四十三庵

蔀の雑記帳

90年生まれの僕が自分を金持ちになったなと思った瞬間

iTunesで新作の音楽をダウンロードして聴いたり、Kindleでマンガ買いまくったりしてると、自分が金持ちになったなと感じる。
大した話ではないんだけど、これって結構デフレ世代っぽい感覚なのかなーと思ったので、一筆書いてみる。

働く前

高校生とか大学生だったとき、どういう風に音楽やマンガと付き合ってたか。
著作権的には完全アウトだけども、ネットにあげられてる音源とか、漫画とかをダウンロードするという手があった。
WinnyとかTorrentとか、ファイル共有ソフトを使うと更によかった。
けれど僕は金がないなりに節度は持っていたので、TSUTAYAとかブックオフによく行っていた。
したがって、流行の最先端からはいつも遅れることになった。
もともとトレンドを追うことにそんなに興味がなかったので問題はなかったけれど、
好きなミュージシャンの新譜が出てるのに、レンタルになるまで待たなければいけないのはそれなりに悲しいことではあった。
けれどTSUTAYAのレンタルは、CD五枚で1000円とかだったので、一枚あたり200円で借りられた。
アルバムを新品で買うと3000円なので、結構な金額差だ。
高校生当時、いくらこづかいをもらっていたかは忘れてしまったが、まあとにかく、3000円は大きな出費だった。

片道二、三十分かかるTSUTAYAまで自転車を漕ぎ、青い袋(今はなくなった)にCDを五枚つっこんで帰り、
パソコンのiTunesで曲をインポートした。
インポートはCDの傷つき具合にもよったが、十分ぐらいの作業だった。
この作業にはリッピングというカッコいい名前がある、と知ったのも最近のことだ。
インポートが完了したら、iPodをつないで、iTunesと同期する。
あとは一週間以内にまたTSUTAYAまで自転車を漕いで、返しに行く。

何もない休みは、ブックオフで二、三時間立ち読みしたこともあった。
社会人になってから同じことをしようとしたが、十分ともたなかった。
別に立っているのが辛いとかではなくて、単純にそこまでの情熱を持ってマンガと向き合えなくなった。
マンガはCDに比べると安かったので、気に入った作品だけ新刊を買っていた。
好きなマンガはたくさんあったので、全部買うわけにはいかなかった。

あと本読むときは図書館で借りてた。

優しくない価格設定

インターネット上ではよく「クリエイターには適切な対価が払われるべき!」という言説を唱えて、周りから同意・賞賛されるという美しい光景がある。
けど学生時代は何をどうしたって定価のCDは買えなかった。
もっとバイトしろよとか、本当に好きなミュージシャンなら親に泣きついてでも買うべきだとか言われてしまうかもしれないが、とにかく昔の僕はそういうやり方をしていた。

働き始めてから思ったが、色んなモノの価格はだいたい正社員の給料をベースに決められているように感じる。
そりゃそーだろ、と言われるかもしれないが、これは僕にとって一つの発見だった。
CDの値段とか、野球場の飲食物の値段とか、観光地のメシとか、学生時代はただただ高いなと思っていたが、
働き始めると「まあ高いけど、場所が場所なのでこんなもんか」と思うようになった。

iTunesの曲は、一曲250円する。
アメリカだと1ドルらしいので、普通に高い。
高いけれど、実際買ってみると便利である。
TSUTAYAに行くために自転車を漕ぐ必要もないし、レンタル中ということもないし、リッピングする必要もない。
部屋の場所もとらない。

マーケティングしてる人間からすると、金を出せない人間は、最初から相手にしてないのだろう。
まあ確かに、アルバム一枚200円で聴いてる人間に対してマーケティングしても、利益にはならない気がする。
(了)