四十三庵

蔀の雑記帳

ソフトウェア運用が属人化する一番の理由

企業は「属人化を排せ」とは言うものの、現場では属人化が起きまくっている。
ドキュメント類を整備したとしても、そのドキュメントが理解できなかったり、
勉強会を開いてみても、全員が「わかっている人」レベルには達しない。
結局は何か問題が起こったら、「わかっている人」に聞く運用になる。

話を聞く限り、どの企業でも多かれ少なかれ属人化の問題は起こっている。
人数が少なくて、全員の技術力が充分で、互いにコミュニケーションがしっかりとれていれば、属人化の問題は起こらない。
でもまあそういう状況は、「人類が互いに愛し合えば戦争は起こらない」に近い考えであって、
現実には相当厳しい感じがする。

  • 属人化が起こる一番の理由

どうしてエンジニアさんは「誰にでも理解できる、網羅性の高いドキュメント」をつくらないのだろうか?
彼らがわかりやすい文章を作る訓練を受けていないから?
出来る人には仕事が振られやすく、忙しすぎるから?

一番の理由は、僕が考えるに、
「わかりやすいドキュメントが出来ると、そのエンジニアは価値をなくすから」
ではないだろうか。

誰もが簡単に理解できるようにさせることは、そもそも「わかってるエンジニア」にはデメリットしかないのだ。
「わからなければ俺に聞けよ」という状態をたもてば、会社の中で自分の価値を持ち続けることができる。

「わかる人に聞け」状態が起こると、ソフトウェア運用は確実にブラックボックス化する。

→わかる人が異動・転職で部署からいなくなる
→引き継ぎ & ドキュメント整備(ただし本人にはメリットがない)
→引き継いだ人間が限定的な知識で運用する
→引き継いだ人間が部署からいなくなる
→引き継ぎ & ドキュメント整備(ただし本人にはメリットがない)
→(以下ソフトウェアが使われなくなるまで繰り返し)
→誰もわからなくなる

ドキュメントとかマニュアルとかオンラインヘルプとかを作るというのも、めんどくさいし、
ソフトウェアの本質的な価値を創る作業ではないので、嫌がられがち。

現状で、わかりやすいドキュメントを作ってくれてるパターンは、
その会社の優秀な人が、たまたまめちゃいい人かつわかりやすく説明してくれる、池上彰的な人がいて、
ドキュメント整備にもボランティア的に力いれてる場合に限る気がする。

特に結論とか対策とか書く気はなく、終わりです。
(了)