徘徊記?三越前と北浦和?
○竹久夢二展(三越本店、別館七階)
前回のアンコールワット展の興奮が1ECだったら、今回の竹久夢二展は3ECくらいになるだろう。
そんな思いを膨らませながら、相変わらずストレスの溜まる地下鉄に乗り込む。
竹久夢二は日本史の資料集の、確か「黒船屋」とかいう名前の絵で、既に知っていた。
スレンダーで、眉毛がはっきりとした美人画だった。
で、いざ入ってみると、いきなり白人の女のスケッチばかり。
まあそもそもコンセプトが、「憧れの欧米」なんだから、そりゃあそうなんだけど、
日本風の美人を描くイメージがあったから、びっくりした。
その白人の少女のスケッチが、また、かわいくないんだ。これが。
確かに白人の女ってあんな感じの顔をしてるし、
見ようによってはちょっとごついような、魁偉な顔なんだけれど、
それをそのまま絵にしてあるんで、何というか、救いがない感じがする。
実際に白人女性を見ると、魁偉な顔の中に、愛らしさがあったりなかったりするのを感じる。
白人の女を絵にするなら、その辺を出すために、多少デフォルメしないといけないんだろうが、
夢二たんはそのまんま描いている。まあスケッチだから、っていうのもあるんだろうけど、
それにしたってかわいくない。日本人の女描くとあんなにかわいいのに。
スケッチは、風景画も多い。
色々描いている。港町の風景だとか、民家だとか。
でも何となく、こう、ぱっとしない。
画家のスケッチだから、とんでもなく下手って訳じゃないんだけど、
なんかこう、格別上手いとも思えない。
ゴッホだかミケランジェロだかの画集を見たら、風景画のスケッチがものすごく精巧で、
やっぱり画家は素人とは格が違うなあ、どうしたらこんな風に描けるんだろうと衝撃を受けたんですが、
なんか夢二たんのスケッチは、絵が好きな素人が描いたスケッチのような雰囲気さえある。
で、その後も色々な絵を見て、
途中から日本画っぽくなっていって、日本人の女が多くなって、
そこで気づいたんだけど、やっぱ夢二たん下手なんだ。
下手っていうのは、写実的でない、っていう意味だけど。
よく壁の説明を読んでみると、夢二たんは独学で絵を描いているらしい。
そう考えると美術学校のノウハウってすごいんだなあと思った。
まあそんな訳で、アンコールワット展程の興奮はなく、0.5ECくらいだった。
○貨幣博物館(公式サイト)
貨幣博物館に行こうとしたら、月曜日は休館日で、やっていなかった。
この博物館の前に日銀があった。
立派なギリシャ風の建物だ。太い柱が厳しい。
ふと思ったのだけれど、日本銀行が、立派な建物の建築法として、
海外の建築様式を使っているのは、どうなんだろうか。
その辺が日本という国の、根っこの弱さになっているように思われる。
日本の建築様式で立派な建物を建てるとしたら、やっぱ城みたいになるのか。
ああそれもだめだなあ。
○堀兼神社(狭山市による公式サイト)
堀兼神社バイトで物流センターに行ったのだが、近道を探そうと思っていたら、
迷ってしまって、たどりついた狭山にある神社。
結構立派な神社で、割と近いのに、全く知らなかったので、入ってみることに。
注連(しめ)縄のまかれた立派なけやきの木が。葉っぱはなかった。
太さ2m以上、高さ10m以上の、迫力ある大木。
堀兼の井というのがあった。(水は出ていないが)
Googleで検索しても出てこないような、全くマイナーな神社だとばかり思っていたから、
手帳に細々としたことを色々書いたのだけど、検索したら写真まで出てきた。
拝殿は丘の上にある。階段をのぼってゆく。
初詣をしてなかったので、いい機会だと思い、参拝する。
どうか片道一時間半というむだな通学時間が、
大学近くの一人暮らしによって解消されますように。
どうかこの地獄のような退屈な日々から抜け出せますように。
○埼玉県立近代美術館(公式サイト)
北浦和駅という、川越から微妙にアクセスが悪い駅に行く。駅の西口を出て、
北浦和公園という、かなり広い公園があって、その中に埼玉県立近代美術館がある。
公園内にはでかい立体彫刻があちこちあり、中央に広い噴水がある。
正直公式サイトの雰囲気なんかから、小ぢんまりした美術館を想像していたので、
霙のふる悪天候にも関わらず結構な人入りで、思った以上に賑わっていて、びっくりした。
1FにはMOMASコレクションという、常設展がある。(この名前はセンス悪いと思う)
常設だけど展示が時々変更されるらしい。この時は、4つにパートが分かれていて、
1は空間がどうの。モネとかカミーユなどの有名画家を含む風景画。
2は響きがどうの。なんか視野を広くすると、絵が浮かび上がってくるように見える。
3は南画コーナー。江戸以降の南画特集。
4は戦時中の生活。コミカルな絵。
地下1Fは恒星とか言う人のキュビズムっぽい絵、埼玉の風景の写真展、
浦和のグループの写真展、国展があった。
2Fが企画展で、小村雪岱特集。泉鏡花の挿絵とか描いてた人。
途中で俺小村雪岱がそんなに好きじゃないことに気づくも、まあ何とか楽しめる。
展示品の数が恐ろしく多い。
3Fは図書館がある。美術系の本が充実してる。
ちなみに公式サイトにある唇みたいなソファーは3Fにある。
俺が座って、どいたすぐ後にカップルが座りだした。
一人で行った美術館にカップルがいると、すごく鬱陶しいことに気づいた。
以上を全部見たら2時間以上たっててビックリした。
埼玉にこんな立派な美術館があるとは。
個人的には六本木のクソ美術館よりデートに向いてると思う。
○県立浦和高校(公式サイト)
浦和北駅の東口をおりると、なんか大量のタクシーが固まって停まっている。
左に行くと平和通り商店街とかいう商店街がある。
西口おりた時も思ったけど、北浦和周辺はいい感じに栄えている。
浦高通りとやらをひたすらまっすぐ進んで、浦和高校を目指して歩く。
思った以上に歩く。徒歩15分近くかかる。
なんか浦高通り、やたらたくさん散髪屋がある。
美容院、床屋と10個以上ある。どんだけ密集してんだ。
浦和高校に着く。校舎広い。大学っぽい。
生徒は私服通学のイメージだったが、皆学ラン着てる。
一人私服の奴がいるだけ。一応制服あるんだな。
そういえば高校生クイズのデブも制服着てたな。
などと思いつつ、さすがに高校に深入りする気にもなれず、帰る。