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四十三庵

蔀の雑記帳

「メジャーはバントしない」は本当か

2017年4月からようやくメジャーリーグを真面目に見始めた。
その中で長年自分の中で疑問だった、「メジャーはバントしない」説について、一つの見解が得られた。

普通にメジャーでもバントはする

僕が見ているのはヤンキースの試合だけだけども、普通にバントしている
「メジャーリーグではバントなんて普通しない」は完全にウソ。
全然バントはする。

どういうときにバントするか

ただ日本のプロ野球と違うのは、
「ノーアウト一塁orワンナウト一塁になったら、確率論的にバントで二塁に進めた方が得点する確率はあがるので、送りバントすべき」
という、送りバントのセオリーというのが存在しない。
僕が見る限り、メジャーリーガーがバントを使うケースは、
・ランナーなしから、ファースト/サードの位置的にこれならセーフティバント決められるという状況
・ナショナル・リーグルールのときのピッチャーの打席で、ランナーが一塁にいるとき
とかだった。
正確に言うと、「送りバント」というセオリーだったら、確かにメジャーにはないように見える。

なぜ送りバントがないのか

これをもって、「じゃあ送りバントなんてやっぱムダに相手にワンナウト献上するだけやん!」と思うのは早計である。
メジャーとプロ野球の一番の違いは、バッターの実力・意識にあるのではないか。
メジャーは年俸が桁違いに高いというのもあるのか、下位打線といえども、
普通にフルスイングして、ホームランを打つことが期待されているし、そういう選手がレギュラーに選ばれている。
2013年の報道ステーションでの、ダルビッシュと工藤公康との対談で、下記のようなダルビッシュのコメントがある。

全文表示 | ダルビッシュ「報ステ」インタビューが反響 「ちょっとみんなマー君持ち上げ過ぎじゃないかな」 : J-CASTニュース

また、大リーグでは、バーランダーのような名投手に対しても、打順が下位のバッターまで本気になるとダルビッシュ有投手は言う。チームメートで8番打者のソト選手が「今日ホームラン打ったる」と公言したのを聞き、実際実現したこともあったとした。だから、逃げようと思うようなことがあれば、やられてしまうというのだ。

ダルビッシュの所属するレンジャースは、ナ・リーグなのでピッチャーも打席に立つが、ア・リーグだとDHがあり、
本当に一番から九番までホームラン狙いでガンガン振ってくる。
下位打線であってもホームランが打てるポテンシャルを持っている選手で九人バッターを並べたならば、送りバントをする必然性はどこにもない。
これがメジャーに送りバントがない理由だと思った。

日本が学ぶべきこと

日本人がメジャーを見て学ぶべきことは、短絡的に送りバントは悪だと思うことではなくて、
ヒットを打てる期待値がどのぐらいならバントさせるべきかという、合理的な判断を下すことだろう。
日本だと二塁手、遊撃手あたりは守備のスペシャリストみたいな扱いになることが多く、打てなくてもいいや、となりがちである。
それなら、たしかに送りバントさせた方が合理的だろう。
今のプロ野球だと、二番バッターだから一番が出たら送りバントするのが基本とか、わりと思考停止する傾向がある。
実況解説を聞いてても、「オッここはバントさせずにヒッティングでいきます」みたいなことを実況が言って、
失敗したら解説が「確率論で言えばやっぱ送りバントなんですよね」とか言うのがお決まりの流れになっている。
「日本人は非力なので送りバントしたほうがいい」というのは、十年前くらいならそうだったのかもしれないけれど、最近のプロ野球選手のフィジカルは強くなっている。
進んでいる高校では、高校時代からウェイトトレーニングをしている。
大谷翔平を代表として、ルーキーの身体能力は確実に向上している。
いつか「送りバントさせるくらいなら打たせろよ」という意見が、正論になるときがそう遠くなく来るのかもしれない。
(了)