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四十三庵

蔀の雑記帳

アベノミクスって結局どうなったの?→数字を追ったけどやっぱ失敗なのでは……

働き始めてから、テレビも新聞も見てないので、
経済学部にいて講義受けてた大学時代に比べて、経済の状況に疎くなった。
経済学部の教授と酒飲みながら日本経済の話したりする機会はもはやなかなかない。
(今思うと得難い体験だった)

アベノミクスがはじまったのが、2012年12月から。
もうかれこれ3年と半年が経つ。
あの頃の未来に僕らは立っている……
というわけで、久しぶりに経済関連の数字を漁ってみることにした。

そもそもアベノミクスってなんだったっけ

アベノミクスという言葉がバズワードみたいになっていて、
(多分政治家としては確信犯的にやっているんだろうけども)
そもそも何をしようとする政策だったのか整理しよう。

第二次安倍政権は、以下の3つの政策を軸にして、景気回復を図った。
(所謂「三本の矢」)

1.大胆な金融政策
2.機動的な財政政策
3.民間投資を喚起する成長戦略

1の金融政策では、「2%のインフレ目標」を設定。
これはそれまで保守的な姿勢を保っていた日銀を考えると、相当革新的なことだった。
2についても、公共事業は増えた気がする。
3はちょっとどうなのか。

ストーリーとしては、以下の流れ。

1.金融市場が回復。強引に物価を上げる。

2.財政政策により企業業績が回復

3.民間投資が盛り上がって、政府は出口戦略をとる

4.企業が利益を投資家と労働者に分配する(配当と賃上げ)

5.家計消費が回復する

6.企業の収益がアップ。マイルドなインフレが続く。

7.デフレスパイラル脱却!おめでとう!

さて、アベノミクスが実行された、この三年間、日本経済がどんな感じだったのか、主要な統計指標で振り返っていこう。

データについて

物価2%目標について、まずは見てみよう。

2013年 2014年 2015年
総合 0.4 2.7 0.8
生鮮食品を除く総合 0.4 2.6 0.5
食料及びエネルギーを除く総合* ▲0.2 1.8 1.0

http://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.htm
2014年だけ実は達成している。

次は消費と収入に関して。

2013年 2014年 2015年
【二人以上の世帯】消費支出(実質) 1.0 ▲2.9 ▲2.3
消費支出(除く住居等※)(実質) 1.0 ▲2.5 ▲2.0
【勤労者世帯】実収入(名目,< >内は実質) 1.0<0.5> ▲0.7<▲3.9> 1.1<0.1>

http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.htm
こっちに関してはもうダメダメ。
2014年4月の消費税増税の影響もありそうだし、単純に物価の上昇ほどに賃金が上がんなかった可能性が高い。

株と為替について。

・日経平均

2013/3 2014/3 2015/3 2016/3
12,397.91 14,827.83 19,206.99 16,758.67

http://ecodb.net/stock/nikkei.html

・ドル円

2013/3 2014/3 2015/3 2016/3
94.7 102.2 120.3 113.0

単位: 円
※月間の平均レート
http://ecodb.net/exchange/usd_jpy.html

株も為替も、2015年度までは割と順調だったんですけど、
2016年はわりと失速しましたね。

GDPについても数字載せようかなと思ったんだけど、あんま面白味がない雰囲気なので、リンクを貼るに留める。
結局経済成長できてない。
日本のGDPの推移 - 世界経済のネタ帳

解釈について

これらの数字から、以下の事実が読み取れる。

・この三年間で、物価は一応上昇に転じている。
 2014年には2%の目標を達成。
・2014年、2015年の実質消費は落ち込んでおり、家計の消費を増やすことには失敗した。
・2014年の実質収入は3.9%の落ち込み。2015年も名目では上昇しているが、実質で見るとほぼプラマイ0くらい。

これらの事実から言えることは、アベノミクスはデフレ脱却にはある程度成功した。
ただ実物経済の波及は遅れ、企業の収益が分配されることはなかった。
故に消費も増えなかった。

この現象は、企業の経営判断を考えればそんなに不思議ではない気がする。
経営者もアホではないから、好景気にするぞと言われて、ホイホイ給料をあげたり投資をしたりはしない。
ベアの圧力は少なからずあるから、決算がよかった企業なら、少しは給料をあげる。
けれども、どの企業も、この景気がどこまで続くのかを、冷静に見定めようとしている。
新卒の採用は増えているけれど、よくよく見てみるとリーマンショック前の採用数には届いてない会社も多い。
「人不足」とたまにニュースでやっているけれど、よく見ると外食のバイトとか建設現場の作業員が足らないという話で、メインは非正規雇用の話題だ。

まとめ

そんなわけで、アベノミクスは今のままだと失敗だったと結論づけていいんじゃないかと思います。
物価の上昇は達成したけれど、企業の賃金・消費にあまり結びつかず、影響は金融市場にとどまった。
最近マイナス金利の導入とかもしたけれど、いまいちマーケットインパクトは小さかった。
そろそろネタ切れ感がある。

次の論点は消費税増税を予定通り行うかどうかになると思う。
今のところ行う路線で進んでいるので、増税が正式決定した時点で日経平均暴落は確定だろうと思われる。
2017年4月。
いったいどうなってしまうのか。
(了)