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四十三庵

蔀の雑記帳

かつて、日本において企業の果たしていた役割

論考

一年ぐらい働いてみて、ぼんやりと考えていること。
主張というよりは、考えていることのメモ書きという感じの文になってしまった。

サラリーマン

スーツを着て、満員電車に乗って、デスクに座り、電話かけて、書類読んで、会議に出て……
当たり前のような光景だが、歴史的に見ると、けして当たり前ではない。

企業という存在の大きさは、一般庶民の生活を変えていった。
太平洋戦争前の日本は、約40%の就業者が、農業に従事していた。
(参考)
序 明治以来の日本の経済

農業従事者は、70年代には約20%、98年には約7%になって、圧倒的な少数派となる。
我々の年代になると、祖父母が農家というのも珍しいのだろう。

土地に縛られた農業に比べて、第二次産業第三次産業が生み出す富はずっと多い。
サラリーマンはサラリーマンの辛さがあるだろうが、
だからといって農本主義社会に戻っても、牧歌的な世界は存在していない。

会社の変化

終身雇用・年功序列が保てたのは、日本経済が好調だったから、それだけ余裕があったとも言える。
かつて日本において企業が果たしていた役割を、今の企業は果たしていない。
かつて日本の男を退屈なサラリーマンにした株式会社であれば、
大学に入れば、どこかしら雇ってくれて、結婚して子供育てる程度の福利厚生はあった。
今の日本でも、もちろんその程度の福利厚生は存在する。
ただしそれは正社員になれればの話で、非正規雇用はその対象外となっている。

正規雇用であっても、ヤバイ会社は結構ある。
大企業か中小企業かを問わず、残業100〜200時間/月とか、
給料が以上に安いとか、そういう会社は、正社員であってもキツい。
最近はブラック企業批判が盛んだけども、人から伝え聞く限りの話だと、
今の日本企業というのは、「そういうもの」らしい。

かつて、日本において企業が果たしていた、
「退屈なルーチンワークに耐えれば、生活や結婚を保証してくれる」という役割を、
もはや日本企業は果たさなくなっているような気がする。
そもそも2000年以降に就職した世代は、もうあまり企業を信じていない。

第二次産業から第三次産業への転換

製造業中心の経済からサービス業中小の世界へ転換したのとか、
ITが進化して、紙ベースの仕事が減ったのとか、
女性の社会進出とか、その辺がきっと日本人の働き方を変えたんだろう。

工場や建設現場で、たくさんの人間が一つの案件に対して働いていた時代は、
何より求められるのは「言われたことを黙々とこなすこと」だったはずだ。
真面目さ、勤勉さ、忍耐、協調性。
そういった素養が求められた。

一方、現代日本のような、ホワイトカラー化した国だと、
そもそも定型作業があまり存在しなくて、
営業だったり、プロジェクトマネジメントだったりが仕事となる。
現場で働いているのは非正規雇用のバイトや派遣や外国人で、
正社員の仕事はそれをまとめる仕事が中心になる。
積極性、機転、リーダーシップ。
そういった素養が求められる。
(了)