーザーにはひどい話である。
この一事を見てもAppleはもう終わった会社なのだなという感じがする。

Androidでのみ使えるアプリ。
検索ベースで本を探すことになり、イマイチ探しづらいので、個人的にはあまり好きではない。
一回青空文庫をダウンロードしたせいで、「あなたへのおすすめ」が全て青空文庫で埋め尽くされたのを何とかして欲しい。

Amazon電子書籍サービス。
日本の電子書籍サービスの中でだいたい最安値をつけてる。
AmazonポイントやAmazonギフトを使って買うことができる。

池井戸潤の「ロスジェネの逆襲」を買ったが、他の電子書籍サービスが1200円なの対して、Kindle版は840円だった。
Amazonギフトカードを使ったので、現金は一円も使っていないが。


タブレットkoboのあまりの不具合の多さだけが評判になっている楽天電子書籍サービスkobo
もともとはカナダの会社を楽天が買収して電子書籍事業に乗り込んだが、肝心の端末が本当にゴミでどうしようもなかった。
最近の機種では多少マシになっているらしいが、初代は
「買って使おうとしたら、初期設定が一日たっても終わらなかった」
とか
「家電量販店でスタッフとして売ってたけど何人か買って行ってしまって申し訳なかった」
とかいう評判を聞いた。

その端末のイメージがあるからストアもクソかと思ったが、案外使いやすかった。
AndroidだとWindows8とかっぽいデザインなんだけど、普通に使いやすい。
商品の探しやすさでは、Amazon以上なのではないか。
SNSとの連携をやたら薦めてくるのが少しウザいが、それは無視すればいいだけで、
楽天ポイントも使えるので、キャンペーンで貯めた楽天ポイントでなんか電子書籍買うためのアプリとして使ってもいいかも。
などと思っていたら、こんな通知が。

こっ、こっ、koboニュースが六通〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜?!(うざい)

kobo会員登録で500ポイントもらえるので、僕はSBRの最新刊ダウンロードしました。

◯この後
何度も書くけども、普通に電子書籍使いたい人なら、
この上の四つのプラットフォームの中から、自分の環境にあわせて、自分の好きなモノを選べば良い。

この記事は後37個の電子書籍サービスを試した感想が続くのだけれど、はっきり言って苦行以外のなにものでもなかった。
狂気の沙汰だった。
おそらくこの記事を全部読むのも相当な苦行だと思うので、単純に電子書籍サービスどれがいいのかなあと考えてこの記事に辿り着いたなら、このへんで読むのをやめることをおすすめする。

電子書籍ベンチャー

電子書籍サービスのラインナップと価格は、実はほとんど横並びになってしまっているのだけど、
このサービスは品揃えが独特な感じがする。
スワイプの反応が悪い

よく調べてみると、元はと言えば富士通社内ベンチャーで、95年に独立したらしい。
現在JASDAQに上場している。
言われてみるとインターフェイスのダサさは心なしか富士通っぽい。

  • 6.eBookJapan(イーブックジャパンイニシアチブ)

コンサル出身の社長が起業した老舗電子書籍ベンチャー
2013年10月に東証一部上場した。
コミックを中心としているらしい。
売上40億の経常利益4億の企業とかでも東証一部上場ってできるんだ……

可もなく不可もなく。
ベンチャーだけど、あまり尖った感じは受けない。
「トランクルームサービス」というのをすげー仰々しく押してるから何のことかと思ったら多端末のクラウド同期のことだった。
逆にその機能ない電子書籍サービスってあるのか……?

電子書籍ベンチャーの三つの中では一番尖ってる。
それも、悪い方向に尖ってる。

B in B store、スマホ向けのアプリがない。
単にアプリ作る技術がないだけなのかと思ったら、どうやらそういう方針らしい。
このグイグイ来る感じの文章はベンチャーっぽくて好きなので是非一読して欲しい。

ボイジャーの新しい読書システム BinB(ビー・イン・ビー) はWebブラウザだけで読書を可能にするシステムです。専用プラグインのインストールも、 新たなアプリケーションのインストールも必要ありません。 ChromeFirefoxSafariIE9/10/8(※IE8で閲覧する場合は Google Chrome Frameが必要) でご覧になれます。


こんなことで困ったこと、疑問をもったことはないですか?

Q1パソコンでは読めるのに、なぜiPhoneAndroidでは読めないの?
Q2本を読むためのソフトがなぜこんなに沢山あるの?そんなに必要なの?
Q3なぜ電子書籍形式ごとに違う端末が必要なの?
Q4買ってから読むまでに、なぜこんなに沢山のソフトを読み込んだり、追加設定しなければならないの?
Q5ブログ等で気になった本を、その場で読んだり買ったり、友人に紹介したりすることはできないの?
そしてついには疲れ果てて、読書をあきらめてしまったことはありませんか?
ボイジャーはこのような疑問に、BinB(Books in Browsers)システムでお答えします。

どうやらBinBというのは「ブラウザで見る本」という意味らしい。

BinBStoreに置いてある本も尖っていて、このボイジャーは出版もやっているらしく、自分たちで編集した本も売っている。
他の電子書籍サービスとは全然違うラインナップになっている。
「報恩一途」という謎の台湾大企業の元会長白永傳の回想録や幻冬舎コミックスの雑誌「Spica」というのを買うことが出来る。
一応大手出版社の本も置いてることは置いてあるようだが、「半沢直樹」の池井戸潤の本は一冊もなく、スティーブ・ジョブズの伝記は一冊2000円するので、僕は疲れ果てて、読書をあきらめてしまった。

◯流通
8.Yahoo!ブックストアYahoo!
Yahooが運営してるだけあって、当たり前のようにWebサイトに飛ばされてしまった。
良くも悪くもYahooの電子書籍、という感じだった。

9.セブンネットショッピングセブン&アイ
電子書籍だけでなく、セブンとイトーヨーカドーで買えるような商品のECサイトに、電子書籍も一緒にあるという感じ。
あんまり電子書籍を売ろう、という作りでもないが、一応電子書籍サービスである。

10.コープデリeフレンズ(コープネット事業連合
コープって何かというと、生協のことだ。
電子書籍なんかやってんのかとビックリしたけど、割ときっちり作ってあってビックリした。
ラインナップは主婦向けに家計お助け本とかダイエット特集とかが前面に出てる。

しかしまあ生協まで電子書籍に手を出してるとは……

11.ポンパレeブックス(リクルート
これ流通じゃなくね?と思わなくもないが、業界地図に従う。
これも当然のようにWebサイトに飛ばされる。
リクルートポイントが使える。
キャンペーンで入会すると500リクルートポイントがもらえる。

ポンパレというのは同社の共同クーポン購入サイトの名前だが、なんで電子書籍にまでポンパレという名前をつけたのかは謎。
気持ちビジネス書を推してるかな〜という感じ。

◯取次
12.ビットウェイ
凸版印刷から独立した電子書籍取次会社。
……だったが、確認してみたら買収されて、現在はBookLiveにサービスが統合されている。
BookLiveも同じく凸版印刷電子書籍サービス。
なんかわかりづらいが、とにかくサービスはBookLiveへ移行し、会社は出版デジタル機構が吸収した。

13.PDABOOK.JP(モバイルブック・ジェーピー)
PDABOOKというのがWEBサイトの名前で、スマホ上のアプリは「どこでも読書」というすごいダサい名前がついてる。
どこでも読書って別に紙の本持ってればどこでも読書できるもんでは……

14.boocross(日販)
取次大手の日販の電子書籍サービス。
……なのだが、本を買うには未来堂書店の「mibon」というWebサイト経由となる。
店頭でコンテンツカードというのを買って、ポチポチ打ち込むと電子書籍がダウンロードできる珍しい仕組みをとっている。
なるほどこれならクレジットカードがなくても現金で電子書籍が買える! 早速近くの本屋に行こう! あっ、あれ? これ紙の本買うのと変わらないのでは???

後なぜかアプリをダウンロードするときに、boocross本棚とビューワーを二つダウンロードさせられる。
日本の出版会の取次を寡占している日販が電子書籍業界を寡占する日は永遠に来なさそうだ。

今なら新規登録で500ポイントもらえるキャンペーン中。

15.Digital e-honトーハン
日販と二社で取次業界を寡占しているトーハン
日販と違って、結構よさ気なアプリだった。
医学文献を推してる。

16.Zinio(Zinio)
海外の電子書籍会社。
カッコイイ雑誌がいっぱい売ってる。
残念ながら日本の雑誌はそんなにない。
デザインはオシャレだが……

◯書店
17.Kinoppy(紀伊國屋書店)
ご存知、紀伊國屋書店電子書籍サービス……なのだが……

基本的に出版社・新聞・書店すべてに言えることだが、電子書籍があまり売れすぎると紙の本が売れなくなるというジレンマがあるので、
電子書籍のプラットフォームは一応流行りに乗って作ったものの、販売に熱を感じない。
担当者に
「なんかこのアプリ使いづらいっすねー」
と言ったら、
「やっぱ電子書籍ってダメですよね! やっぱ本は紙じゃなくちゃ!」
とか目をキラキラさせながら言ってきそうなものを感じる。

アプリはタブレットインターフェイスに対応していないので、Nexus7だと文字が小さい。
本が探しづらい。
一応ポイントサービスはある。

18.TSUTAYA e BOOKs(CCC)
TSUTAYA電子書籍サイト。
ストアは当然のようにWEBサイト。
WEBサイトのトップページは若者向けの雑誌や漫画が多くて、TSUTAYAっぽい。
可もなく不可もなく。

◯印刷
19.BookLive!(凸版印刷)
前述の凸版印刷電子書籍のアレ。
凸版印刷にかぎらず、印刷会社は出版業界の既得権益側の立場だが、出版や書店と比べて、危機感が強いのか、かなりしっかり作っている印象がある。
BookLive!も4強のアプリに比べてかなりよい。
ラインナップも書店の最新棚に遜色ない気がする。
26万冊配信しているそうだ。

増税前のキャンペーンということで、
1000〜1999円購入で100ポイント
2000〜4999円購入で300ポイント
5000円以上購入で1000ポイント
というわかりづらいキャンペーンを行っている。

どうやら電子書籍サービスのキャンペーンは、

新規会員登録で500ポイント
期間限定ポイントアップ

のどちらかが主流らしい。

20.自己ガク(共同印刷
資格勉強とか趣味とか実用本に特化した電子書籍サービス。
アプリもちゃんとある。
思い切って分野を絞ったのはよさそうだが、僕からするとちょっと絞りすぎて使いたくない気がする。

21.honto(大日本印刷)
大手印刷会社DNP電子書籍サービス。
大日本印刷がやってるだけあって蔵書数は多い
が、電子書籍化されてなくて紙の本をサジェストしてくる場合が多いので笑ってしまった。
hontoポイントサービスがあって、通常1%のポイントが1000円購入で200ポイントになるキャンペーン実施中。
凸版と似たようなキャンペーンだ。
印刷会社はこういうわかりづらいポイントキャンペーンが好きなのか???

22.BookGate(廣済堂
廣済堂という会社、僕は知らなかったんだけども、印刷会社でもあり、出版も手がけている。
このBookGateというプラットフォームでもガンガン自社の本を売ってくる。
ラインナップが少なすぎて笑ってしまった。
カテゴリで探そうとしたら実用書19冊、コミック51冊というなかなかの状態だった。
試しに廣済堂が出してる「女に手っ取り早くモテるようになりたい!」みたいな本をクリックしてみたら、
Google Playに飛ばされて、600円の有料アプリとして配信していたので更に笑った。

23.雑誌オンライン+Books(インテア)
雑誌中心のプラットフォーム。
書籍、漫画も買える。
(るるぶ2014年版のイタリアが1000円だった…)

アプリ自体は全体的に画像が最適なサイズに調整できてなくて残念な感じだけども機能的にはまあ可もなく不可もなくって感じかな〜と思って、
運営会社のインテアを調べてみたら、マザーズに上場してる企業で、3期連続で赤字決算のなかなかヤバ目の会社だった。
数年後には会社ごとプラットフォームも消滅しているかもしれない。

◯通信(三大キャリア)
24.ブックパス(au
Appleとの関係の悪さを象徴するように、AndroidアプリがあるのにiOSアプリが存在しないこのブックパス。
月562円で漫画も小説も読み放題と歌っているが、実際は読み放題の本はごく一部で、
漫画の一巻だけ読み放題対象で、二巻からは別というアコギなサービスになっているようだ。
一冊ずつ買うこともできるが、ほぼ紙の本の値段と変わらない価格設定になっている。
一ヶ月無料期間があるが、三日も使えば十分だろう。
ちなみに一冊ずつ買う買い方を「アラカルト購入」という名前つけてるのがものすごくムカつく。

携帯キャリアのサービスを期待してはいけない。
auの携帯電話からしか使えないサービスっぽいが、普通にau IDさえあれば他キャリア・Wi-Fi等でイケるらしい。
(っつっても、あんま使うメリットはないが……)

25.dマーケットブックストア(docomo
正直auとそんなに変わらない。
読み放題がないくらいか。
ガラケー時代は輝いてたのになあ……どこで道を間違えたのか……スマホへの対応……業界一位の驕り……などと色々なことを思ってしまった。
あ、あとドコモポイントが貯まる、使える。

26.スマートブックストア、ビューン(SoftBank
スマートブックストアというのが、SoftBank電子書籍プラットフォーム。
普通。
ビューンの方は一月400円程度で一部の雑誌が読み放題になるもの。
まあ、auのブックパスよりは使えそうな感じだ。
SoftBankの回線がないと利用できないらしい。

◯電機メーカー
27.ReaderStore(SONY)
日本の電機メーカーがまともなプラットフォームをつくってるわけはないが、
ReaderStoreはその中ではマシな感じがする。

入会で300ポイント、初購入で300ポイントもらえる。
半沢直樹シリーズの最新刊「ロスジェネの逆襲」が1260円のところ、入会300ポイントで960円で買える。
……ちなみにKindle版は840円。

28.GALAPAGOS STORE(SHAPE)
経営危機のシャープの作ったプラットフォーム。
GALAPAGOS」という挑戦的な名前をつけて、実際に日本の家電メーカーのガラパゴス化したクソを売るというシャープの経営戦略には誰もが驚かされたが、
GALAPAGOS STOREもなかなか微妙な感じ。
起動したらアプリが落ちた。
WEBのGALAPAGOSStoreに飛ばされる。
入会キャンペーンで微妙なラインナップの本が無料でダウンロードできる。

29.Book Place(東芝)
Cloud InnovationというクソムカつくサブタイトルがついているBook Place。
Innnovationというわりにはタブレットインターフェイスに対応していなくて、当然のようにWebStoreに飛ばしてくるし、
そのWebStoreもなんかガラケーの画面みたいな半角カタカナ使った安っぽいサイトで、東芝っぽい。

ちなみにこの記事を書くために、ほとんどのアプリは会員登録をスキップしてストアを見てサンプル落としたりしてるんだけど、
Book Placeを最初に開くとスキップの選択肢がなかった。
シカトして一回アプリ閉じて、再起動すると会員登録せずに使うことはできるが、不快な作りをしている。

30.BooksV(富士通)
富士通電子書籍サービス。
パピレスも元はといえば富士通の社外ベンチャーだから、おもいっきり競合してる。
会員ログインをSkipすると、いきなりストアが出てくる。
ダイヤのA」が紙と変わらない価格で、420円で売ってある。

電子書籍でも日本メーカーは価格競争力を放棄したらしい。

31.マガストア(電通
広告代理店最大手の電通がつくった電子書籍プラットフォーム。
若者向けの雑誌専門のプラットフォーム。
本当に雑誌しかないが、デザインとかはわりかしいい感じ。

いきなりSPAの下品な表紙がでかでかと表示されたのが不快だった。

◯新聞社
32.日経ストア(日本経済新聞社
新聞社の電子書籍ははっきり言って絶望的である。
出版社以上に頑迷固陋な人間が集まっているのだろう。

日経はさすがに経済新聞ということもあって、自分たちが「電子書籍の時代が来る!」とか書いてるのに、
対応しないのはさすがに恥ずかしいのだろう。
電子書籍には新聞社の中では一番積極的に対応している。

まあしかし扱ってる出版社が日経関連オンリー。
仮に使うとしても、日経専用アプリとなるが、そこまで日経の出版物「だけ」を求めている人間がいるのだろうか。

更に日経BP用に、日経BPStoreというアプリも存在する。
仮に僕が日経信者だとすると、日経用に日経Store、日経BP用に日経BPStore、その他の本を管理するためにKindleと3つのアプリで電子書籍を管理しなければならないことになる。

33.本よみうり堂デジタル(読売新聞社
読売の電子書籍プラットフォーム。
日経とは違って、自社以外の出版物も取り扱っている。

34.ニコニコ静画(ドワンゴ
業界地図の描き方の都合上、ここに入ってしまったが、言うまでもなく新聞社ではない。

ニコニコの会員で入れる。
アプリの出来はさすがにいいが、本を探すとブラウザ経由になるのに萎える。
ラインナップはニコニコを使ってるような、おたく向けで、コミックやライトノベルが多く、他のジャンルは弱い。
エロ漫画がかなりのアクセサビリティ持ってるのが気になった。
エロ漫画の表紙で引くような、女性の利用者は完全に想定してないのかな?

35.Fujisan.co.jp(富士山マガジンサービス)
昔の雑誌がタダで、最初から最後まで読める。
つっても2011年3/30のマガジンとかだけど……
どこで収益生み出してるのかイマイチ謎だが、2000冊以上の雑誌を「タダ読み」できる。

◯出版
36. パブリ(日本電子書籍出版社協会
総作品数3万5000冊。
割とシンプルで見やすい設計にはなっている。
ただ「紙の本を売りたい」という色気が断ち切れないらしく、「紙の本を買う」という選択肢がある。

ちなみにだが、電子書籍関連の団体も乱立していて、現在日本では6つの電子書籍推進団体が存在する。
お察しの通り、推進団体とは名ばかりで、これから電子書籍市場が拡大したときに利権を貪れるように俺たちが都合よくスタンダード作ってやろう!と設立した団体である。

1986年 日本電子出版協会(出版社+IT100社以上)
2009/8 日本雑誌協会の「雑誌コンテンツデジタル推進コンソーシアム」(雑誌)
2010/3 日本電子書籍出版社協会集英社小学館講談社など)
2010/6 電子書籍を考える出版社の会(技術評論社、毎コミ、ワークスなど)
2010/7 電子出版制作・流通協議会凸版印刷大日本印刷など)
2011/9 出版デジタル機構集英社小学館講談社など)

と、まあ、六団体ある。
推進団体というよりは、電子書籍が出てきても再販価格維持制度に基づく価格カルテルを死守しようとする価格維持団体としての役割を果たしている感じがする。

パブリは上から三番目の日本電子書籍出版社協会電子書籍プラットフォームだ。

大手出版社が多数参加している、電子書籍推進団体の公式プラットフォームなのに、書籍数3万ちょいで凸版のBookLive!の26万冊の蔵書の7分の1というのが、一番の笑えるポイント。

37.ブックパブ(数社による共同運用)
運営元がわかりづらかったので、調べてみると、運用は二社がやっているらしい。

・三和書籍(出版社向け対応)
・株式会社モバキッズ(企画・開発・運用)

それにくわえて、「運営幹事8社の出版社が幹事企業として、企画案・改善案の立案、運営方針の検討等を行っている」らしい。
電子書籍ファンのための出版社直営電子書籍モール ブックパブ」という誰に訴求してるのか全くわからないタイトルがついている。
電子書籍ファン」というのがこの世に存在するのだろうか。

現在の参加出版社:14社 販売中の電子書籍:347点

ソフトバンククリエイティブとか、C&R研究所とかいう耳慣れない出版社とか、14社の本をおいている。
347点しかないプラットフォームで、どこの電子書籍ファンを満足させるつもりなのか皆目検討がつかないが、
きっと電子書籍ファンは電子書籍が読めるだけでありがたいのだろう。
電子書籍で購入のボタンの横に、Amazonで購入する(紙の本)のボタンが貼ってあって笑ってしまった。
もういっそKindleのリンクも貼ったらどうだろうか。

買うと、ただのただのPDFが送られてくるっぽい。
支払手段も、Paypalとクレカしかない。
電子書籍プラットフォームでただのPDF送るというのはなかなかロックなことをする。

38.Gihyo Digital Publishing(技術評論社
技術評論社なのにアプリがなく、WEBサイトのみなのがクるものがある。
おいている本も技術評論社のものだけ。
技術評論社電子書籍を売るためのプラットフォームだ。

39.DigitalBooksJapan(ディスカヴァー21
DBJと略すらしい。
日本政策投資銀行ともろかぶりしてるのを誰もなんとも思わなかったのか。
ディスカヴァー21は「勝間和代の10倍年収アップ!」とかを発売してた会社。
ビジネス書に強みがある。

これも自社の出版物を売るためのプラットフォーム。

40.Book☆Walker(角川グループ
Store行ったときの印象が「おたくくせー」と思ったが、運営会社をよくよく調べたら角川だった。
(アプリの製造元に角川と書いてなかったので、BookWalkerという会社なのかと思っていた)
当然のようにWEBサイトに誘導してくるストアは腐女子向けという印象を受けた。
トップページに一号館〜四号館という4つのページに飛ぶリンクが貼ってある。

一号館→ライトノベル
二号館→漫画
三号館→小説・専門書
四号館→女性のための書籍が満載

じょ、女性のための書籍……?いったいなんのことだ……?
とクリックしてみると、どうせBL本ばっかなんだろうなあ〜と思ってたら普通の少女漫画もいっぱいあった。

メニューボタン有Androidスマホインターフェイス
タブレット対応してない。
角川は割と出版社の中ではガンガン電子書籍攻めてる印象がある。
他のプラットフォームにも本を提供しているので、わざわざBookWalkerで読むこともないのかなあと思う。

41.YDC100(有斐閣
学術書で定評のある有斐閣電子書籍サービス……なのだが……
有斐閣のお固い法律書の古典1000冊を収録して、一年12,000円で読み放題。
ラインナップを見ると確かに弁護士志望の学生とかは嬉しいのかもしれないが、
それにしても年額12,000円……

◯おまけ
42.日経BPストア(日経BP社)
前述のとおり、日経ストアの日経BP版。
最初の誘導で強引にクレジットカードを登録させようとしてくるが、無視してストアに行くことはできる。

前から思っているのだが、日経新聞社と日経BPは組織としてはわかれているから、
出版ルートもわけてるんだと思うけども、ユーザーからしてみると不便しか感じない。

43.LINEマンガ(LINE)
LINEの電子書籍アプリ。
マンガオンリー。

LINEは一つの端末でしか使えないが、LINEマンガの方は複数端末OKらしい。
LINE IDがあれば、iPhoneでもNexus7でも使えた。
スタンプ付マンガとか、独自のサービスがある。
さすがにアプリはLINEだけあって使いやすい。

  • まとめ

43個の電子書籍サービスを試した。
最初は見分けがつかなかった「ブック◯◯」というアプリも、だいたいこんな分類になることがわかった。

日本の電子書籍市場だが、「使ってもいいレベル」には育ってきてると思う。
マンガの最新刊も、どこの出版社も紙と同じくらいの時期に出している。
問題は価格の方で、電子書籍の最大のメリットである、「印刷コストと流通コストがかからない分安く出来る」というのを、どこの出版社もやりたがらない。
電子書籍にして、「1500円の本が1280円に!」とかセコい割引しかしていない。

口では「電子書籍革命!」「◯◯社の電子書籍はじまる!」とか言っているが、実際は価格を維持したいという本音が隠し切れないようだ。
出版社や本屋の気持ちもわからないではない。
もし仮に1500円で書店で売ってる本が電子書籍なら500円です!ということになり、
電子書籍に顧客が殺到したならば、紙の本にも値下げ圧力がかかるだろう。
今の日本人の読書習慣から考えても、電子書籍の値段を下げまくって売上を増やしたとしても、
紙の本の売上減少を上回るほどの需要が生まれるとはどうしても考えづらい。
今まで読書しなかった人間が、500円になったから突然電子書籍を買いだす、ということはないだろう。
逆に今まで紙の本を買ってくれていた奴らが、電子書籍にスイッチするだけになってしまう。
それは避けたい、というのが既存の出版業界の偽らざる本音だろう。

現在電子書籍プラットフォームは乱立しているが、実はどこの扱っている本は似たようなラインナップだった。
2014年3月末の時点では、

大量の角川の電子書籍と、
講談社池井戸潤の小説「ルーズヴェルト・ゲーム」や「不祥事」、
マンガなら「宇宙兄弟」の一巻と二十巻無料配信、「失恋ショコラティエ」の一巻無料配信、

この辺りはどこの電子書籍ストアもやっていた。
40個以上のプラットフォームがあるが、結局は出版社の戦略に従っているだけで、どこも代わり映えのしない横並びの商品ラインナップだった。
(自社の本だけを扱っているプラットフォームは別だが)
今の日本でこれだけ消費者の利益が損なわれている業界なんて、携帯業界と家電業界くらいしか思いつかないが……あっ、どちらも電子書籍参入してる……

僕の結論としては、やっぱ「四強」の中のどれかをメインとして使って、後はその他のプラットフォームから、必要に応じて何個かいれる程度がベストだと思う。
今の時点では、ポイントサービスやキャンペーン次第で使う価値のあるアプリは四強以外にもあるんじゃないかと思う。

僕の場合、iPhoneにはKindlekoboiBooks、LINEマンガの四つが入っている。
楽天ポイントが結構あるので、koboはその使い場所としてはなかなかいい。
Nexus7で使うのも、メインはKindleにして、koboやLINEマンガを残すと思う。
やはり「読みたい本/マンガが一冊でも入ってる」という状態になると、Kindle以外のアプリでもなかなか消せなくなる。
LINEマンガには宇宙兄弟の一巻と二十巻が入っている。
別にKindlekoboでも0円になってるからダウンロードしなおしてもいいんだけど、同じものをダウンロードするのはめんどくさい。
それならアプリそのものを残しておいたほうがいいか、と思ってしまう。

(四十三庵の電子書籍記事)
日本で電子書籍はなぜ流行らないか?
電子書籍戦争の勝者が決まりそう

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(了 4:16)