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四十三庵

蔀の雑記帳

MADE IN JAPANは完全に死んだ

東芝が完全に死んだ。
“嵌められた”東芝 日米原子力同盟の末路 (1/2) 〈週刊朝日〉|dot.ドット 朝日新聞出版
SONYも映画事業で赤字らしいので、日本のメーカーは死んでしまった。

以前こんな記事を書いた。
blog.stm43.com
この記事を書いた2012年は、民主党政権で超円高が進んでいた。
それから五年後。
アベノミクスによる金融緩和で為替相場が一気に円安に振れて、日本のメーカーの業績は驚くほど回復した。
そして今、一瞬の輝きを放って、MADE IN JAPANは名実ともに死に絶えようとしている。

肌感覚で日本製ダメだなと思った経験

五十代以上くらいの人と話すと、今でも日本製品は高品質で、
中国韓国製品は安かろう悪かろうだと思っている人がいる。

けど僕の肌感覚では、最近の中韓メーカーは、
かなり技術的に攻めてる商品をガンガン出してきている。
Samsungのgalaxy note 7は爆発物認定されてしまったが、あれもAppleと戦うために、限界まで性能を攻めた結果だ。
(さすがに飛行機に持ち込めないのは論外だが)

この記事で書いたが、昔SONYのWalkmanを買ったときに全然充電ができなかったことがあった。
10年かかって手に入れた最高のランニング音楽環境 - 四十三庵
このときの対応でも思ったけど、もはや日本人にものづくりへの情熱みたいなのはないのではないかと思った。
まあ別に僕も電子工作に強い情熱を持っているわけではないので、そのことでメーカーの人々を攻める気はない。

Appleのこと

Appleが本当にすごいのは、鴻海という台湾メーカーに製造を委託しながら、その製品のクオリティを保ち続けていることだ。
イノベーションがどうとか言われるけど、実際は泥臭い生産管理プロセスがしっかり機能しているのだと思われる。
(ジョブズの後釜のティム・クックが生産管理部門出身なのも面白い)
もともとジョブズの理想主義を実現するために、Appleはアメリカで自前の工場を持って、全然採算がとれなかった過去があるらしい。

Appleのやり方も、現場をギチギチに締めるタイプの管理らしいので、
働いている人々を思うと、それでいいのかと思うところもあるが、消費者としてはありがたい。
多分日本のメーカーはそこまでやっていないのではないか。

日本メーカーなぜすぐ死んでしまうん?

高度経済成長からバブルまでの、1960年から90年あたりまでは、日本メーカーは世界でも輝きを放っていた。
ただ日本は豊かになったが故に、日本メーカーは死にやすくなった。

60年〜90年の間は、
・日本国内に安い給料で働く若者がたくさんいた
・東アジアの発展が遅れていたし、戦争もあったため、アジアに競合がいなかった
・為替レートが固定で、今考えたらものすごく日本有利なレートになっていた。
 (ただし73年(だっけ?)から変動相場制になったけれど、しばらくは為替の調整は緩やかだった)

とまあ、好条件がそろっていた。

アメリカもそうだけど、経済成長が進むと、ものづくりから、サービス業へのシフトが進んでいく。
(2)経常収支発展段階説から見た所得収支の拡大
高校の政経とかでやるであろう、発展段階説ってやつ。
貿易黒字でどんどん債権を貯めていって、やがて輸入過多になり、その債権を崩しながら、
もはや国内ではものをつくることはなくなる、という段階に至る。

日本もそれに近い状態になりつつある気はしている。

これから

メーカーは厳しいといっても、自動車産業なんかはまだまだ元気なので、一緒くたにしてはいけないと思う。
けど仮に僕がぼんやりと思っている、日本メーカー全体がキツくなる流れがこのまま加速していって、
多くの日本人が金融だとか商社だとか、何かを生産するわけではなくて、
金から金を生み出す職業につくような時代になることがあるのだとしたら、
それはすごく実体のない、不思議で不安な状態だなあと思った。
(了)